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僕の原動力は翠くんだけのため……

αとΩの両親のかえでは、母親ゆずりの容姿からΩだと思われているが実際はαである。

αの両親の2才年上のすいくんに初恋を拗らせていた。


 親友の彼氏との仲直りの為に1人で帰るかえでは、ちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまう。


 子供の頃みたいに何も考えないですい君の前に登場できれば……と思わなくもないけれど、すいくんに見つけて貰い気持ちの方が上回る。


かえで格好良くなった!」


 そんな事をすいくんに言われたら僕は嬉しさのあまりガチで空でも飛べそうな気がする。

 そんな幸せな妄想をしていると、申し訳無さそうな顔をした空くんが話しかけてきた。


かえで、めちゃくちゃ嬉しそうな顔をしてる時に話かけるのも気が引けるんだけど……ゴメン!今日は1人で帰ってもらえるかな?約束してたのに本当にゴメン、誰かに嫌なことされたら明日ガッツリやり返すから教えて。」


 目の前で手を合わせながら頭を下げる空くん……

裏表がない空くんだから言葉通りに僕の心配をしてくれているのが分かった。

 そんな時にふと頭によぎったのは、もし僕がαだと分かっても今まで通り仲良くして貰えるかな……

かと言って僕からαと言う気はなかった。


「彼ピと喧嘩しないようにね。」


 ただ心配で言っただけなのに、何故か顔を真赤にした空くんは、天然たらしの威力にやられそうだ……と言いながら教室を出ていった。

 空でもくんの背中を見送りながら、誰のことを言っているのかと回りを見回したけれど分からなかった。


相模さがみくんって……そ、そうやって人を魅了するの……ですか?」


 ひかりくんに、そう言われても思い当たる事はなかった。


 考えても分からないし、帰ることにした。

ひかりくんに、またねと声をかけ教室を出ると少し死角になっている場所に先生と空くんの姿が見えた。


 空くんが若干キレながらガチ泣きしてる……

へぇ〜あんな顔もするんだ、そう思った時に先生の視線を感じたから、僕は敵じゃありませんアピをしながら、その場を早足で離れることにした。


 見られたくないなら、他の場所で話をすれば良いのにと思ったのは内緒だ。


 ✽✽✽✽


 変える前にすいくんの顔が見たくなり、少しならの気持ちから3年の教室へと向かい途中に、後から腕を捕まれ、壁際へと押さえつけられた。


「いったぁ〜」


 思わず出た言葉に、心配する素振そぶりもが見せずに僕のことを舐め回すような視線を向けた人が口を開いた。


「遠目でも美人だと思ったけど近くでみても美人じゃん、ピアスもバチバチに開けてるって事は痛いのも平気そうだよな……美人Ωちゃん」


はぁ〜油断した、空くんと一緒に居るようになってからは、こんな風に絡んで来る人が居なかったなら安心してたのに……

 手加減なしに捕まれた腕が徐々に痛くなるし最悪だ……


「腕、痛いんで話してもらえます?」


 僕の腕を掴んでいる人は、上履きの色からして3年っぽかった、すいくんと同じ色だから間違いなさそうだ。

 その人は僕を見上げながら見当違いな事を言い出した。


「αに愛されてみたいだろ?」


 はぁ〜?この人は何を言ってるんだろうと失笑してしまった……

 僕の態度に怒った、その人は無理やり僕を空き教室の方へと連れて行こうとしていた、一緒にいた2人にも手伝うように声をかけていた。

 こんな傲慢なαも居るのかと驚きが隠せないで居ると、1人の男子生徒に。


「こんな無理やりにゴメンネ、ともくんが入学式で君に一目惚れしたみたいで話だけ聞いてもらえないかな……」


 そんな事を言われても僕は痛いの嫌なんですけど……

そもそも、これは話を聞いて欲しい態度じゃないんだけど……

そんな事を考えていると、途中で抵抗する事に疲れてしまい、なすがままに引きづられ空き教室へと連行された。


 もう勝手にどうぞ……


 空くんが一緒なら、すいくん観察が出来たのにな……

でも空くんに大事なのは彼氏と仲直りする事だし、僕の我儘に付き合わせられないよな……

 でも……こんな風に無理やり連れてこられるとは想定外だ。


 こんな時、物語の中ならヒーローが助けにきてくれるんだろうな……

僕は今、すいくんが助けに来てくれないかなと淡い期待をしていた。


 他力本願ではダメなのは分かっている、きっと何か合った時にと父さんから教えられたα特有の威圧を放てば開放してくれそうだけど……疲れるんだよな……

その動力は全てすいくんに使いたいんだよな……


「って事でαの俺と付き合えるなんて幸せなことなんだぞ。」


 あっ……この人、ずっと1人で喋ってたんだ……マジウケるんだけどw


 ゆう君と呼ばれていた元凶が何を勘違いしたのか、いわゆる顎クイ的な事をやりだしたけど、好意がない相手ならされると普通に怖いからね……

常識的に考えてキモいからね……

 そんな事を考えてる最中も、顔が近づいて来てテンパった僕は涙目になりながら出た言葉は


「痛いのは嫌だなぁ〜」


 その言葉に何故か火が付いた、ゆう君と呼ばれる人は、優しくするよとか言い出してきて僕の頭は混乱していた。

 僕はファーストキスも他の事も全部、すいくんとと決めてるんだ……その時、教室の扉が開いた。


「何をしているんだ!」 


 声がする方に視線を向けると人影が飛び込んできた……

最後まで読んで頂きありがとうございます。


空くんと先生は、きっと仲直りしてるでしょう。


次回も読んで頂けると嬉しいです。

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