表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
257/285

257. ダーモットのステータス

「えー、ここまで辿りつくと、戦闘の有無に関係なく、女神様から自己鑑定能力が授かりまーす。あ、これも女神教に属するものだけの特典です。旦那様からご自身のステータスを公開しても良いと許可をいただいておりますので、今、放送画面にも表示出来るようにしますねー」


 マゴーはタブレット魔導具で、タップタップ作業を始めた。

 その間ダーモットは、マイペースに一階層でもいでおいた果実を食べている。


「こちらが旦那様のステータスになりまーす」


【名前】ダーモット・ショウネシー

【種族】人族(34)

【職業】ショウネシー領貴族長

【レベル】65

【体力】743/750

【魔力】343/360

【攻撃力】420(+20)

【防御力】460

【敏捷性】240

【魔法】風魔法 身体強化魔法 防御魔法 索敵魔法 収穫魔法

【習得スキル】剣術SS 騎獣術SS 槍術A 弓術A 拳闘術S 速読S 忍耐EX 直感A

【常時スキル】自動回復(小) 魔法収納A

【◼️◼️スキル】王の力

【ギフト】妖精のいたずら 二番目の休息

【称号】熊殺し 神獣の友達 血塗れクラッシャーショウ(救国の英雄)




◇◇◇




「あああァアアぁぁ??!!」

「きゃあああああ!!!」


 突然背後から奇声が聞こえて、マグダリーナも悲鳴をあげた。


「ちょっと、びっくりさせないでよエデン! エステラに言いつけるわよ」

「ンなことより、ダーモットのこのステータスはなんだ?」


 マグダリーナは、まだバクバク言っている心臓を落ち着ける為に、深呼吸した。


「剣術SSって……ダーモット父さん、強かったんだ……」

「なんだか全体的に数字の桁が違いますの……」

 ライアン達も驚いてるが、エデンはそこじゃナイと首を振った。


「エルフェーラの剣の気配がしたんで、こっちに来てみたらこれだ。なんでダーモットに【権能スキル】がある? しかもこれはエルフェーラのだ」


 ダーモットの読めないスキル名は、どうやら【権能スキル】だったらしい。


「は?」

「え?」

「うそ……」


「お父さま、エルフェーラ様の生まれ変わりなんですか……?」


 マグダリーナ、ライアン、レベッカが呆然とする中で、アンソニーが、ズバリそのものの質問をする。


「そんなことは、俺が聞きたい。ダーモットが帰ってきたら、さっそくセレンに鑑定させるぞ!」

「ええ!?」

 そう言われても、マグダリーナはあの麗しく、優雅なエルフェーラ様と、ダーモットの間に共通点などさっぱり見つけられず、何かの間違いとしか思えなかった。




◇◇◇




 マグダリーナ達が困惑していた所、視聴者達も困惑していた。


『レベル65って、強いのか?』

『剣術SSってあるから、強いんじゃないか?』

『伯爵一度も剣術使ってなくない?』

『手ぶらだったな』

『いやこの取得スキル、熟練の騎士並みなんじゃないか?』

『リーン王国最強の、辺境伯騎士団にいてもおかしくない』

『血塗れクラッシャーショウ』

『なんだあの称号』

『まさか、あののんびりした伯爵の二つ名??』

『まさか……』


 因みに括弧付きの称号と権能スキルに関しては、一般視聴者には見えないようだ。


「さて、ここからが難易度高くなるらしいけど、一旦街に出て、装備屋でも見てくるかな?」

「そうですねー、でも情報冊子の推奨レベルだと、旦那様なら二十階層まで行けますよ?」

「普通に考えると、ダンジョンはパーティ組んで攻略するものなんだよ。私は今単独だからねぇ……あんまり時間もかけたら、子供達も心配するし、とりあえず、昼までに行ける所に行ってやめにしよう」

「はーい」


 そうしてダーモットは、四階層への階段を登った。


 四階層は人型の魔物、ゴブリンが出てきた。だが、剣を抜いたダーモットは、まさしく風のような速さで殲滅してしまう。

 防具も付けず、剣一本で危なげなく魔物を倒していく姿は痛快で、階層が上がるたびに、興奮した視聴者からの投げレピも増えた。


 そして結局、十階層まで行ってしまったのだ。




◇◇◇



 十階層を攻略し終わったダーモットは、町の食堂で昼食を食べて、軽く武器屋や装備屋を回り、お土産用に屋台の食べ物を買い込む。最後に噴水の女神像に祈りを捧げて配信を終わらせた。

 その間、マゴーが巧みに、まだ町ができて三日目だから町民を募集していること、今回のドロップ品は、リオローラ商団かショウネシー冒険者ギルドの魔法通販で販売されることを宣伝する。


 因みにスキルの卵石は、全てダーモットがその場で割って使用した。




◇◇◇




「ダーモットはまだ帰ってないの?!」

 配信終了後、早速ドーラ伯母様がカレンと一緒にやってきた。


 マグダリーナ達は、居間からサロンに移動して、ドーラとカレンを迎えた。


「……多分、あと三十〜四十分ほどかかるかと……」

 マグダリーナは、配信が終わった時間から逆算して答えた。


「マゴーを連れて行ってるのに、なにゆっくりマゴー車で帰ってくるつもりなのかしら。そういうところは、相変わらずだわ」


 ケーレブが紅茶とお菓子を配膳する。紅茶はダンジョンドロップしたもので、花のような香りと共に、渋みが少なくとろりとした甘みを感じる、飲みやすくて上品質とわかるものだ。


「申し訳ございません、マグダリーナ様。配信をお止めすることができませんでした」

「ケーレブのせいじゃないわ」


 マグダリーナの言葉に、ドーラも同意した。


「ダーモットはいつも、事前に相談せずに行動しちゃうのよ。貴方達も、振り回されないように注意しなさいね」

「それは、注意で防げますの?」

 首を傾げるレベッカに、ドーラは首を振って、ため息を吐いた。

「無理ね〜」

もしも面白ければ、ブックマークと評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ