1-4 険しい山河を越えた後
自分が決めてた予定より大幅に遅れました。
「やっと、ついたー!」
僕は何とか河の上を何とか飛び続け、大山脈の向こう側アルウェストに着くことが出来た。
何とかつくことはできたものの、足取りや飛び方はふらふら、息もはぁはぁと上がっていて、満身創痍である。
僕は何とかそのふらふらな足取りで地面に着陸するとそのまま、勢いに任せてどさっとそこら辺の芝の上に倒れるように寝る。
「何とか、超えることが出来た」
いまだ上がった息でとぎれとぎれになりながらも後ろにそびえたつラダナプト大山脈を眺めながらそう言う。
こんなに連続で空を飛ぶだなんて初めてだったがなんとかできてよかったと思う。
途中ワイバーンにも襲われたけれど、何とか倒せた。その代わりにかなりスタミナ使ったから割と後半ボロボロで河の中に何度か落ちそうになったが……
もう当分は立ち上がれそうにないや。起き上がる気も全然起きないし……
疲れのせいかなんだか、意識も遠のき始めているし本当に限界だったのかもしれない。
一回このまま寝てしまおうか。もうここはアルウェストだから追手が来ていたとしても追い付けないだろうし……
僕はそのまま意識を手放した。
「…………ん?」
どうやら僕はあのまま地面で寝ていたらしい。
なんだか、ここに着いた時の記憶が曖昧だ。疲れがオーバーフローしたせいだろうけど。
それにしてもいつの間にか周りが暗くなっているな。着いた時の曖昧な記憶だと明るかったと思うんだけど、そんなに長く寝ていたのか。
まぁ、そのおかげか今は飛び終わった疲れがほとんど残っていない。体調はかなり万全だ。
体の状態はかなり万全だけど、そのかわりに服装とかはかなり乱れてたり汚れていたりする。それに長い時間寝ていたせいかおなかもかなり減っている。
「とりあえず、一度身支度を改めて整えるか」
まず、今着ている汚れた服を脱いで水で軽くすすいで近くの木の枝に干す。
このまま放置しておけば、他の作業をしているうちに乾くだろう。
「こういう時のために予備の服持ってきておいてよかった」
そういいながら下したカバンの中から替えの服一式を取り出してそれに着替える。
「ふぅー、じゃあ次はご飯だ」
今度はカバンから持ってきた比較的保存のきく食材、パンと干し肉。そこら辺に成っていた果実。
果実は毒の有無がわからないけど、僕も一応魔王だし毒には耐性があるからもし毒があったとしても問題ないだろう。この果実にそんな強力な致死毒があるとは思えないし。
食事は果実以外はパンと干し肉と正直言えば味気ないものだけど、今までにないくらいおなかが減っていたせいかかなりおいしく思えた。
「ふー、ご馳走様」
うん、十分にお腹にたまった。
これでこの後十分に動けるだろう。
僕は食べ終わるとすこし待ってから木の枝に掛けておいた服を回収すると、それをバックに詰めて背負いなおす。
さて、今事前の予定で決めた中間地点にたどり着いたわけだ。
なので、次に向かうのは最終目的地。僕がもともと目指していた場所だ。
その場所っていうのは人の街の近くにあるとある花畑だ。
世界一といっても過言ではないほど広い範囲を一面花が埋めている。その花畑の真ん中には小高い丘がありそこには少し大きめの木が一本生えている。また、近くには大き目の湖が存在し、その花畑一帯がかなり幻想的な風景になっている。
この花畑は一度昔、父上にアルウェストに連れてこられた時に一度だけ見た場所で、その風景がかなり印象的だった。
今からそこに向かうわけなんだけど、比較的ここらラ近い場所にあるので早速森の中を進んでいこうと思う。
僕はいつの間にか脱げていたフードを再び被りなおす。
ここからは人間が住む場所なので魔族とバレてはいけないので山脈を越える前よりも気を付けないといけない。
一応完全に姿を変えることのできる変身魔法とかがあるけどそれは使わないことにする。
それはそれで大変だし、魔力の反応がどうしても出てしまうのでわかる人にはわかってしまうのだ。
それに僕自体、あまりそれを必要としていない。
なぜなら、僕は魔族の中でも一番人間に似ている『魔人』という種族だからだ
魔人族と人間の違いはそれほどなく、大きな違いは背中に翼が生えているということと肌が人間に比べてかなり白いことである。
背中の翼に関しては自由に出し入れすることが出来るので、これでバレるようなことはほぼないだろう。それこそものすごい驚いて反射的に出てしまったりしない限り。
それも肌の白さというのはかなり個人差があって蝋のように真っ白な人から若干白いだけで人間から見ても血色が悪い程度にしか思わない人と千差万別である。
僕の場合、そこまで真っ白ではなくかなり人間に近いのでそんなバレるようなものではない。
だから魔人族の中にはかなり人間に近い人がいる。なので人間社会に溶け込むのは他種族に比べて容易い。
まぁ、大体の場合は好戦的過ぎて人間の社会じゃ順応できないからそんなことする奴はほぼいないけど。
それはそうと僕もこれに含まれるので変身魔法はむしろ危険を背負ってしまうからしないことにした。
それでも万が一にでもバレてはいけないのでしっかりとフードを被っていかないとならない。
ここからhあカースイーストとはお別れだ。
どんな事情があろうと僕の故郷であるので若干心寂しい気もするが別に根性の別れではないので、自分がしたいことが終わったらかえってこよう。
――その時にはちゃんと自分の責任を果たせるようにならないとね。
僕は山脈の方を一度振り向いてそんなことを思うと、振り返って森の中を進んでいく。
これからは四日に一つ出していきたい(願望)




