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信じてはならない

作者: 月白 深夜

己を信じてはならない




それは傲りであり


流れ続ける世界の中で


歩みを止めることに他ならない




疑うのだ



築き上げてきた過去を


この瞬間にある自分を


明日を行くその足を




欲するものを得るために


その身はあまりに脆いことを知らなければならない




未だ届かぬ無力に震え


血を流す誇りに爪を立て


崖の縁に掛けるただ一本の指のみを糧に


進む


いつかその手で守りたいものを守るのなら


這い上がり


己の弱さを呪い



そうして初めて己は


確かな自分自身へ一歩近づくのだ




諦めてはならぬ


満足してはならぬ


疑え

疑え

疑え

疑え


ただひたすらに前を向き




信じるにはまだ


早過ぎる

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