【LEVEL:1】目覚め
「パパ〜ぁ!!みてみて!!」
(…舞もうこんなに大きくなったのか…ついこの間まで赤ん坊だったのにな。)
カタカタカタカタカタカタカタカタ
(うるさいな。なんの音だよ。)
カタカタカタカタカタカタカタカタ
(うるさいんだよ!!せっかく舞と遊んでるの…)
そこで目が覚めた。
「夢か…。」
そう呟いて自らの言葉に驚いた。
(夢…?なんで俺は寝てたんだ?確か会社から自宅に帰る途中じゃ…)
そう思って私は周りを見渡す。
カタカタカタカタカタカタカタ
そこは暗く狭い部屋だった。
コンクリート剥き出しの壁に小さないくつかの換気扇。
さっきからカタカタうるさいのはこの音だろう。
扉は見当たらない。
その事に驚きながらも私は別の事で更に驚いた。
自分の他にも誰か居る…
すぐ横に3人。
さっきまでの自分と同じ様に眠る人。
2人は男性でもう1人は女性。
「どこだここ…なんでここで皆して寝てんだ?」
そう私が口にした時だった。
私のすぐ隣で眠る男性が目を覚ます。
男性は私と同じように周りをキョロキョロ見てから、私と目を合わす。
「ここ…どこですか?なんで俺ここに?」
男はそう私に質問するが私も状況は同じだと伝えた。
そうこうしているうちに他の2人も目を覚まし、私たちと全く同じ行動と言動をして4人とも不思議な顔をしたままそこに座っていた。
4人とも初対面の人間で会話はそれ以上する事が出来なかった。
なぜ自分たちがここに居て、
なぜ眠っていたのか…
誰も分からないまま。。