表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/50

翠くんと話がしたい……

αとΩの同性の両親を持つΩだと思われているαの楓は、子供の頃からヒーローのαの両親を持つαに見えるβの翠に初恋を拗らせていた。

 僕の中で大事件のあった入学式から気がつけば、教室から見えた満開の桜が今は青々とした若葉に覆われていた。

 もし、あの時の様に欲望のまま翠君に話しかけて、前回同様の態度を取られたらと想像するだけで怖くて、僕は日々の翠くん観察しか出来なかった。


 どうしたら僕だけを見てくれるかな……


 そんな事を考えていると、空くんが僕の髪をいじりにやってきた。


「楓の髪ってさ、アレンジしやすくてマジ羨ましい。」


 そう言いながら、あっという間に凝ったデザインのハーフアップに仕上げてくれた。

 空くんに格好良く仕上げてもらう度に、翠くんに見せたい気持ちで、いっぱいになるけれど……直接会いに行く勇気が今の僕には無かった。


「あっ……か、楓くん……いつもの、お客さんが楓くんに、手を振ってるよ……。」


 光くんの言葉を聞いて、その人物とは目を合わせてはいけない事を伝えると遠くを見ながら頷いていた。

 今、教室のドアの所に居るのは間違いなく僕の天敵だ。


「楓ちゃぁぁん♪」


 僕の視界にチラチラと映り込むメガネに全てのメガネが嫌いになりそうだった。

 ただ、この人が来るようになってからクラスメイトの僕への対応が確実に好意的なものへと変わったのは何故だろう?

 物凄く、かまって欲しそうな、その人を見るとため息が落ちた。


「何やってるんですか?暇なんですか?」


 仕方なく話しかけると一見、冷たそうな顔が一瞬ゆるんだ。


「そろそろ俺と付き合いたくなったんじゃないかと思って。」


 その言葉に間髪入れずに無理と答えると、わざとらしく悲しい表情を浮かべて僕を見てくるから、ため息しか出ない。

何度も断ってるのはな、まったくめげていないのはメンタルが強すぎる……

 やっぱり生徒会はαでなければ、なれないと言うのは本当かもしれない。

 この人が気付いているかは分からないけど、僕のクラスのほとんどの人に【どMなα】と呼ばれている事を自覚して欲しい。


「楓ちゃん、何度も聞くけど何で俺じゃだめなの?」


 なんで、そんな期待を持った顔をしているのかと思うとイライラしてきてしまった。


「顔が煩い……」


 僕の言葉を聞いて、空君が言い過ぎだよと言いながら僕を席へと座らせると、メガネに教室へと帰る様に促していた。


「楓ちゃん今度、俺が来たときには、かなめ先輩って読んで良いからね。」


 そう言いながら戻る姿をみて、顔だけじゃなくて全てが煩いと感じると一気に疲労感に襲われた。



 ✽✽✽✽


 結局、学食の今の時間しか翠くんの観察が出来ていない。

 翠くんの箸の持ち方は綺麗だな……

 本当は、翠くんと一緒にお昼を食べたいけれど、生徒会の人と食べてるから邪魔できない……


「なぁ楓……そんなに翠センパイと仲良くなりたいなら、かなめセンパイに協力してもらえば?」


 何気なく言葉にした空くんの疑問に首を縦に振れないのは、そんな事をしたら後が怖いし借りもつつくりたくない。

 食堂の入り口でこっそりみていた、つもりだったけど視線を感じて、そっちの方へと視線を向けると。


 翠くんと目が合った……


 それと同時にメガネが話しかけてきた。

さすがの僕も翠くんの前で無視する事はできないので空くんと一緒に先輩達の座るテーブルへと向かった。


「楓ちゃん、お昼まだなら一緒に食べようよ」


 僕に声をかけたのはメガネだった……

空くんが、ありがとうございますと答えたので渋々、同じテーブルの席へと腰を下ろした。


「楓、何食べる?俺が持ってくるよ……」


 僕は空くんと同じものを頼むと席に着いた。

一緒に行けば良かったかな……と空くんを目で追いかけるとその先には、れんと先生が居た。

 空くんも先生も、隠しているみたいだけど、見てれば気づくだろうな。

 2人で話しているだけなのに幸せそうで、羨ましい。


「楓……」


 翠くんに名前を呼ばれただけなのに胸が跳ねた。

翠くんへと顔を向けると少し気まずそうに笑っていたけれど、久々に目があって頬が熱くなった。

 

「楓の、そのピアスは痛くないの?」


 話題が浮かばないからか……ピアスの話をふったのかもしれないけど、話ができたのが嬉しかった。


「初めだけで今は慣れたよ。」


 翠君は、そうなんだと答えると昔みたいな笑顔浮かべていた。


 ヤバイ……やっぱり好きだ……


 そんな僕と翠とのやり取り見ていたメガネが、2人って元々、知り合いなの?と翠くんに尋ねると翠くんは、幼馴染で兄弟みたいなんだ、最近は忙しくて会えなかったんだけどね、と話を聞いて胸がチクリと痛んだ。


 まだ僕は幼馴染の域を出ていなかったんだ……


 早く翠くんに意識してもらいたいと思った。

今回も読んで頂きありがとうございます。

ギリギリ今日中にUPする事が出来ました。


明日は更新はお休みになりますが、次回も読んで頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ