ショート・ショート その2 女神の箱
(仮)
実験的試み
今僕の前には箱が二つある。
一つは僕が丸々入れそうな箱で、もう一つは拳大くらいの大きさがない。
だけど僕の目の前に現れた女神がこう言ったのだ。
「あなたのこころに偽りのないほうを選びなさい。そうしなかった場合、あなたは酷い思いをするでしょう」
そもそも何故女神が僕の前に現れたかというと、海外旅行中に湖の畔で小鳥を助けた。
とても大切な鳥らしく、助けてくれたお礼なのだそうだ。
善意で助けてのであって僕は受け取るきにはなれなかった。
「それはなりません」
僕は何故かと尋ねる。
「私共の気が収まらないからです。是非あなた様に受け取って欲しいのです」
仕方なく僕は小さな箱を選ぶ。大きな箱よりかは安いものが入っているだろう。
「あなたがこれからも幸福でありますように」
女神はそう言い残して消えた。
結局僕は箱を開ける気にはなれなかった。やっぱりいくらお礼だからと言って神様からのお礼。なんて恐れ多い。
なので海外旅行中に世話になった湖の管理人に手紙を添えて輸送した。
これで箱はあの湖に返ることになるだろう。やっと肩の荷が下りた。
数週間後、僕はネットであの湖の記事を見つけた。
見出しは『一晩で干上がった湖』。
僕は首を捻りながらもあの美しい湖の光景を思い出して残念に思った。
誤字・脱字が多々あるかもしれませんがご容赦お願いします。
発見しだい修正します。