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122. エルロンド王国の占領

 エステラは頷くと、ヒラとゼラを呼んだ。


「二人で出来る?」


「できるよぉ」

『うむー、ワシを誰だと思っとる、嬢ちゃんは茶ーでも飲んで待ってるが良いぞ』


「あ、ゼラ、ちゃーんとリーン王国が、エルロンド王国を占領したって、他国にも分かるようにお願いね」


 ゼラは親指をぐっと上げると、ヒラを乗せて上昇し、そして転移した。



 セドリック王は立ち上がって、再度宣言した。


「この度の決闘はショウネシー伯爵家の勝ちとし、フランク子爵家はショウネシー伯爵家に五億エルの慰謝料を払う義務が生じた。しかしフランク子爵とその令息は、今後牢に入る為、支払いを完遂する事は難しいだろう。この金額は王宮で立て替え、フランク子爵家の罪状に加算することとする」


 その時、映像画面に、元のハイドラゴンの姿に戻ったゼラが映し出された。


『我が名はゼラ、創世のハイドラゴンの内、ただ一人名を与えられし者。ただ一人、名を、与えられし者!』


 本竜にとって大事な事らしく、二度繰り返した。


 大仰に名乗りを上げているが、ぼっちはいやじゃぁとべそべそした結果貰った名である。


 それはともかく、ゼラの声は映像画面ではなく、天から聞こえて来る。


『我が主の住まうリーン王国を占領しようとした、愚かなるエルロンド王国のエルフ達よ。既に主命によりこの国はリーン王国が占領した。其方らの住処もワシが丁寧に更地にしたぞ。これから作る新たなエルロンドの都には、リーン王国に忠誠を近い、女神教に改宗したものだけが住まうこととなろう』


 ゼラの宣言に、ワッと会場が盛り上がった。


 映し出されたエルロンド国の様子は、既に建物はなく、森林地帯に追いやられたエルフ達が、呆然と空を見上げて居た。


 ゼラに隷属の魔法をかけようと奮闘するものもいたが、無駄に魔力を消耗するだけだった。


 ヒラが一緒に連れて行った魔狼達は、せっせと森で取れるキノコや薬草を採ってきては、ヒラの前に並べていく。

 森林の一部は内部の結界内にあり、今までエルロンドになかった花を咲かせるものもあった。

 その間、どんどこどんどこ火魔法で攻撃を受けているが、全て術者に跳ね返っている。


『もう、帰るねぇ』


 そう言って画面越しに、ヒラが笑顔で手を振ってるが、背景は爆発していた。



 程なく決闘場の上空に、ゼラの巨体が現れ、みるみる小さくなって、ヒラと一緒にエステラの元に降りて来た。


「お帰り、二人とも!」


 エステラは二匹にととのえるの魔法をかけると、ぎゅっと抱きしめた。


「では最後にエルフの剣士よ。我ら王族を狙った其方の罪は決して軽く出来ぬ。最後に言うべき事はあるか」

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