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karyorrhexis
「ですので、残された時間を未練なく過ごしていただくためお手伝いをしたいのですが、最後に何かしたいことは御座いますか。」
(・-・ -・-・ ・- ・--・ ・-・-- -・--・ ・・--)
少女は教室を見渡したが、
ソレのことは自分以外誰も見えていないようだった。
どこか寂しいような冷たい表情をしているソレは、
長い杖を持っていて魔女のような死神にも似た格好をしていた。
少女の孤独が生んだ幻覚なのかわからないが、
何故かソレとは声を発さなくても会話をすることができた。
「さあ、何なりとお申し付けください。」
(-・--- ・--・ ・・-・・)
「はい。」
「--・・- ・・-・・ ・・ ・・・- 美・・・- --・-・ ・-
瞬・-・・ ・-・-・ -・-・ ・-・-- ・・ --・-- -・- ・---・て」
「承知しました。」
トン。
――ソレが杖で床を鳴らした瞬間、教室が城へと変わった。




