表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/31

第14話 魔法陣の罠

これまで1話の文字数が多かったので、14話からより読みやすくしていきます。

今後ともよろしくお願いします<(_ _)>

黒い球体はゾーイによって四方八方へと放られた。

そのうちのいくつかは、既に結界に触れ数を増やしている。

だが、まだ数も少なく、球体のスピードもそこまで速いわけではない。


ウィル「さっさと片づけてやる!」


ウィルは一直線に走り出した。

球体の多くはまだゾーイの近くにあり、今の状況であれば一気に距離を稼げると考えたからだ。


どんどん距離を詰めていくウィルに、二方向から黒い球体が迫りくる。


(この程度のスピードなら)


スッ......スッ......


無駄な動きを避け、徐々にゾーイの元へと近づいてゆく。

球体は徐々に増えていくが、ウィルは全く意に介さない。


今のこの状況は、アミールバイソンの群れを相手にしている時と酷似していた。

狙うターゲットはただひとり。

まずはどこから球体が飛んでくるかをしっかりと確認し、避けながら徐々に距離を詰める。

隙をみて間合いに入れば________風の刃が届く。


この状況下で冷静でいられるのは、あの狩りでの経験があったからこそであった。


(だいぶ近づいてきた。このまま行けば......!)


だが、次の瞬間______


ズゥゥゥゥゥン.......


結界内の地面が黒く怪しく光った。

地面には、巨大な魔法陣が描かれている。


(なんだ......身体が......重い)


地面に身体を引っ張られるような感覚に襲われるウィル。

その状況を、ゾーイは楽しそうに眺めていた。


ゾーイ「ああ、すみません......説明するのを忘れていました。結界内には一緒に魔法陣も設置してあります。中に入った者の動きをかなり制限するので、気を付けてくださいね」


ウィルの目の前には既に黒い球体が迫ってきていた。


ゾーイ「まあ......手遅れでしょうが」


ウィル「や、やべぇ!!」


(ダメだ......これは躱せない!)


カーテイス「スピカ!」


スピカ「は、はい!」


カーティスの合図と同時に、スピカは杖をウィルの方へと向けた。


スピカ「ホーリーステップ!」


スピカが呪文を唱えると、ウィルの足元が淡く光り出す。

その光は、瞬く間に両脚を優しく包み込んだ。


(身体が......軽い!)


目の前の球体を躱すと、ウィルはひとまず後方へと下がる。


ゾーイ「ほう......魔法でスピードを上げましたか」


(ホーリーステップ......スピカが最初に覚えた魔法だって言ってたな。正直、身体のキレはまだ8割くらいって感じだけど......あの厄介な球を避けるのには十分だ)


ゾーイ「それにしても......ワタシとウィルのゲームに横やりを入れるのは感心しませんねぇ?」


カーティス「それを言うのであれば、あの魔法陣の説明をし忘れたことこそ問題じゃあないのか?」


ゾーイ「ふむ......まあいいでしょう。好きにサポートなさい______ただし......」


ゾーイが右手を前方へ伸ばす。

すると、球体の速度が更に増した。


ゾーイ「ワタシ......もこれくらいはさせていただきますよ」


目の前で次々と増えてゆく球体。

その数と速度に、ウィルは徐々に後方へと追いやられてゆく。


ウィル「くそ、進むのが難しくなってきやがった!」


こうしている間にも、球体は数を増して襲い掛かる。

避けるので精一杯の状況の中、洞窟内にカーティスの声が響いた。


カーティス「ウィル! 落ち着いて状況を確認するんだ!」

「道は......私とスピカが作る!」


ウィル「道......」


ウィルは一度大きく下がり、視野を広げ全体を確認する。


(あれ.......今、あそこの球......消えた?)


ほんのわずかな変化。

だが、"道"、"消える球体"、"スピカの魔法"、この3つの点が繋がった時、自分が何をすべきかをウィルは一瞬で理解した。


ウィル「なるほどね......そういうことか!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ