表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王国繁栄の立役者  作者: 霧
3/13

お願い事

次の日俺は、冒険者ギルド長のアモスさんに町を案内されていた。

この町の散策でわかったことなんだが…まず、この『クルネス』と言う都市は周囲を山に囲まれているのにも関わらず、現在進行形で建設ラッシュである。何と10年連続で人口が右上がりだそうだ。

人口増加に至った要因は様々であるが、俺が思うに2つの要因が関係していると思う。

1つ目は、交通の便が良いことだ。

クルネスは道幅の広い(だいたい…片道8車線ほど)街道が東西に3つ、南北に2つあり、東西南北それぞれの街道と行き来できるように、環状線が3つある。

この世界の庶民の足を担っているのは、馬車である。つまりここは、様々な方向から来た馬車が集合するため、人や物が集まりやすい

しかも道幅も広いため、多少人口が増えても、交通量が増加しても対処できる

2つ目は、世界に類も見ない、世界で唯一の上下水道がしっかり整備されている都市である。

どうやら、ここの上水道は、近くにあるダンジョンから流しているそうだ。

なんでも、この世界のダンジョン(特に水を生成するダンジョン)は、いわゆる天然のろ過装置のようなものらしく、そのまま飲料水として使えるほどの透明度と安全性があり、何より川の水を魔法でろ過するよりもコストがかからないだとか…

下水道は、川の近くにある下水処理施設で飲み水になるまで、ろ過されてから川に流すとのこと。ちなみに、このろ過装置なんだが、『伝説』と呼ばれた魔法使いが作った建物らしい。

さて、この2つにより人口が増えても綺麗な水が常に届き、たくさんの荷物が一度に集まるため、商会を中心に都市が形成されたそうだ。現在もその名残として、この都市を拠点として活動している商会も多いそうだ。


さて…一見、問題が無さそうに見える都市だが、アモスさん曰く、大きな問題があるそうだ。

1つ目は、クルネスが商会を中心に形成された都市であるため、特産品が存在しないこと。つまり、クルネスよりも価値のある都市が見つかった場合、その都市に産業が流入しやすいことを意味する。

2つ目は、人口増加により今あるダンジョンでは、都市全体に水を供給することが困難になることだ。 現在クルネスに水を供給してくれるダンジョンは10個あるが、これら全てフル稼働して、なんとか水を賄えているそうだ。

逆に言えば、これ以上人口が増えると水を供給することが困難になることを意味する。

もちろん…ギルドの方も打開策を考えていた。クルネスにある冒険者ギルド、商業ギルド、ダンジョンギルドが総力を結集して打開策を考えた。

その結果、冒険者ギルドからとある情報が入った。現在、上水道に使用されているダンジョンの近くに新たなダンジョンが2つ見つかったと言う。そこで、ダンジョンギルドと冒険者ギルドによる現地調査が行われたのだが、ここでとある問題が発生した。この2つのダンジョンは少なく見積もっても130層あることがわかったのだが、ダンジョンの特性として、階層が多ければ多いほど、ダンジョンに住む魔物は強くなることが判明されており、少なくても130層ある2つのダンジョンを攻略するには、SSランク以上の冒険者でなければならない。

さて…もう気づいた人もいるだろう…

現在、この地区でSSランク以上の冒険者は俺だけである。そのため、ギルド長であるアモスさんから、 この2つのダンジョンを攻略してもらいと言うお願いをされた。

俺は、一先ずダンジョンのことについて教えてもらうことにした。



1時間ほどの説明だったが、要約すれば、

・ダンジョンには、数字が書かれたものと国や人物名が書かれたものの2種類ある。

名前などの文字が書かれたダンジョンは、その名前の所有地であり、勝手に入ったり、物品を盗むと犯罪になる。

反対に、数字が書かれたダンジョンは、誰の物でもないため攻略すれば、所有することができる。


・基本…攻略中の冒険者がいれば、他の冒険者は入ることができない。また、攻略中の冒険者が亡くなれば倒した魔物はリセットされ、復活する。


・ダンジョンを攻略すれば、ランダムで何かしらの景品が出現する。


・ダンジョンは、ダンジョンギルドにて買取りや売買が行われる。


・ダンジョン買取りは…深さ・階層・立地場所で判断される。


・ダンジョン所有者は、ダンジョンギルドに税を納めなければならない。



・ダンジョン税は、ダンジョンの大きさや所有している量によって変化する。


・冒険者はダンジョンを攻略してから次の日から10年間税金を納める必要はない。



これらのことを覚えていたら特に問題はないらしい…

また、わからないことがあればダンジョンギルドに行けばわかるそうだ。


さて…今回の依頼の方だが、受けることにした。何より俺にとってメリットが大きいからだ。


1つ目はダンジョンのみしか存在しない魔物などを狩ることができ、依頼したダンジョン内で狩った魔物は、通常の買取価格の2倍で買い取ってくれること


2つ目は、この2つのダンジョンの買取り価格が通常の10倍の値で買い取ってくれること


3つ目、攻略依頼の成功報酬として1階層毎に白金貨10枚





いや~こりゃあ誰だって断れないでしょ…


まぁ…「これぐらい払っても、今後の都市の将来を考えると安い方だ。それに次の買取りの時は、今回の買取り金額の1000倍きても良いようにしておこう。」っとアモスさんが言っていたので大丈夫なのだろう。




では、そろそろ拠点に戻ろう。一応買い物もしたし、結局ここに1日滞在してしまったしな。その間にどれぐらい狩れたのか気になるし、拠点もどうなったのか気になる。それにダンジョン攻略の為の編成も考えておかないと…



ちなみに帰宅方法であるが、行きのように空を飛んで帰るのではなく、転移で帰ることにした。何でも1度来た場所であればこの転移魔法は使えるようだ。


それでは早速使ってみるとしよう!確か…行きたいところを頭に浮かべばよかったはずだ。


すると…町の景色が変わり、森の景色になったのだが…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ