1-11 森の散歩とくま
「……良く寝れた」
昨日初めて行った人の街で買ったベッドはかなりお金をかけたおかげかとても満足のいくものだった。
とても柔らかく昨日みたいに体が痛くなるなんてことはなく久しぶりに気持ち良く寝れた。
やっぱりこれを選んで正解だった。
「うん、なんだか気分もいいし、散歩でもしようかな?」
不思議と奏したい気持ちになったので、せっかくだから僕は近くにある森にでも散歩することにした。
早速僕はベッドから降りて着替えなどお支度をしているとベッドからラナに声をかけられた。
「……んー?ルルウどっか行くの?」
「あ、うん。ちょっと散歩してこようかなって……」
「そうなんだ。じゃあ、わたしもついていこうかな?」
若干眠そうなしぐさを見せながらベッドから僕の方に飛んでくるラナに「わかった」と返事をして一緒に外に向かう。
まだ朝だからかそこまで日差しが強くない。それに若干風が吹いているおかげか外は少し涼しく心地よい。
今は早朝ということもあって魔物のほとんどが活動していないらしく、小鳥が囀るこえが聞こえるくらいでとても静かだ。
こうやってゆっくりのってなんだか久しぶりだなぁ。
魔王の座に就いてからというもの、ずっといろんな仕事しなきゃいけなかったし、かなり精神的な負担も大きかった。それに僕の趣味であった園芸も魔王になってからそれほど時間が取れなかったせいであんまりゆっくりとしてられなかった。
城を出た後もばれないように隠れながらもここに早く向かわないといけなかった。。一番大きい山脈も越えたし。
さらにここに着いた後も家を作ったり家具を買いに人の街に言ったりと色々としなきゃいけないことがあったしな。
まぁ、それらをやったおかげでいまこうしてゆっくりできていると思うだろうけど。
そんなことを思いながらラナと一緒に森の中を進んでいく。
歩いている近くに果物が成っていたので朝食に出すために少し採ったら、一回家に帰ることにした。
さっき進んできた道をゆっくりとある気ながら戻っていく。
その途中――
「…………!?」
不意に何か大きな魔力的な気配が近くにあることを感じ、びくりと反応する。
隣でラナも感じ取ったらしく同じような挙動をした。
そして次の瞬間、「ガァァァーーーーーーーーーー」と大きな咆哮が聞こえてきた。
「なんだ……?」
「あっちの方だったね!?ちょっと様子見てこよう?」
そうラナが声の方を指しながら提案する。
確かに、それなりの時間歩いたとはいえ、ここはかなり家に近いから何があったか確認しておくべきだろう。何もしないで家でくつろいでいるとき何かあったら手遅れになりかねないし……
「そうだね。いこう」
一応、空間収納に入れておいた剣を取り出し何があっても大丈夫なようにいつでも抜ける状態にしながら、声のする方へと走り抜けていく。
声のする方に走っている最中、幾度か木が倒されるような音や声の主の方向が聞こえた。
どうやら声の主はかなり大きい。またはかなり凶暴なようだ。
それに加え声の主は移動しているようだ。
向かっている先はどこだかわからないが、森に出られちゃ大変なので僕たちはさらに急いで声の主のもとに向かって行く。
そしてついに木と木の間から声の主が見えた。
「あれはなんだ……!?」
見えたのはとても大きな熊の魔物。確かあれはフォレストグリズリーのはず。
フォレストグリズリーは熊系の魔物の中では比較的大きく二メートルから三メートルぐらいだ。しかし、今目の前にいるフォレストグリズリーと思われる魔物は普通のフォレストグリズリーよりも大きい。目測でおおよそ五メートルから六メートルくらいある。
明らかに規格外の大きさだ。
「でっか………!」
ラナも目の前のフォレストグリズリーに驚きの声を上げる。
僕も若干驚いて一瞬足が止まる。
流石にこいつが外に出たら大変なことになりそうだ。いや、なるに決まっているだろう。
そうならこいつを討伐しなきゃ……
「ラナ、あれ倒そう……!」
「そうだね。明らかに危険そうだし、なんだか普通の魔物と違うっぽいし……」
「じゃあ、いくよ」
一応あのフォレストグリズリーを警戒して隠れていた少し離れたところの草むらから僕たちは攻撃態勢になりながら目標のもとへかけていく。
僕たちが相手の索敵範囲内に入ったのか草むらから飛びだして直ぐにフォレストグリズリーが威嚇の声を上げこちらに目を向ける。
そして僕たちめがけてものすごいスピードで木を薙ぎ倒しながら突進をしてくる。
「あぶなっ………!」
それを僕は横に転がって、ラナは飛んだまま横に方向転換してフォレストグリズリーを避ける。
「まずはこれでも食らいなさい!!」
ラナは避けるとすぐさま魔法の準備をしていたらしく、今無防備な状態のフォレストグリズリーに攻撃をしている。
放っている魔法こそそこまで大規模でないもののかなり魔力を込めて放ってようで今も放たれた風属性のエアカッターがフォレストグリズリーの体中に小さくない傷をつけている。
傷はつけられているものの、あいつの勢いは衰えず、それどころか向かってくる魔法をもろともしない様子で暴れまわっている。
ラナも暴れているあいつの攻撃が当たらないように逃げるのであまり十分に攻撃できていないみたいだし、流石にこのまま魔法じゃ倒せそうにないな。生命力も高いせいかなんだか傷も少しずつだけど小さくなり始めているように見えるし。
僕も途中からラナと同じように放っていた魔法をそのまま放ち続けながら今度は剣を横に構え通り抜けざまに横に一閃する。
「これでどうだ?」
切り抜けた後振り返って確認すると魔法で与えていたものよりもkなり大きい傷を体の横に着けることが出来た。
これでこの一撃で倒せなくても大幅に勝利に近づいた。
「があぁぁぁぁーおおぉぉぉぉーーーーーーー」
流石にこの傷は堪えたのか、大きな咆哮を再び挙げて怒りに満ちた目を傷つけた本院である僕に向ける。
そして再びものすごい勢いをつけながらだんだんとこちらに向かって走り出してきた。
今回は稀にフォレストグリズリーが使う風魔法での加速を使っているのか、さっきまでのよりも断然速い。
流石に僕ぐらいの大きさだと、体が砕けなくとも当たった瞬間はるか彼方に飛ばされるのが目に見えるレベルだ。
それに対して僕は逃げるでも隠れるでもなく立ち向かう。
お互いにどんどんと距離を詰めていき、すれ違った瞬間にフォレストグリズリーから向けられている前足の攻撃をするりとよけ、同時に剣を横を通り過ぎていく体めがけて振りぬく。
「そっれいっ……!」
剣の刃はそのままフォレストグリズリーの首の部分に向かって行き、そのまま頭を切り飛ばした。
そして頭と泣き別れになった胴体は向かってきた勢いに任せて機微を飛ばされた後も少しだけ前に向かって進んでいき、とても重量の感じる音を立てながら地面に倒れる。
「ふぅ、何とか倒せた……」
流石に大きさも強さも普通の魔物とは規格外だから倒すのにとても苦労した。
それはともかく何とか倒せてよかった。
僕は地面に付しているフォレストグリズリーの死体を見る。
「大きかったけど、倒せたね。って、それはともかくあれどうする?持って狩る?」
少し半れたところから魔法を撃っていたラナが僕の近くに近づいてきて、見ていたフォレストグリズリーを指してそういう。
「あー、そうだねー。ここに置いておくのもなんだし、すごい大きいだけだろうから一応食べられるだ
ろうから持って帰るか……」
「じゃあ、回収して家に持って帰ろうか」
回収するために一先ずフォレストグリズリーに近づく。
(……ん?なんだかこのフォレストグリズリー、体内の魔力の感じが普通とちょっと違うというかおかしい気がするけど………気のせいかな?)
少しだけ違和感を感じたものの、特に気にすることなく僕はいつものように空間収納の中に詰め込んで
帰ることにした。
割と見てもらえて意外とうれしいです。




