【LEVEL:2】A・B・C・D
━おはようございます━
━小池 拓真さん(こいけ たくま)25歳。━
━杉浦 春菜さん(すぎうら はるな)27歳。━
━桜井 葵さん(さくらい あおい)15歳。━
━望月 美咲さん(もちづき みさき)19歳。━
━気分はいかがですか?突然のことで驚かれたでしょう?しかしご安心下さい。何も、皆さんをとって食おうなどという事はございません。━
その画面を見て私はまた他の3人を見る。
(あの男性が小池さん。その横が杉浦さん??で、この子が桜井さん??ってか…中学生だったんだ…。)
私が桜井という泣いている中学生の少女に寄り添いながらそう思っていると…
「な…なんですか…コレ…わた…私、早く帰らないと、い…いけないんですけど…」
動揺してどもりながら話す杉浦。
「何でここに俺たちを呼んだんだよ!!」
唯一の男性である小池が叫ぶ。
その小池の声に反応するように画面の文字が変わった。
━おめでとうございます!!皆さんは厳然な抽選から選ばれた方々です。皆さんには今からある選択をして頂きます。その選択が終了次第ここから解放させて頂きます。ただ、時間内に選択するだけでいいのです━
「は??」
小池は更に意味の分からない文面に苛立った様子だった。
(抽選…??にしては、この空間やこの画面の違和感。それに…私は何かに応募をした記憶も無い。なんの話なんだろう??)
私がそんな事を思っていると
「ちょ…マジ意味分かんねーし!選ばれたとかいいから帰らせろよ!!」
小池は更に怒った口調で叫ぶ。
━では、小池拓真さんから始めて頂きましょう。選択を済まして頂ければ無事に帰宅できますので。まずはA・B・C・Dの中から選択してください。━
画面はそこで止まった。
「何だよそれ??こっちの意見は無視かよ??」
小池が何を言っても画面は動こうとはしない。
「と…とりあ…あえず、選んでんみたらどうですか??それで帰れるんですし…」
そう言ったのは今だに動揺を続ける杉浦だった。
「チッ…じゃぁーBで!!」
小池は杉浦の助言を聞き入れながらも苛立った声でそう言い放った。
私はそんな小池を見つめながら画面に映し出されている文字の
【まずは】
の言葉が気になって仕方が無かった…