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pycnosis
いつもの教室。
チャイムと生徒達の声に振り回され、
少女の感情は炭酸のように泡立っていく。
「おはよう!」
(・-・・・ -・・・ -- ・・-)
少女は「おはよう」と心の中で返し笑顔で手をブンブンと振った。
――いつからだろう。
少女は質問をされた時に返答の選択肢が頭の中に現れるようになっていた。
複数の選択肢から1つ選ぶべきなのか2つ選ぶべきなのか、
正解を引こうと考える度、心が疲弊していくのがわかった。
そして気付かなかない内に、少女は言葉を飲み込むようになり喋らなくなっていた。
(-・ ---・- -・-- ・-・--)
心の境界線が薄いため相手の感情が少女の中に入り、
喋ろうとすると身体が震えるほどの強烈な拒絶反応が襲ってくる。
今にも吹きこぼれそうな感情に蓋をするため、
少女はイヤホンをつけた、その時――
「はじめまして」
――目の前に少女そっくりなソレが現れた。
「私は魂の管理者です。あなたの魂を頂きに参りました。」
(-・---)
「あなたはもうすぐ死んでしまいます。」