【LEVEL:2】声
「みい…」
父親の墓に手を合わせている私に背後から歩が声をかける。
「ん??」
私は振り向き立ち上がると歩の手を握った。
「これからどうする??」
少し不安気な表情の歩の言葉への私の答え―
「探し出す…」
私は歩の手を強く握ったまま父の墓に体を向けて言い放った。
あの日…
私が天井から伸びてきた手に捕まり腕にチクリと痛みを感じた後、すぐに眠気が襲ってきた…
徐々に遠のいていく意識の中で聞こえた
【声】
それは――
【2回目は…いまいちでしたね??どうしますか??3回目は??】
【でも3回目は……】
という声だった。
聞き慣れたくはない、でも今でもハッキリ覚えている死をカウントダウンする声。
そしてその後に…
【所詮、人間の愛などこんなものだ…】
という聞いたことの無い別の人間の声。
「2回目。そして3回目と言っていた。私たち以外にも被害者がいる。私たちの他にも居るはずよ…仇を取るために動いている人が必ず…私だってお父さんの仇を…」
そう歩に告げて私は父の墓を見つめる…。
「失礼します。ご報告させて頂きます。」
黒スーツの男が書類を持ってたくさんのモニターが付けられて部屋へと入ってきた。
「3回目のメンバーが決まったのかね??」
モニターに映るうちの1人が黒スーツに質問を投げる。
「いえ。実は…少々問題が起きまして…」
少しひかえ気味に話す黒スーツ。
「問題??なんだね??そっちで処理できないのかね??」
モニターに映る先程とは別の1人が問い掛ける。
「いえ、処理は出来ますが3回目にあたって検討して頂きたく…」
そう言って黒スーツは持っていた書類をモニターに写る人物全員に見えるように開く…
そこには…
【LEVEL:1】参加者:市村 誠司 知人1名
【LEVEL:2】参加者:望月 美咲 恋人1名
による不適切な行動に伴う【LEVEL:3】への提案。
と書かれた文章が…