ダンジョン攻略準備
さて、ようやくスケルトンの編成ができた。
スケルトンの編成は、
ジェネラルスケルトン…1体
グランドスケルトン…4体
スケルトンサージェント…50体
スケルトンソルジャー…3600体
これらを1つの部隊として、合計5つの部隊を作った。
5つの部隊は、それぞれ
親衛隊
ダンジョン攻略隊
地域強襲制圧隊
防衛隊
遊撃隊
に別れている。
ダンジョン攻略隊は、その名の通り、ダンジョン攻略をメインとする部隊である。そのため、この部隊に所属しているスケルトンは、ダンジョンに詳しいもしくはダンジョン攻略の経験が多いスケルトンが採用されている。
ちなみに、ダンジョン攻略隊のジェネラルスケルトン(司令官)は、「ブランス」である。
ブランスは、俺が召喚したスケルトンではなく、別の召喚士によって召喚されたスケルトンである。最初の主人を亡くし、ダンジョンでさまよっていたところを俺のスケルトンが発見し、俺の部下になった経緯を持つが、実はブランスは、ダンジョン攻略をメインに活動していたスケルトンソルジャーだったらしく、これまで多くのダンジョンを攻略してきた謂わば歴戦の兵士である。そのため、他のスケルトンに比べてダンジョン攻略の経験が長いこと、これまで多くのダンジョンを攻略したことから生まれた知識量を踏まえて、今回ダンジョン攻略隊の司令官として抜擢した。
本人は今回の抜擢にとても驚いていたが、内心喜んでいた。
親衛隊は、主に俺の直轄の部隊である。主な活動は、ダンジョン攻略や地域強襲制圧、防衛など様々な場面で運用できる部隊である。
尚、親衛隊のジェネラルスケルトン(司令官)は、俺が最初に召喚したスケルトンの1体である「オリバンス」である。
地域強襲制圧隊は、簡単に言えばダンジョン以外の魔物を狩ることがメインの部隊である。
この部隊のジェネラルスケルトン(司令官)は、「ベルリン」である。
防衛隊は、名前の通り、俺の土地や建物の周りを防衛する部隊である。
この部隊のジェネラルスケルトン(司令官)は、「セバス」である。ちなみに、俺の副官でもある。
遊撃隊は、主に予備の部隊であり、基本は、ギルドからの依頼を行う部隊である。
この部隊のジェネラルスケルトン(司令官)は、「ブロック」である。
で、今回のダンジョン攻略には、防衛隊を除く全ての部隊を出陣させる。
さらに、これらの部隊に加えてダンジョン・地域偵察隊、調査隊も出陣させる。
ダンジョン・地域偵察隊は、主にダンジョンの構造、階層や周辺地域などを調査する部隊である。現在、攻略予定のダンジョンの情報は、階層が130層以上だけである。
そのため更なる情報を掴むため、この部隊が作られた。
スケルトンの編成は、
グランドスケルトン…1体
オレンジスケルトン…50体
イエロースケルトン…20体
ブラックスケルトン…500体
である。
ブラックスケルトンを入れている理由は、この部隊の戦闘員であるのと、ダンジョン攻略中に狩った魔物を解体してもらうためである。
調査隊は、ダンジョン攻略に全く関係ない部隊であるが、今後俺が店を持つために必要な情報を収集してもらうために作った部隊である。
スケルトンの編成は、
イエロースケルトン…100体
ホワイトスケルトン…200体
である。
よし、準備は整った。それではまず、クルネスまで移動して、ダンジョンギルドと商会ギルドに登録しよう。
辺境都市クルネス郊外
よし、着いた。っていっても転移魔法を使ったおかげですぐに着いたけどね。
いや~それにしても転移魔法は便利だな。1回自分の足で行きたいところに行かないと行けないけど、1度でも行ってしまえば何度でも行けるようになるからある意味、何回もいく都市には便利な移動手段だ。
さて、スケルトン全員でクルネスの町の中に入ると大変なことになるから、ここからは一人で行こう。
俺は、もう一度転移魔法を使って、冒険者ギルドの前に着いた。
「おや?モナカさんではありませんか~。もうダンジョン攻略されたんですか?」
冒険者ギルドの中に入ると冒険者ギルド長のアモスさんが声を掛けてきてくれた。
「いえいえ、これから行くところですよ。ですがその前にやることができまして…」
「やることですか?」
俺は、アモスさんにこれまでの経緯を話した。すると…
「あぁ、それなら大丈夫ですよ。私からダンジョンギルドと商業ギルドに出して置きますので問題ないですよ」
なんでも、どこかのギルドに所属しておけば、他のギルドに申請する際、ギルドが代わりに申請してくれるようだ。
これはありがたい。他のギルドに向かう手間が省けた。
「ありがとうございます」
「いえいえ、それとモナカさんがほしいとおっしゃっていた商品ですが、今ありますので持ってきましょうか?」
「お願いします」
「わかりました。こちらですね」
そう言ってアモスさんは、魔法袋から10個の魔法袋と40個の転送袋そして貨幣袋を1つ机に出した。
「魔法袋は、1つ白金貨1枚、転送袋は、1つ大金貨10枚、貨幣袋は、大金貨1枚なので、合計白金貨10枚と大金貨41枚です。ちなみに貨幣袋や転送袋は登録しておきましょうか?」
「お願いします」
そう言って、俺は、魔法袋から白金貨10枚と大金貨41枚を出し、アモスさんに渡した。
「わかりました」
アモスさんはそう言うと貨幣袋と転送袋のいくつかをもってギルドの受付後ろにあるドアに入っていった。
転送袋とは、送りたい場所を指定して荷物を袋に入れることで送り先に荷物を届ける袋である。
貨幣袋は、前の世界で言う通帳的な物でギルドに登録しておくことで、いつでも使えるようになる。
この2つの道具によって、例えば狩った魔物を買い取って貰いたいとき、ギルドに直接行かなくても取引が成立するのである。
ちなみに転送袋は、通常、送りたい場所を指定するだけで荷物を送ることができるのたが、冒険者ギルドと行う際は、貨幣袋にある4桁の数字を転送袋と冒険者ギルドに登録しておく必要がある。
こうすることで誰から送られてきたのかわからなくなったり、貨幣を間違えて別の人に送るなどのミスを防ぐことができるとのこと。
ちなみに俺は、10個の転送袋に貨幣袋の数字を登録した。これによりこの10個の転送袋は、冒険者ギルドに荷物を送ることができるようになった。
また、もう10個もダンジョンギルドに登録した。
実は、ダンジョンギルドは、ダンジョンの売買だけでなく、ダンジョンで獲得した物も買取りしているのだと言う。もちろん冒険者ギルドもダンジョンで獲得した物も買い取っているが、メインが魔物であるため、買取りの種類を減らすための処置らしい。
尚、買い取って貰った場合、冒険者ギルドと同じように貨幣袋を登録しているため、そこに貨幣が入るようになっている。
よし!これで準備はでき…
「あっ…モナカさん、実は頼み事がありまして…」
アモスさん…今度は何があったんですか…