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6...鵺宵、開封
「よし!もうこの縄は必要ないだろう!」
阿戯斗はそう言うと、鵺宵の首に巻かれた赤い縄を杖で小突いた。
すると赤い縄は、ボロボロと崩れ落ち、そして灰になって消えてしまった。
「ふぅ...」
鵺宵は首を締め付けていたものから解放され、息をつく。
「んっ」
しかし、その次の瞬間には、鵺宵の首に別のものが巻き付いた。
「あら」
「おや」
阿戯斗と鎖凪は、一様に小さく驚いた。
鵺宵の首に巻き付いたのは、
先ほどまで阿戯斗と鎖凪に怯えて大人しくしていた、白蛇だった。
「...」
鵺宵は首をブルリと振るが、
白蛇はキュッと首に巻き付いて離れない。
「ははは、その子はそうするのが好きなようだね」
「ふふふ」
「くぅ...」
鵺宵は少し首が苦しかった。