表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/31

17...鎖凪による座学2【陰妖師?】


「じゃあ、(おん)妖師(ようじ)って何?」

妖廻(ようかい)の事を一通り聞いた鵺宵(やよい)は、今度は(おん)妖師(ようじ)について質問した。



(おん)妖師(ようじ)はね、妖廻(ようかい)封縛(ふうばく)する存在よ」

鎖凪(さなぎ)は応える。


妖廻(ようかい)はね、死んでしまっても、魂になってこの世を漂い、一番近くの瘴気(しょうき)溜りから生き返るの。

魂が瘴気(しょうき)を取り込んで、力を取り戻すと考えられているわ」


「だからね、妖廻(ようかい)を滅する事に意味は無い。

でもね、人間は愚かだから、どうにかして妖廻(ようかい)を消し去ることは出来ないかと考えたの。

自分たちより強い力を持つ妖廻(ようかい)という存在を恐れたのね。

そうして生まれたのが(おん)妖術(ようじゅつ)


(おん)妖術(ようじゅつ)は、妖廻(ようかい)封縛(ふうばく)して、表の世界から排除して、人目のない場所に閉じ込めてしまう術。

そして(おん)妖術(ようじゅつ)を扱って妖廻(ようかい)封縛(ふうばく)するのが(おん)妖師(ようじ)なのよ」



「ふーん」

鵺宵(やよい)は、いい加減に相づちを打つ。



(おん)妖師(ようじ)の仕事は主に三つ。

一つ目は、妖廻(ようかい)封縛(ふうばく)する事...閉じ込めるって事ね。

そして二つ目は、封縛(ふうばく)を維持し続ける事。

最後に三つ目は、妖廻(ようかい)の代わりに、瘴気(しょうき)を浄化する事」


妖廻(ようかい)封縛(ふうばく)封縛(ふうばく)の維持は、悲しいことに随分と上手くいっている。

長い年月積み上げてきた技術によってね」


「でも、問題は瘴気(しょうき)の浄化。

妖廻(ようかい)の代わりに瘴気(しょうき)を浄化するなんて、そんなに簡単にできることじゃないの。

当然あちこちに瘴気(しょうき)溜りが出来てしまっているわ。

そして、その瘴気(しょうき)溜りから、妖獣(ようじゅう)が生まれる」



妖獣(ようじゅう)?」



妖獣(ようじゅう)っていうのは、妖廻(ようかい)の卵や種子のような存在よ。

妖廻(ようかい)とは違って、まだ魂が芽生えていないから、不死ではないの。

だから、完全に滅する事が出来るわ」


「その代わり、妖獣(ようじゅう)には自我がないから、無差別に暴れまわる危険な存在なの。

でも、(おん)妖師(ようじ)ではない人々には、妖獣(ようじゅう)妖廻(ようかい)を見分けることは難しい。

だから、多くの人々は妖獣(ようじゅう)妖廻(ようかい)を同じ存在だと勘違いしてしまっている。

妖廻(ようかい)妖獣(ようじゅう)と同様に、凶暴で恐ろしい存在だと思ってしまっているのよ。

妖獣(ようじゅう)が沢山生まれるせいで、余計にね」



「そうなんだ...」



「それなのに(おん)妖師(ようじ)は、妖獣(ようじゅう)退治を殆どしない。

瘴気(しょうき)払いや妖廻(ようかい)封縛(ふうばく)を維持するのに忙しいから妖獣(ようじゅう)なんかに構っていられないだとか、

妖獣(ようじゅう)は専門外だとか言うのよ」


「そうして、妖獣(ようじゅう)退治は妖獣(ようじゅう)狩りって呼ばれる人々に押しつけて...

元はと言えば、(おん)妖師(ようじ)妖廻(ようかい)を沢山封縛(ふうばく)したから、

瘴気(しょうき)がそこら中に放置されて、

瘴気(しょうき)溜りになって、

妖獣(ようじゅう)が沢山生まれたって言うのに!

おかしいと思わない!?」



「う、うん...」



「あっ、ごめんなさい。

いつの間にか妖獣(ようじゅう)の話になってしまっているわね」


「いいよ」


「とにかく、(おん)妖師(ようじ)妖廻(ようかい)封縛(ふうばく)する悪い人達なのよ。

わかった?」


「うん」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ