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68. 緊急事態発生

 緑マゴー車に乗って、ディオンヌ商会のアーケード街まで行く。


 図書館横の広場の屋台で飲み物を、うまみ屋でお弁当を買って、広場で皆んなで食べる。

 今回の飲食代は褒賞金を貰ったマグダリーナとヴェリタスの奢りである。


「美味しい! ショウネシー邸の食事も美味しかったけど、領民の食事も美味しいんですね」

 ライアンが嬉しそうに行った。


「お野菜って美味しいのね……」

 おっかなびっくりしていたレベッカも、実際食べると抵抗はないようだ。


「俺も初めて食べた時はびっくりしたけど、肉と野菜は一緒に食べた方がより美味しいよな」


 労働の後の美味しい食事を楽しんで、屋台の苺ミルクを味わう。



「知っての通り我が家は、基本的にお金がないので、お小遣いは個人で稼いでたんだけど……お父さま今後はどうするつもりかしら?」


「稼ぐって、今日みたいにですか?」

「ううん、普段は魔獣討伐……あ、ちゃんと大人が付き添ってくれるのよ」

 ライアンは少し考えた。


「ヴェリタスとトニー……んんっ、も、魔獣を?」


 トニーの後に様をつけそうになって、アンソニーにじっと見られ、ライアンは出かかった様を呑み込む。


「そうだよ」

 ヴェリタスが頷いた。


「では、俺もそうします。しばらくは迷惑をかけるでしょうが……」

「そんな事は気にしなくていーよ。じゃあ明日から早速朝練な」

 ヴェリタスが嬉しそうに、ライアンの肩を軽く叩く。


「わ……私も一緒にするわ! 一人だけ仲間外れは嫌です」

「えっと、レベッカはまずシャロン伯母様に相談しようか」


「何故です? リーナお姉様は熊とも戦っていたわよね? それがショウネシー流なら私も出来るようになりたいわ!」


 その時、領民カードがピー、ピーっと音を鳴らしてブルブル震えた。六人全員の。


 周囲の領民達は普通に過ごしているので、何事かと思いつつ、領民カードを見ると、《【緊急事態発生】至急ショウネシー邸サロン集合》と文字が出ている。


 エステラは魔法で周囲のコップ等をさっと片付ける。


「転移するわよ!」




◇◇◇




 ショウネシー邸サロンには、ニレルとエデン、イラナ、ハンフリーが既に集まっていた。


「何が起こったの?」


 マグダリーナがハンフリーに尋ねる。


 マゴーもアッシもバタバタと集まって来た。


「王宮の外にいたケーレブから連絡があった。コッコ車内のアッシから、突然伯爵と侯爵夫人の領民カードの反応が消えたと言われたそうだ。今王宮に貸し出し中のマゴー総出で、侯爵夫人の茶マゴーの反応を探している」


「どういう事だよ、それ!!」

 ヴェリタスが叫ぶ。


 ニレルがそっとヴェリタスの肩に手を置いた。


「座って。ヴェリタスに聞きたいことがある」

「あ……ああ……」


「オーブリー家には、ウシュ時代の魔導具があったりしたかい?」

「実際に目にした事はない。でも確か結界の魔導具はあった筈だ。手のひらサイズで複雑な魔法陣がいくつも仕込んであるって、宮廷魔法師団長の叔父がそんなこと言って、……!!」


「エデン」

「ああ、それなら知ってる。マゴー達、今から送る魔導具情報追加で捜索しろ」


 エデンは杖を取り出すと、マゴー1号に情報を送り込んだ。


 マゴーの頭の魔石がチカチカ輝き、全マゴーと情報共有をはじめる。


「該当の異空間を発見しました。! 茶マゴーより情報を受信。映像、映します」


 ザザっとノイズ混じりの映像が映し出される。


 真っ黒な靄に包まれ、ダーモットが倒れていた。

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