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お花畑の家出魔王  作者: 果勿充希
進出!人の街!
17/21

閑話 夜とラナベル

わたしたちは森を出てゲイルとルフェさんに合流した後、もう夜中なので急いで街に戻ってそのまますぐに宿屋に行くことにした。


「ん、まだ夜かぁ……」


目を覚まして部屋の窓の外を見るとまだ外は暗かった。

宿屋に入ったときにはもう既にかなり暗かったのですぐに寝ることにしたのだけど、さっきまで緊迫した戦闘の最中だったせいかわたしはなかなか寝付けないでいた。


このままじゃ寝られそうにないし、しばらく起きてようかな………


わたしは上体を起こし、おもむろに横で寝ているルルウの方をみる。

ルルウは私と違ってすやすやと静かに寝息を立てて寝ている。

戦いのときもかなり手練れている感じがあったしこういうことに慣れているのかおしれない。

そう考えるとルルウってすごいなぁ。

今日の戦闘だってあの魔族の人相手にルルウが主に戦って勝った。それに対してわたしは少しの援護しかできなかった。


「わたしこれでも精霊族の王様になれるくらいには魔法とかにも自信あったんだけどなぁ」


ルルウには隠してるけど、わたし、実は精霊族の王様だったの。

だから、魔法にはものすごい自信があった。一応、精霊族ってものすごい魔法適性があるはずだし、それまでずっと魔法のことばっかり学び続けていたというのもあったし。

でも、あんまり活躍できなかったし、なんならルルウが使ってた魔法のレベルは私とかと同じくらいすごかった。


なんだか自信なくしちゃうな。

はっ、もしかして、ルルウって魔族の王様だったりするのかな?

だって仮にも精霊の王様に選ばれる程の魔法の腕はあるわたしと同レベルなんだもん。ありえそうじゃない?

それに魔法以外もものすごい強かったしね。

なんだかんだわたしまだルルウのことあんまり知らないから、知らないだけであってもそうおかしくないと思うけど………

もしそうだったらわたしとルルウ、精霊族と魔族の王様コンビで面白かったのにね。


いや、そんなことないか。

いくら強くてもまだルルウは王様としては若すぎるし、それにこんなところに真央z区の王様がいるのはおかしい。というか、いるわけない。

まぁ、どちらも当てはまるわたしみたいな王様のほうが異質だからね。

それにもはやわたしは王様じゃなくて、”元”王様だし……

だって精霊族の集落で王様として暮らすのが嫌でそこから抜け出してここまで逃げてきたんだもん。もう名乗れないでしょ。

まぁ、わざわざわたしが名乗ることもないだろうし、その必要に駆られるような時が来るとは思えないからいいんだけど。


むしろ王様としての重荷という足枷が外れていい気分だし、あのころとは違ってルルウと一緒で毎日楽しいからもう戻りたくない。



それはそうとわたしはこれから魔法の練習をしようかな。

あの魔族の男の人が言うには今回の事件はとある組織のものらしいからこれからも同じような人が来るかもしれない。というか、ルルウが言うには絶対来るだろうからそれに備えて魔法を鍛えておこうと思う。

そういえばルルウが使っていた魔法って闇属性魔法だったっけ。

わたし魔法は属性魔法の火、水、風、土属性の魔法と光属性魔法は使えるけど、闇属性魔法は精霊族の集落では教えてもらえなかったし、知っている人もいなかったので覚えていない。

だから、折角だしルルウに教えてもらおうかな?

他の属性ならルルウの求めに応じて教えられるからそれとの交換条件でお願いさしてもらおう。


「まぁ、ルルウのことだしもしかしたらもうそんなのいらないかもしれないけどね」


「あと、ルフェさんにもいろいろ相談してみようかな。ルフェさん、Aランク冒険者だしわたしなんかよりももっと魔法が上手だろうしね」


折角精霊族の集落みたいな閉鎖的なところからここまで来たんだし、教えてもらえるなら教えてもらわなきゃ損だもん。




わたしはベッドから出て窓際に立って外を眺める。

外の街にはもう一つも明かりは灯っておらず、月明かりにのみ照らされている。

さっきの戦闘の時とは打って変わって静かで平穏な街だ。

わたしが集落で思い描いていた平穏でささやかながら幸せがある暮らし、まさにそれである。


しかしながら、わたしはなんだか胸騒ぎを感じる。

あの月といい、あそこに見える木々といいなんだかそんな雰囲気を感じる。

今日のようなことがあったからかもしれないけど、むしろそのせいでその感覚に現実味があるように思える。


きっと近々何かしら起るだろう。

あの魔族の男の人の言うことを信じるならば、彼が所属している組織は昔に起こったと言われている人間族対魔族の人魔大戦争をもう一度起こそうとしているのだろう。

少なからずわたしたちはその戦乱に巻き込まれ、今できている楽しいルルウとの生活はできなくなると思う。今日ルルウが言っていたことからルルウはどうにかして好戦的な魔族を止めるつもりだろうし。

もしそうなったら、わたしも頑張って協力しないといけないな。

早く終結させてルルウと一緒に元の今の生活に戻れるようにするために。


そんなことを考えているうちに夜はさらに深まっていき、わたしは心が落ち着いてきた。

わたしはベッドに戻って、ルルウの髪をそっとひと撫でしてからわたしは眠りについた。


精霊王(女王)ラナベルは一応精霊族の中では一番魔法に精通していると言われています。

ちなみに精霊王に即位する方法は世襲していくのではなくではなく世代交代の時、一番魔法に長けている精霊がなります。なので王族というものはなく、歴代の精霊王の間にもほとんど近しい血縁はありません。




もう一つ閑話を出す予定です。

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