表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/50

翠くんの気持ち【前編】

αとΩの同性の両親をもつΩに見えるαの楓は、幼い頃に助けてくれたヒーローの、αの両親を持つαに見えるβの翠初恋を拗らせていた。


※オメガバース作品ですが作者の個人的解釈が含まれています。


※糖度高め版は、アルファポリスさんにて更新しております(年齢注意)


「……楓、翠せんぱいの……あの体型の凄いな……」


空くんの言葉に、僕だって予想外で驚いたんだから空くんも驚くよなと……漠然と頭をよぎった。


空くんに話しかけようと思った時にはすでに、翠くんの方へと向かって走り出している。


「空は相変わらずだね……」


先生は、細く見えてもしっかりと筋肉が付いていた。

空くんもスポーツが好きだから、普通に筋肉がある。


僕だけが、細長い……


「彼はどんな相模くんでも好きだと見てとれる、個によって体質も違う、そんなに気にやむ必要性はないと僕は思うよ……それより、テントを立てるのを少し手伝って貰えると助かるんだけど。」


先生は片手にテント、もう片方の手には色々と入ったカバンを持っている。


僕はカバンからシートを取り出して広げた上にカバンを置くと先生と一緒にテントの設置をした。


「先生って、やっぱり教師なんですね……」


一瞬ビックリした表情を浮かべた先生は、君たちより早く生まれてますからと柔らかい笑みを浮かべている。

あっ……この表情って遥に似てる……今まで僕を見るときには眉間にシワを寄せていた先生とのギャップに驚くと同時に、こんな柔らかい表情ができる人なんだと感じた。


きっと、あの時から僕の事を警戒していたのかも……。


「相模くん、きみの彼氏が凄い顔をしているよ……早く行ってあげたほうが、いいと思うよ」


そう言い終わるとクスクスと楽しそうに肩を揺らしている。

翠くん達の方へと顔を向けると、不機嫌そうな翠くんの隣で満面の笑顔の空君が両手を大きく振っている。


「僕は、久々の長距離運転だったから少し疲れたみたいだから、休んでると空に伝えてくれる?」


それだけ言うとテントの中へと入っていった。

翠くん達の方へと顔を向けると、空くんは状況がわかったのか、早く来いよと手招きしている。


翠くんと空くんが楽しそうに、はしゃいでいる姿を見ると翠くんも高校生なんだと、あらためて実感した。

――たった2個しか変わらないんだよな……。


学校に居るときや受験の話をしているときには、凄く年上に感じてしまう。


なのに今、空くんと一緒に笑っている姿を見ると僕には引き出すことが出来ない年相応の笑顔で笑う翠くん……それを空くんが引き出した……そんな翠くんの笑顔を見てなぜだが胸がキュッと痛むのは何故……。


空くんに、こんな感情は持ちたくないのに……空くんが翠くんの体型の話をした時から自分らしくない感情を持ってしまう。


「楓!早く来いよ!」


キラキラした笑顔を僕に向けている2人は、僕がこんな最低な事を考えているなんて、まったく思ってはいないだろうな。


僕は小さく息を吐くと、2人の方へと走った。


「楓、なんでラッシュガード着てきたんだ?熱くねぇ?」


不思議そうな顔をした空くんに、翠くんが楓は色白で日焼けに弱いんだよと言いながら僕にフードをかぶせた。


――やっぱり翠くんは言わなくてもわかってくれた……フードの中で頬が熱くなるのがわかったけど、お日様のせいにできりはほどに暑くなってきた……


翠くんは、僕と空くんに浮き輪を渡すと、行こうぜと言いながら海へと入っていく。


僕と空くんは翠くんを追いかけるように海に向かう。


どれくらい浮き輪で波乗りして遊んでいたか分からないけれど、ふと空くんが何かに気が付くとテントへと戻っていった。


プライベートビーチということもあって、海に入っているのは僕たちと、砂浜で子供連れの親子が数組いるくらいだった。

砂にはポツポツとテントが目に入るぐらいで、のんびりしている。


「楓、今日はありがとな」


翠くんの笑顔に僕もつられて顔がゆるむ。


「楓は海水浴は苦手だよな?思い込みかもしれないけど、もしかして俺が海が好きなの知って決めてくれた?」


――やっぱり翠くんには隠せないか、僕が頷くと翠くんの目が大きく見開いた後に、ふにゃふにゃとした笑顔を浮かべた。

今まで見たことがない、無防備な笑顔が僕の目に飛び込んでくる……


その時なにかが、どこかで、はじけた……そして頭で考えるより先に僕の手は翠くんの後頭部を捕えると、唇を深く重ねた。


その時、何度か嗅いだことのある柑橘系の香りが鼻を刺激する。

今まで、感じた時よりも濃い香りに酔ったのか、それとも日差しの強さに当てられたのか唇が離れた時に、感じた事のない感覚におちいる。


翠くんは、ただただ僕を熱をおびた目で見つめていた。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

ブックマ&評価ありがとうございます。

※今回少し長めになりそうでしたので前後編に分けて公開させて頂きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ