【LEVEL:1】狂った人間
「なっっ!!ふざけるな!!俺を誰だと思ってる!!!」
画面に写る鈴木の旦那は酷く汗をかきはじめた。
「ねぇ!!私、選択時間短かったでしょ??でも、殺すのはじっくりいってくれないかしら??この人には苦しまされてばかりだったんだもの。最後くらいは逆に苦しんでもらわなきゃ…」
そうスピーカーに向かって叫ぶ鈴木の顔は先に天井へと消えていった高橋や田村とは違って、とても清々しく笑ってこの状況を楽しんでいるようだった。
「何言ってるんだ栄子!!ふ…ふざけるな!!」
鈴木の旦那の顔は蒼白となり怒鳴る声にもどこか覇気がなくなっている。
もうすぐ自分は確実に殺されるのだと認識したからだろう…。
【かしこまりました。鈴木栄子さんの見事な選択力に我々も感激致しましたので、茂雄さんには10分間じっくりと苦しみを味わって死んで頂きましょう!!】
今まで以上に明るい話し方をする声。
そして高橋の弟が死んでいった時のように
鈴木の旦那もゆっくりと苦しみもがきだし、
さっきまでの威勢の良さは徐々になくなり、
さっきまでの傲慢な言葉は一切吐かなくなり、
どんどん醜い姿となり動かなくなってしまった。
その姿を見て異様なほどの笑顔でずっと笑っている鈴木と宏と呼ばれる男性。
(狂ってる。狂ってるよこいつらも、そしてこの【選択】をさせている奴も)
私は2人の笑い声を聞きながら気が遠くなりそうだった…