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46. 拝啓 熊師匠

ショウネシー領の勇猛果敢なる冒険者達へ



師匠が御入り用なら、我が領内には剛腕自慢の師匠がいつでも森を闊歩しており、汝らの要求を満たしてくれると自信をもってお伝えする。


いつでも師匠に挑みに来られたし。


よければその際、近くの騎士に修行の様子を見せてやって欲しい。なんだったら、修行に参加させても構わぬ。


汝らの来訪を、大いに歓迎しよう。



◇◇◇



 ヴェリタスと二人、王宮に呼び出されてから一週間と経たぬ内に、このような手紙がショウネシー領に届いた。


 エイブリング辺境伯からだ。



「じゃあ行こっかってことになったんです。金曜の午後から日曜までのお泊まりキャンプにするかなって。お姉さまはどうします?」


 アンソニーが無垢な瞳で見つめている。


 辺境伯領ってあれよね? ヴェリタスが行かされそうになって、シャロン伯母様がキレた危険な所なのよね? そんな簡単にいいの???


「こちら遠足のしおりになります」

 スッとマゴーが冊子を差し出して来た。


金曜 

14:00 ディオンヌ商会コッコ車で出発。

14:10 エイブリング辺境伯に挨拶。

14:30 森に拠点を設置。師匠探し開始。(目標は索敵魔法の修得と師匠との修行)

17:00 拠点に集合。入浴。

18:00 食事。その後自由時間。

21:00 消灯。


土曜

6:00 起床

6:30 朝練

7:30 朝食

8:00 師匠を見つけて修行開始

12:00 昼食

14:00 修行再開(目標は全員一人で師匠倒せるもん)

17:00 拠点に集合。入浴。

18:00 食事。その後自由時間。

21:00 消灯。


日曜

6:00 起床

6:30 朝練

7:30 朝食

8:00 辺境伯領教会観光

8:30 辺境伯領教会解体掃除

9:00 辺境伯領神殿建設

10:00 辺境伯領城下町観光&食べ歩き

14:00 コッコ車で辺境伯領出発

14:10 ショウネシー領着


「日曜の予定にさらっと教会解体とかあるんだけど?」

「先日ディオンヌ商会に正式にセドリック王から依頼があり、辺境伯からも了承を得ています。マグダリーナ様達は、先に観光されてても構いません」


 マゴーがキリッとした表情で説明してくれた。


「大魔法の気配がするから、絶対見学するわ!」

「じゃあ、お姉さまも参加ですね! お姉さまも熊単独討伐できるといいですね!」


 それは……出来ていいものなんだろうか……と思ったが、いきなり学園に熊が出ることもあったのだ。うん、出来てもいいのだろう。



 辺境伯領キャンプの計画を聞き、シャロンは驚いた。


「まさかヴェリタスを辺境伯領に行かせる事になるなんて……あなた達が居るから安心だとは思うけど、よろしく頼みますわね」


 出発時には、シャロン伯母様が見送りに来てくれていた。


 今回のメンバーはハンフリーを抜いた朝練メンバーと、エデンだ。

 エデンは王宮で神殿について王と打ち合わせしをているらしく、帰って来次第、出発だ。


 ディオンヌ商会のコッコ車は完全に好き放題やった感しかなく、空間拡張された車内は人だけじゃなく、コッコが何体も乗せられた。


 今回森の中の散策の為に、参加者の数分コッコ(オス)がいる。


 車を引くのはササミ(オス)だ。


 彼(??)はオスの時でもメスの転移魔法が使える。


 エステラは彼(??)に収納魔法も修得させたので、いざとなれば車体を収納して単独行動も出来た。




 ちょうどその頃、悲痛な悲鳴が王宮の廊下に響きわたっていた。


「はなせ! はなせぇ貴様ぁぁ、平民の分際で王族の俺にこんなことしていいと思ってるのか無礼者めが!!」

「くっははははは、威勢のイイお口だ。だがその虚勢、いつまで持つかなぁ、んふふ」


 いきなり自室から見知らぬ男に引き摺りだされ、魔法で身体の自由を奪われた。


 男は堂々と王宮を歩いているのに、誰も男を止める者はいなかった。


「誰かこの狼藉者を……」


 バーナード第二王子の言葉は最後まで聞こえず、その姿を消したのであった。

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