【LEVEL:2】答え
その声に反応して小池は…
「ばぁちゃんがどれだけ苦労したか知ってるのかよ…俺がどれだけ辛かったかアンタに分かるのかよ!」
母親に向かってそう叫ぶ小池。
その小池の言葉に…
「拓ちゃん!!礼子を恨んではダメだっていってるでしょ!?ばあちゃんはいいの…拓ちゃんとたくさんの幸せな日々を送ってきたから。最後に…礼子の声も聞けたし、もう思い残す事はないよ。」
小池を一喝してから説得するように話す小池の祖母。
「でも…。」
なかなか答えを出せない小池。
【残り1分です。】
時が迫る。
「ばあちゃん…知ってるんだよ。拓ちゃんがこの10年間。休みの日に礼子の事を探していたのを…。ばあちゃんの最後の頼みだ…礼子と…お母さんと仲良く暮らしておくれ。」
その言葉に小池は…
「母さんを選びます。」
と告げてその場に崩れた。
【礼子さんで受け付けました!!おめでとうございます。礼子さんには拓真さんと無事に帰宅して頂きます。残念ながら選ばれなかった菊さんにはこの場で死んで頂きます。なお、死に方は先ほど拓真さんがお選びになったBの火あぶりで死んで頂きます。今回、選択に9分かかっていますので9分かけて死んで頂きます。】
その声に反応して下を向いて崩れていた小池が祖母の映し出されている画面を見た時だった…
画面に写っていた老婆は足のほうからゆっくりと燃えていく…
「あ…あつい…あつい…」
小池の大好きだった祖母の悲痛な叫び声が響く。
「ばぁちゃん!!!」
「お母さん!!!!」
小池と小池の母親の呼ぶ声にも反応できないくらい小池の祖母はあっという間に火だるまになり…
画面は真っ赤な姿で
右や左にうごめく
元は人間なのかも分からない小池の祖母を映し出す…
そして最後は…
動かなくなり溶けたような焦げたような物体だけが写っていた。
「ばぁちゃん…ばあちゃん…俺…」
室内にはただ泣きじゃくる小池の声だけが響いていた。
そして天井から伸びてきた手が小池を連れ去り、
残された私たちはただ、その様子を呆然と見つめることしか出来ないままでいた…