14...大魔天狗の賞賛
城の最上階。
鵺宵は、阿戯斗に連れられて、|大魔天狗《だいてんぐ》の元へ訪れていた。
「おおぉ、ほんに昇華しておる」
鵺宵が部屋に入ってくるなり、大魔天狗が目を丸くした。
鵺宵は、トコトコと大魔天狗に近づいて「こんにちは」とお辞儀した。
「ふむ...力も随分と強くなっているようだな」
大魔天狗は挨拶を無視し、鵺宵をジロジロと観察する。
「この調子で励むのだぞ」
鵺宵の瞳を見据えていった。
「うん」
「阿戯斗よ。
この分なら、お前の企ても、大分早く実行できそうだな」
大魔天狗が、鵺宵の隣に立つ阿戯斗に視線を向ける。
「ええ、これも全て大魔天狗様のお力添えがあってこそです」
阿戯斗は、誇らしげに応えた。
「なんのこと?」
「鵺宵はまだ知らなくていい。
時が来れば、話してやるからな」
「わかった」
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「大魔天狗様にちょっと褒められたくらいで、いい気になって...」
鵺宵が部屋を出ようとした時、天井から嫌みたらしい言葉が降ってきた。
女郎蜘蛛の綾女である。
「あっこんにちは」
鵺宵は、天井に張り付く綾女に気がつくと、急いでお辞儀した。
「ふん。
さっさと出て行きなんし」
「うん。
じゃあね」