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「ミリンダルはラファンタと」
2人が頷いた。
「ペプシアとセブンナはエネーポンと」
3人が頷く。
「スコールオは私と」
スコールオが頷いた。
「皆、気をつけてね」
ネクターシャの優しい言葉に、6人が再び頷く。
と、ペプシアが銀槍を素早く、巨人に投げつけた。
宙を裂く槍弾は、怪物の顔面に光の穴を穿つ。
「何もしないのは癪だからね」
ペプシアが、ニッと笑った。
聖なる槍が、彼女の手に戻ってくる。
「そうね。少しは、あいつの足を止めておきましょう」
エネーポンの銀鞭が信じられない長さまで伸び、巨人の右肩を打った。
ペプシアに空けられた穴は、ゆっくりと闇に埋め戻されていく。
エネーポンが裂いた穴も同様だ。
セブンナが無言で投げた銀のロングソードは、巨人の左肩を断った。
彼女の手に聖なる剣が戻るまでに、ペプシアとエネーポンは自らのユニコーンに乗っている。
セブンナも銀剣を腰の鞘に納め、愛馬に跨った。
3頭の一角獣が駆け出し、瞬時に光の渦と化して消える。
ミリンダルは片手用ハンマーを、ラファンタは円盾を投げ、巨人の両膝を消し飛ばした。
しかし、怪物は薄ら笑い、依然としてユラユラと立っている。
武器を戻した2人はユニコーンに乗り、光の渦となって消えた。
残ったスコールオとネクターシャは同時に銀斧と銀矢を放ち、巨人の胸に大穴を空けた。
聖なる斧が主の手に戻ると2人は一角獣を駆り、敵の本体が隠された次元へと走りだす。
残された巨大な怪物は、ゆっくりとではあるが確実に回復し、万全となった後で自分がこの世界にもたらす災厄に思いを馳せ興奮したかの如く、口だけの顔で禍々しく笑うのだった。
おわり
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