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お花畑の家出魔王  作者: 果勿充希
進出!人の街!
10/21

1-10 念願の家具

今更ですが、ルグウは人間世界の通貨です。

冒険者ギルドを出た後、僕たちはこの街のお店が多く並ぶ通りに来ていた。


「次は目的の家具屋だね?ルルウ」


「うん、そうだね。あ、あれ家具屋じゃないか?」


ちょっと歩いていたら目当ての家具屋らしき店を見つけた。

兎に角は行ってみることにしよう。




なんとなく趣を感じる木の扉を開けて店内に入る。


「いらっしゃいませ!」


扉を開けるとともに店の中から大きな声が聞こえてきた。

店の中はいろいろな家具があってどれも素人の僕が作ったものより一回りも二回りも立派なものだ。それにその家具からする木のにおいが個人的にもかなり心地よい。

まずは周りの様子を見ようと、しばらく入り口の近くで店の中を見渡していたら、店の奥から店主らしき人物が近づいてきた。


「何をお探しですかな?」


「えっと、ベッドが欲しいんですけど……」


「ベッドですか………ベッドはあちらなので私についてきてください」


僕たちはこの人に連れられて店の奥に案内される。



「こちらがベッドでございます」


案内されたところには数種類のベッドがあった。それぞれ大きさや使われた素材が異なる多種多様なものがある。

うーん、この中から選ぶのか。どれもすごいと思うけどなぁ。

お金はまあまああると思うからそれなりにいいものがいいんだけど、迷うなぁ。


「ねぇ、ラナ、どれがいいと思う?」


流石に僕では決めきれないと思って僕はラナに聞いてみた。

店主から少し触ってもいいと言われていたのでベッドに触っていたラナはそれを一回辞めて少し悩む。


「…………うーんとね、渡してこれがいいかな?結構柔らかいし、ほら大きいから一緒に寝れるよ」


そういってラナが選んだのはダブルサイズのベッド。


「おお、お目が高いですね!それはここにあるベッドの中でもかなり上等なものでしてね。先ほどあなたがおっしゃられたようにとてもマットレスが柔らかいのです。どうです?こちらにしますか?」


確かに、僕も一回さわってみたらかなりふかふかに感じたし、これはいいと思う。

でも、これどのくらいするんだろう………すごい高い気がする…………


「ちなみにどのくらいの値段するんですか?」


「値段ですか………こちら12000ユーグでございます。買われますか?」


うっ、やはり高級品なのかものすごい値段だ。

ギリギリ払えるかな……

ギルドからここに来る前の間にどのくらいお金があるかおおよそだけど数えたところ12000から13000くらいあった。

これなら確かに払えるだろうけど、ほとんどの有り金が無くなっちゃう。できるならほかの日用品とかも買って帰りたかった。

でも、背に腹はかえられない。それにベッドはこれからずっと使うと思うのでできるだけいいのが買いたい。

だから、これを買うことに使用。


「わかりました。買います」


「……!?それは誠にありがとうございます。では、あちらで早速お会計の方をいたしましょう」


 






「ふぅー、結構いいものが買えたなー。お金もぎりぎり足りたし……」


「うん、そうだね。これからはあのベッドで寝るんだよね。すごい楽しみ!」


僕もかなり楽しみだ。これほどお金かけたんだしいいものに違いないからね。

それはそうとこの街には結構面白そうなお店が見る限りいっぱいある。

割と魔族の街にはなかったものとかも多いし。

僕的には、一番気になっているのは魔道具のお店だ。

魔道具って人間の社会ではかなり発展していていろいろと作られているらしいけど、魔族の社会じゃかなり大規模なもの以外はほぼないのですごい気になる。

今はベッド買ってほとんどお金が残っていないので、行くのは今度にしようと思うけど、後で絶対に行きたい。

それはそうとこの後も少し買い物をするつもりなんだけどどこに行こうか。


「ねぇ、ラナどこか行きたいところとかある?」


「ん?わたし?わたしは特にないかなぁ」


ラナに聞いたけどラナは特にはないらしい。周りを見るだけでも楽しのかな?

じゃあ、あまり家に食べ物ないし一先ずは食料の売っていそうなところにでも行こうか。

ということで、僕たちは八百屋や肉屋などが立ち並ぶところに来た。

まずはもう在庫が無くなっていたお肉や家の周りの自然の中じゃ採れない野菜なんかを中心に買っていく。

買ったものは片っ端から空間収納の中に入れて次々に買い物をしていく。


「こんなもので食べ物は大丈夫かな………?」


食べ物は十分なくらい買うことが出来てよかった。


「ラナ!次行くよ?」


僕が会計を済ませているときに先に出ていったラナを呼びながら店を出る。

ラナは店の前で宙に浮いて一か所を見て待っていた。


「ん、どうしたのラナ?」


いくら声をかけてもずっと同じ方向を凝視しているので僕もその視線の先に目を向かわせると、そこに

あったのは………

おいしそうな串焼きの屋台だった。

もしかしてラナはあの匂いにつられているのかな?いやもしかしてじゃなくてもつられていそうだ。

そういえば、もうそろそろ昼時だ。

そうだな。少しお金に余裕もあるしあれを買って食べようか。


「ラナ、あれ食べたい?」


「え、うん!食べたい!」


それじゃあ決まりだ。

僕はその屋台の前まで行って串焼きを数本頼んでラナのもとに帰ってくる。


「はい………!」


「やったーありがとー!」


ラナに渡すとすごい満足そうな顔をしながら食べ始めた。

ラナは食べるのが好きなのかな?


「あ、そういえばだけど精霊って普通にご飯って食べるんだね。今朝も果物とか食べてたし……」


精霊とかならそこら辺に漂っている魔力のもと魔素を摂取して生きていけそうだけど………やっぱり精霊も生物だから食べないといけないのかな?


「うーんとね、わたしは食べのも食べてるけど精霊のみんなはほとんどこういう人間とか魔族の食べ物


はふつう食べないかな?精霊って普通の生物と違って半精神体?というのらしくて魔素を摂取して生きられるんだよ。だから、こうやって食べることはほぼないかな?みんなが住んでいるところって魔素がすごく濃いし……」


へぇー、そうなんだ。やっぱり精霊って僕たち他の生物とは違うんだなぁ……


「ということは、あの花畑ってあんまり魔素がないのか………」


あんなすごそうな花畑なのに不思議だなぁ……


「ううん、あそこは私がご飯を食べなくても暮らせるくらいには魔素が溢れてるよ?ご飯はわたしが食べたいだけだからね」


あ、そうなんだ………

それはそうと食べ終ると、早速再び街を見て回るために歩き始めようとしたとき。


「おい、そこの兄ちゃん。ちょっといいかい?」

立ち止まっていたところの近くの路地裏から声がかかった。

僕がそちらを向くと僕よりも大きい男がこちらを見ていた。


「何ですか?」


「いやいや、兄ちゃんさ、お金………持ってんでしょ?少し俺に分けてくれないかなぁ………?」


え、何この人?いきなりお金せびってきたんだけど…………

絶対悪い人だよな?

それじゃあ、お金なんかあげれない。当たり前だけど。

それに今あんまりお金持ってないし………


「ムリです……」


「いいじゃん。俺、知ってるんだよ?すごいお金持っていたよねぇ」

もしかしてギルドから出てきたところでも見られていたのかな。余計面倒くさくなった。「でも、もうありません……」


「へぇー、そうかい。じゃあ、仕方がないけどこれ以上は手が出ちゃうよ?」


この男の人は僕が全くないと言っているのにもかかわらずそんなの嘘だというかのごとく右手に作った拳をちらつかせながらさらにまくし立ててくる。

そんなこと言われたってなぁ。ないものはないんだもの。

うーん、どうしたものか。

魔族の中にもこの男に似た輩はいた。

僕がそういう輩と合ったときは、仕方なく片っ端から吹っ飛ばしていたんだけど、僕がそれをできたのはあそこが魔族の社会だからである。

ここは魔族の社会とは異なる人間の社会である。いろいろと勝手が違う。

僕は、まだここには来たばかりだし人の国の法はわからない。

もしかしたら、というかたぶんここでも襲われたらやり返してもいいとは思うんだけど各省が持てないし、吹っ飛ばして大ごとになったら面倒くさそうだ。


………いざとなったら逃げるか。


「で、どうすんだよ。出すのか出さないのか!!」


「出せません………!」


「そうか、ならこれを食らいな……!」


最終確認でも僕が断ると、男はついに思いっきり振り上げたこぶしを僕に向かって叩きつけようとしてきた。

僕は男の横にうまく移動して男の向けたこぶしを避ける。


「………!?くそがっ……!」


僕に自分の攻撃をかわされたことで苛立ちを高めながら再び僕に向かってこようとした。

流石に一回避けられた程度じゃ怒りが収まるばかりか増えるよな。

まぁ、でも下手に僕から手を出すことはできないしこのまま続けて諦めてもらうしかない。

僕は再び向かってきた男の攻撃、さっきのパンチに加えて僕が動こうとしたところにめがけて蹴りをしてきた。

僕はそれを飛んで宙で一回転することでよけ、再び来るであろう攻撃に耐える。

ここは狭い路地裏なので油断はできないからな。

男はそのあとも懲りずに何度も攻撃をしてきたが僕はすべて的確に回避をしていく。


その応酬が何十回か続いたころ。


「そこっ……!」


表通りの方から声がかかった。

僕は攻撃を避けながらも僕はその声のする方、表通りの方に目を向ける。

いまだに懲りずに攻撃をしてきていた男も僕たちから視線をずらして声のした方向を見る。


そこにいたのは騎士の恰好をした僕と同じくらいの大きさの少女。

どうやら裏路地で大きな物音がすると誰かが近くにいたこの子に報告したんだろう。

僕と同じくらいだけど一応服装的には立派な騎士みたいだし。


「げぇ、まずい………!」


「あっ、こらっ……!」


男は少女を見るとそう苦い顔を浮かべながらそういうと、急いで少女のいる反対側、路地裏の奥の方にそそくさと逃げていった。


「ああ、逃げられちゃった」


全く、ああいう奴に限って逃げ足だけは早いんだよなぁ……あんな風に………

それはそうとその状況から抜け出せてよかった。あのままあの男が諦めてくれなったらずっとあのままだったし。

そうだ、僕が抜け出せたのはこの少女のおかげだからお礼を言わないと。


「あの、ありがとうございます」


「ありがとうございます」


僕とラナは少女に向かって礼を言う。


「ああ、いいのいいの。私はこれが仕事だからね。ん?あなた精霊を連れているんだね」


「あ、うん」


少女はそんなことよりとさっきまで僕の邪魔にならない様にと隠れていたラナをみてそういう。

やっぱり精霊って人間にとっても珍しいのかな。


「そうなんだ。珍しいねー。あ、そうだ、せっかくだしこの後ちょっとお話しない?私は今も一応この

服着ているけど、ほんとはフリーだし、どう?」


「お話?」


「そう、近くの飲食店に入ってしたいんだけど………ダメかな?」


「いや、別に僕は構わないよ?ラナはどう?」


「別に私も河まないかな……?」


「それじゃあ、行こう!」


僕たちは裏路地から抜け少女に連れられて近くにあった飲食店へと入った。







「で、まずは自己紹介をしなきゃね。私はミリナ・ストレイア。よろしくね」


「うん、よろしく。僕はルルウ。で、こっちがラナベル」


「精霊のラナベルでーす」


こうして短い自己紹介からミリナとの会話は始まった。


「へぇー、すごいね。僕と同じ年なのに立派な騎士なんだー」


ミリナはやっぱりこの国の騎士らしい。聞いたところによると年齢は僕と同じ十五歳らしい。僕と同じ年なのにすごいなぁ。

ただし、本来はこの街に努めるわけではなく別の街で勤務しているらしい。

今日はたまたまこの街に仕事があって来ていたらしい。

それで、街の中を歩いていたら、たまたま路地裏から僕とさっきの男が何かをしているのを見つけたらしく、路地裏に入って来てくれたそうだ。

既にここでの仕事は終わっていたのにこうやって人を助けているのはすごい。騎士として日常的に徹底してるんだな。


「そう?私はルルウくんが精霊のラナベルちゃんと一緒にいるのもすごいともうけど・だって、精霊っ

てめったに人とはかかわりを持とうとしないじゃない。それこそ心から気に入った人にしか精霊自身からは近づかないみたいだし……」


「そうかな?」


僕の場合はラナしか知らないし、そのラナもいつの間にか僕の目の前に現れたからいまいちわからないが、どうやら精霊はそういうものらしい。


「そうでしょ?ラナベルちゃん」


「うーん、そうかも」


ミリナはラナにそう同意を求めるとラナは少し考えるような様子を見せてからそれに同意した。

まぁ、このことについては精霊であるラナ自身が言ってるから本当のことなんだっロ受けど、なんだか自分の中ではしっくりと来ない。

目の前のラナがかなりミリナ相手に気さくに喋っていてその様子がないせいかもしれないが………


それからも僕とラナはミリナとこれまでどうしていたのかとか、お互いのことを話し合った。もちろん、僕が魔族というのは隠して。

それでもかなりミリナとの会話は楽しかった。

もともと同年代と話すことの少なかった僕にとってミリナという同年代の話し相手はかなり珍しくかなり会話も盛り上がった。

それに人間とこうやって楽しく会話したのなんて初めてでかなり貴重で楽しい体験となった。

ラナもかなり楽しそうにしていたし、今日ミリナに会えてよかったと思う。

そのあと、僕たちは一、二時間話した後もう時間だからとお店の会計を済ませてこのお話会をお開きにした。


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