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お花畑の家出魔王  作者: 果勿充希
進出!人の街!
9/21

1-9 初めてのお買い物in人間の街!


「うーん、やっぱりベッドが欲しいな。床で寝ていると朝体が痛くてつらい」


僕は起きると同時に肩を回しながらそう言う。


「ベッドってあれでしょ?すごいふかふかしているの。あったら確かに床で寝るよりも心地よさそうだね」


でもなぁ、流石にベッドとなると家具作り素人である僕たちにとっては難易度が高すぎる。

素材だって、綿とか布が必要になる。

でも、やっぱりほしいよなぁ。だってこの後もずっとここで過ごすだろうし。


「やっぱり、ルルウでも作るのは難しい?」


「う、うん。難しいっていうかたぶん無理だと思う」


「そっかぁ……」


うーん、どうするか……


「あ、そうだ。人の街に買いに行くのってどうかな?僕としてはもともと行くつもりだったし、結構良い案だとおもうんだけど……」


「うん、いいんじゃない?わたしもちょっと人の街は気になるし」


「じゃあ、それでいこう」


「うん。あっ、でも人の街でお買い物するにはお金っていうものが必要なんでしょ?わたしの暮らしていた所にはなかったからよくわからないけど」


「うん、そうだよ」


そっか、すっかり忘れていた。一応、魔族の社会にも貨幣という概念は存在するしちゃんと流通している。でも、僕は魔族のいわゆる王子の立ち位置だったのであまり自分で支払いをすることがなかった。

まぁ、それでもちゃんと知識として知っているから、たぶん人の街でも問題ないだろう。

ただ、そのお金をどうやって手に入れようか。

当たり前だけど、今僕は人の街で使われているお金なんか持っていない。それにあいにく現在お金に換えられそうなものを持っていない。


「お金については魔族の社会にもあったから僕はわかるけどさ、人のお金はどうやって稼げばいいのかわからないんだけど……」


「えーっと、確か聞いた話だと人の街には冒険者っていう職業があって、魔物とかを買って暮らしているらしいよ。だから、わたしたちも同じように魔物を狩ってそれを売ればお金になるんじゃないかな?」


「そうなんだ。じゃあ、街に行く途中に魔物を狩ってそれをお金に変えようか」


「うん、そうしよう」


ということで僕たちは出かける支度をして、早速人の街に向かうことにした。





花畑から途中森によって魔物を狩りながら少し南の方に進むこと一時間くらい。


「おー、街が見えてきた!」


街の外壁が少し遠くに見えてきた。

街はかなり大きく堅牢そうな外壁に囲まれている。なんだかすごそうだ。

人の街は見たことあるけど、実際に入るのは初めてなのでちょっと緊張する。


「なんだか緊張するね……」


僕たちはもう少し進んで外壁の入り口、街の門に着いた。

門のところでは街に入る人の検問が行われているので僕たちもそれを受けるために並んでいる列に並ぶ。

この検問通れるよね?流石に魔族とはバレないだろうけど、何か引っかかるようなことがあったりしないよね?

そんな少しの不安を持ちながらしばらく並ぶとついに僕たちの番になった。


「よし、次!身分証は持っているか?」


身分証かぁ。持ってない……


「ないです……」


「そうか。では、今回街に来た理由は?」


「えーっと、僕たち冒険者になるためにここに来たんですけど……」


「そうか、わかった。じゃあ、子供一人だから……通行料は五ルグウだ」


え、通行料なんてものが必要なの?まだ持ってないんだけど……


「も、持ってないです……」


「持ってないか。そうか………じゃあ、無理だな!」


えー、だめなのか。そんなぁ。


「えー、お願いしますよ。入れてください!」


この衛兵さんの答えを聞いてラナがそのようにお願いをする。


「いや、無理だ。これは規則だからな」


「そんなぁ……」


僕たちが困って衛兵さんと言い合っていると……


「どうしたんだ?何か問題でもあったか?」


門の近くにある門番を務める衛兵の詰所の奥から、今僕たちが話している衛兵よりも年上の衛兵が現れた。


「いや、こいつらが街に入りたいと言っているんですが、身分証もお金も持っていないので街には入れられないと言っているだけで特に問題ありません」


「そうなのか?どれ……」


そういってその年上の衛兵は僕たちの顔を覗き込んできた。


「ふむ、少年と精霊か……いいだろう。入れてあげろ………」


「でも、規則じゃ……」


「これは俺の命令だ。この二人を入れてあげろ」


「わかりました。おい、お前たち入っていいぞ」


なんだかよくわからないけど、この年上の衛兵の人はこの僕たちと話していた人の上司らしく、その人のおかげで入ることが出来た。ありがたい。

僕は門を潜り抜けると、再び詰所に入っていこうとしていたさっきの年上の衛兵さんに話しかけた。


「あの、僕たちを入れてくださりありがとうございました。ところで、失礼な質問かもしれま線が何で

僕たちえお入れてくれたんですか?」


「ん?さっきの少年と精霊か……で、なぜかって?それはな、お前が精霊を連れている少年だからだ。精霊を連れている悪い奴ではないだろうから、街に入れても問題ないと思ってな……」


どうやら僕はラナのおかげで街に入れたらしい。

もう少し詳しく聞くと、その衛兵さんは精霊は純粋で優しい人にしかついていかないと昔から言い聞かされていたらしい。ちなみに、これは人間の中ではかなり一般的な知識らしい。


「そうなんですか」


「ああ、そうだ。だから、その精霊とは仲良くしろよ?精霊と一緒にいる人なんてめったにいないんだ

から……」


「はい、わかりました。ありがとうございます」


「ああ、じゃあな」


そういって、その衛兵さんは再び詰所の方へと向かっていた。

なかなかに紳士的でいい人だったな。もう一回会えたら、その時はちゃんとお礼をしたいな。

それはそうと……


「よかったー!街に入れて」


「ほんとだねー!」


僕たちは街を見渡しながらそういう。


「そうだ、ラナありがとうな」


「えっ、いやいや、わたしはそんなお礼の言われるようなことはしてないよ。ほんとそれはいいから、早く冒険者ギルド?っていうのに向かおうよー」


この街に入れたのはさっき衛兵の人が言ったようにラナのおかげなのでお礼を言ったら、恥ずかしくなったのか、さっさと冒険者ギルドに向かうよう僕を促してきた。


「わかった。じゃあ、行こうか……」





街に入ってから少し歩いて、僕たちはまず冒険者ギルドへと向かった。


『冒険者ギルド』

僕も魔王城にいるときに噂だけは聞いたことがある。

冒険者という、主に魔物の討伐や商人たちの護衛、他には珍しい素材の回収などを主な仕事としている。

それで、この冒険者ギルドというのはその冒険者の事務所のようなもので、冒険者がうける一般人からの依頼の受付や、魔物の換金などを行っている。


ここの冒険者ギルドはかなり大きく。そのレンガ造りの建物からは重圧な謎のプレッシャーを放っているのを若干感じる。

そして周りには数多くの冒険差hと思わしき人物がいる。


「ここが、冒険者ギルドかぁ………とにかく入ってみよう」


この建物の前で突っ立ていてもしょうがないので僕たちは早速入ることにした。

中も案の定多くの冒険者たちでにぎわっていた。

僕とラナはその冒険者たちの間をぬけていき、ギルド職員の人がいるカウンターと思わしきところまでくる。

まずは換金してもらうべく受付のお姉さんに話しかける。


「すみません、討伐した魔物の換金をお願いしたいんですけど……」


「換金ですね。わかりました。では、こちらにギルドカードと換金する魔物を提出してください」


ギルドカード?

え、もしかして換金するのには先に冒険者に登録する必要があったのか?


「すみません。まだ登録していないので持ってないですが……」


「わかりました。では、先に登録の方からしていきましょう。では、まずこちらの紙に必要事項をお書きください」


そういって一枚の書類と筆記具を取り出し渡してきた。

えーっと、書くことは……

名前、種族、年齢、あとは所持スキルと特異な戦闘方法及び魔法。

うーん、いろいろとごまかして書いていかないとな。

名前と所持スキルとかは少しごまかすだけ、でも種族は思いっきり人間と嘘を書いておこう。魔法は人にはほとんど使われていないという闇魔法だけ書かなければ問題ないだろう。

よし、こんなものかな。


「できました!」


「はい分かりました。では、少しの間お待ちください」


書類を受付のお姉さんに渡したらその書類を持って受付の奥に入っていった。

ふう、これでたぶん大丈夫なはず。ちゃんと受理してもらえるよね?なんか少し心配だけど大丈夫だと信じたいな。

しばらくして奥から受付のお姉さんが返ってきた。


「はい、ルルウさん。最後にこちらの水晶の上に手をかざしてもらっていいですか?」


「はい、わかりました」


僕はカウンターの机の上に置かれた水晶の上に手をかざす。

すると、その瞬間一瞬だけ光輝いた。


「はい、ありがとうございます。これで登録は完了しました。そしてこちらがあなたのギルドカードで

す。常に肌身離さず持ち歩いてください」


「わかりました」


僕はお姉さんからギルドカードを受け取る。


「おおっ……」


横で今までずっと見ていたラナもこれにはすごい興味を持ったようで、ギルドカードを持っている僕の手を覗き込むように見ている。

それは兎に角、これで僕も冒険者になれたわけだ。


「次は魔物の買取りですね。では、ここのカウンターの上に換金した今ものを置いてください」


「わかりました」


僕はここに来る途中に森の中で討伐した魔物、ウルフ系とボア系の魔物をどんどんとカウンターの上に載せていく。

カウンターの上にちょっとした魔物の山が出来たところで全部出し切ることが出来た。

最初は平然な顔をしていたお姉さんも途中から少し固まった笑顔が張り付いているように見えた。流石に多すぎたかな?


今回倒したのはそこまで強くないとはいえ、流石にこの量は僕でも多すぎるとは思う……

でも、このくらいないと魔物の交換レートがどのくらいなのかわからないので、かなりするであろうベッドを買うにはそれなりにないと足りないと思ったから仕方がないんだよ。すみません、受付のお姉さん。


「で、では、もう一度ギルドカードを渡してもらって、少し待っていてくださいね……?」


そういって、数人のギルド職員さんを呼んだ受付のお姉さんはその人たちと一緒に魔物の死体をもって、また、ギルドの奥に向かった。





「お待たせしました。まずはギルドカードを返しますね。そして次にこれが今回、換金された分のお金です」


しばらくして二袋の麻の袋を抱えたお姉さんが返ってきて、渡したギルドカードと持ってきていた麻の袋を僕に渡した。

麻の袋は持ったときにずっしりと重みを感じたのでかなりの量のお金が入っていそうだ。

これできっとベッドが買えそうだ!


「ありがとうございます!」


僕たちはそうお礼を言って、ギルドを後にした。


ひどいレベルの護持をしていたので修正しました。

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