【LEVEL:1】2人目
「な…何よ今のは…」
沈黙を破ったのは鈴木栄子だった。
鈴木に目をやると…
ビッショリと汗をかきながら顔面蒼白状態で震えていた。
もう1人の田村和志も同じ状態だ。
自分たちが今、どんな状況に立たされているのか認識して初めて感じる
【死と恐怖】
(次は誰だ…俺は誰と誰で選択をさせられるんだ。)
そんな不安と恐怖を抱いていると2つの大きな画面が変わった。真美と呼ばれていた高橋の婚約者の姿は気付けば画面から消えていた。
そして、新しく画面には子供が2人写しだされていた。
【お待たせしました。田村和志さん。次は貴方の番です。ルールは一緒ですので説明はいりませんね??では選択してください。】
その声と共に田村が叫んだ。
「実!!!幸司!!!」
「パパ!!!」
画面に写し出された2人の子供は田村に向かってそう叫んだ。
「なんで…なんでなんだ!!!」
田村は画面に映る2人の姿を見て床を思いっきり殴りながら叫んだ。
「パパ…怖いよー」
「パパここはどこなの??」
2人のか弱い声が部屋中に広がる。
「大丈夫だよ。パパがすぐに助けてあげるからな。」
田村は涙を流さずに子供たちの前で懸命に冷静さを保っているようだ。
ルール説明が省かれたのは幸いだった。
もしこのルール説明をこの子供たちが聞いていたら…。
そう思うと私も涙が流れそうになった。