【LEVEL:2】始まり
シャボン玉
消えた―
飛ばずに消えた―
生まれてすぐに
壊れて消えた―
幼き頃の自分の歌声が聞こえてくる。
横に立っているのは優しく微笑む父…
懐かしい光景と懐かしい歌の夢に見ながら私は目を覚ました。
目を覚まして気付く―
私はいつの間にか知らない部屋に寝かせられていたようだ。
【部屋】
というのは似つかわしくないかも知れない。
コンクリート剥き出しでドアも窓もない
【空間】
唯一の空調は古びたいくつかの換気扇。
カタカタカタカタカタカタ
と音を鳴らしながらも今にも壊れて止まってしまいそうな感じだ。
(私は何故ここに居るのだろう??)
(そして横に同じように立ち尽くすこの人達は誰なのだろう??)
その【空間】には自分の他に3人の人間が居た。
私が目を覚ました時にはこの3人はすでに目を覚ましている状況だった。
若い男性が1人。
服装からして遊びに行ってきたままの感じだ。
他には…
綿日和年上であろう女性が1人。
なんだか動きやすい部屋着みたいな服装。
そして…
私の隣でさっきからガタガタと震えながら泣いている…女の子が1人。
「だ…大丈夫??」
ずっと座り込んで泣いているその少女に私が声をかけた時だった。
目の前の壁に備え付けられていた2つの画面が突然明るく光りだした。
そして、その画面にはこう書かれていた…