第四話 紋章
鑑定屋に着いた。
そこで自分達に着いている紋章を鑑定してもらう。
「さて、誰を鑑定するんじゃ?」
鑑定士のお爺さんが聞いてくる。
「俺達三人の鑑定をお願いします」
「そうか…それで誰から鑑定する?」
「私からするね」
レンが一歩出る。
「お嬢さんからかの」
「宜しくお願いしますね」
「では、紋章の付いてある手を前に出しておくれ」
レンが右手を前に出す。
鑑定士も手を前に出す。
すると鑑定士の手が光りだす。紋章を使っているみたいだ。
「ふむふむ、こりゃ珍しい。お嬢さんの紋章は万能の紋章じゃな」
「万能の紋章…ですか?」
「そうじゃ、あらゆる属性の紋章魔法が使える超レアな紋章じゃ!」
鑑定士のお爺さん、余りの興奮に「超」なんて使っちゃってる。
なんでもそつなくこなすレンならではの紋章か…。
あらゆる属性魔法とかいいなぁー。
「次は僕が受けるよ」
レンと変わってラークが前に出る。
「次はお前さんか」
レンと同じようにラークも左手を前に出す。鑑定士の紋章が光る。
「ん?黒の紋章じゃと?」
「どうしたんですか?」
「いやな、こんな紋章みたこともないんじゃよ」
どうやらラークの開眼した紋章は記録にも載っていない程珍しい紋章みたいだ。
「そう言った場合はどうすればいいんですか?」
「紋章の名前さえ解れば、紋章に意識を集中するとどう使えばいいか分かるようになるんじゃよ」
なるほど、名称さえ解れば感覚的にんかるようになるのか。
「よし!次は俺の番だな!」
ラークと代わり前に出る。
「ふむ、お主で最後じゃな」
レンやラークと同じように両手を前に出す。
「ん?何故両手を前に出すんじゃ?」
「俺は二つ紋章を開花したからね」
「なんじゃと!?二つ同時に開花するなんて聞いたこともない!」
「そうなのか?」
「ふむ、開花自体一人一つが一般じゃな。あとは紋章の玉を持って行き、紋章士に付与して貰うとかじゃのー。じゃが、紋章の玉は希少じゃからなかなか手に入らん」
「そうなのかー」
「まあええわい、それじゃあ二つ共鑑定するからの」
恐らく俺の体には海斗の魂とコウの魂があるから、二つの紋章を開花させたのだろう。
そんな事を考えている間に俺の体が光りだす。
「ふむ、右手が白の紋章で左手が剣の紋章か…。お主のも聞いたことがない紋章じゃのう」
白の紋章と、剣の紋章か…。
白の紋章はラークの黒の紋章と同系統か?
「ありがとうございます!あとは帰って自分達で調べてみます」
三人で鑑定士にお礼を言い、自宅へと向かう。
「それにしても僕とコウはなんの紋章なのか全然わからなかったね」
「そうね。でも鑑定士でもわからないなんてきっと凄くレアな紋章だね!」
「とりあえず帰って各自で紋章を調べてみよう!」
家に着き、部屋へと戻ってきた。
「さて、確か紋章に意識を向き合えば良かったんだよな」
先ずは右手の白の紋章に目を閉じ意識を向ける。
「なんだか厨二病みたいでちょっと恥ずかしいな…」
まぁだから一人でやっている訳なんだけどね。
さて、肝心の紋章はと…。
白の紋章(1/10)
二対の紋章の片割れ 聖属性の最高位
各属性を聖属性に変換して使える。
白の紋章は万能の紋章の上位互換なのか?
なんかランクみたいなのがあるけど、熟練度を上げてどんどんランクアップする感じかな?
二対の紋章の片割れって事は、ラークの持っている黒の紋章と合わさっていたのか?
なんだか謎が多い紋章だなぁ。
さてと、もう一つの剣の紋章を調べてみるか。
剣の紋章(1/10)
様々な能力を持った剣を召喚し自在に操れる。
剣の紋章も熟練度を上げるタイプか。
剣を自在に操れるとかロマンの塊じゃないか!
っていうか、両方共能力がチート過ぎるんだけど…。
まぁあって困ることはないから大丈夫か!
その後三人で集まって話し合う。
やはりラークの持っていた紋章は俺のと似たような紋章だった。
俺が聖属性で、ラークが闇属性って感じだな。
「まぁ何にせよ紋章を沢山使って熟練度を上げて行こう!」
「そうだな、半年後には入隊試験を受けるからそれまで修行だ!」
三人は半年後の入隊試験に向けて準備を進めていく。