【LEVEL:3】共通点
「ふざけんな!!!!明らかにお前が巻き込んだんだろ!!!!」
怒りに支配された加藤は私の胸ぐらを掴んで叫ぶ。
その時だった…
「な…何よ…コレ…。なんでまたここに??」
女性の声に驚き振り返る加藤と私。
振り返った先には…
さっきまで眠っていた女性が目を覚まし涙を溜めて立ち尽くしている。
そして、その女性を落ち着かせるように後ろから抱きしめる男性。
「みい…大丈夫だよ。」
男性は何度もそう呟きながら女性の肩に顔を埋めている。
「嫌っっっ!!!またあの【選択】が始まるの!?」
女性は泣き叫んで男性にしがみつく。
私も加藤もその言葉に驚き顔を見合わせた。
(また!!??確かにこの女性は今、【また】と言った…)
そう思っていると…
2つの画面が明るく光り出す…
重苦しい
【空間】
に注ぐその光は、あの時と同様…
この4人の疑問の一筋の答えのように思えた。
━おはようございます━
LEVEL:1参加者 市村 誠司さん
LEVEL:2参加 者 望月 美咲さん
そして、お2人に協力をしていた
市村さんの友人 加藤 恭介さん
望月さんの恋人 北村 歩さん
最初の画面にはそう書かれていた。
(LEVEL…??参加者…協力者…)
私がそう疑問を抱いていると…
「貴方達も参加者…だったんですか??」
涙声のまま望月が私に疑問を投げかける。
「貴方もですか??」
私は質問を投げ返した。
「はい。彼氏の歩か父親かで…。」
そう告げると望月は自分を抱きしめている北村の顔を見つめる。
そんな2人を見て私は無情にも命を奪われていった最愛の妻、慶子を思い出していた。
そして、そんな私たちを無視して画面が変わる…
━LEVEL:3━
━開始です━
その文字を見た瞬間…
「なんで俺が!?俺は関係ない!!」
画面に向かって怒りの感情を叫ぶ加藤。
この事態を体験した事のある私・望月・北村はこの言葉に鼓動が早まる。
すると画面は意外にも加藤への答えを照らし出した。
━知りたかった…のでしょう??この【選択】の意味を━
その文字に加藤だけではなく4人全員が息を飲んだ。
文字はこう続ける…
━だから我々を探した参加者2人。そして協力した2人。━
━ご招待はお気に召しませんでしたか??━
そう表示して文字は動きを止めた。