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白と黒の紋章魔法〜異世界に転生し二つの力を得る〜  作者: おさみん
第一章 始まり
18/22

第十八話 ラークVSケイン

■ラーク■


「それじゃあケインさん、あちらに行くので着いてきてください」


僕はケインさんと共にコウと離れる。



「彼と離れて大丈夫だったのかい?」


コウと離れ、近場の開けた場所に着くと、ケインさんが聞いてくる。


「団長は10年前の戦争で武功を挙げて、あそこまでのし上がった方だよ、いくら君達が強くても一対一では勝ち目は無いと思うよ」


確かにあのラカンって人はかなりの実力者だろう。

でも…。


「心配には及びません。本気を出したコウは誰にも負けません」


剣の紋章と白の紋章。

あの二つを本気で使ったコウは、恐らく無敵だろう。

唯一勝てるとしたら、魔力切れで魔法を使えなくなる事態以外は考えられない。


「なるほど、君も彼のことを信頼しているんだね」


ケインさんが笑っている。


「それじゃあ、お互い戦いに集中しようか」

「はい」


お互い冷静に相手を観察している。


「このままではラチがあかないね。最初から全力で行こうかな」


ケインさんがそう言って右手を掲げる。


「力を示せ!私の紋章よ!」


ケインさんの右腕が光る。

すると地面から一体の両手に剣を持っている土人形が現れる。


「私の紋章は、ドールマスターの紋章。土より人形を召喚する能力だよ」

「土から人形を?」

「そう。紋章レベルによって、出せる強さは変わるんだけどね。因みにこの人形は私が今使える最強の兵器だよ」


ケインさんが説明してくれる。


「なぜそんな事を教えてくれるんですか?」

「なに、不公平だと思ってね」

「そうですか…」

「さて、そろそろ戦いを始めようか」


ケインさんが右手を前に出す。


「いけ!私の人形よ!」


掛け声と共に土人形が飛び出す。


「くっ!」


準決勝で戦ったゴーレムより遥かに強い。

必死に迫りくる剣を捌いていく。


「流石だね。私のこの人形に対抗するなんて…。だが!」


土人形と違う斬撃が襲ってくる。

辛うじてそれを避けるが、浅くだが腹を切られる。


「私もこの人形と同等の強さを得る事が出来るのが、私の紋章の力だよ」


ただでさえ厄介な土人形に手を焼いているのに、ケインさんまで加わると、攻撃を捌き切れない。


「さあ、君の負けだ。大人しくやられてはくれないか?」


ケインさんがそう打診してくる。


「そう言う訳にも行かないのですよ。僕はコウ以外の人には負けられない…だから!」


左手を前に出す。


「黒の紋章よ!僕に力を!」


左手が黒い光を放つ。

ラークの全身が黒き光で覆われる。


「この魔法は、黒の法衣。僕の身体能力を強化してくれる魔法です」


今度はラークがケインに説明をする。


「ふむ、身体強化か。それぐらいで私に勝てるとでも?」


ケインは余裕の表情である。

黒の紋章。聞いたことのない紋章だが、その程度の紋章魔法で自分が負けるとは思えなかったからである。


「それでは…行きます!」


ラークがそう言い駆け出す。


「なに!?」


あまりの速さにケインはラークの姿を見失う。


「がは!」


気が付けば、自分の背中が斬られていた。


「なんだ…その力は…」


なにが起きたのかわからなかったケインは唖然とする。


「この魔法は、僕の身体能力を3倍まで上げる事が出来ます」

「3倍…だと!?」


ケインは驚愕する。

ただでさえ強かった少年が、3倍の強さを手に入れる手段があっては、対応出来ない。


「私の負けだ。好きにしろ」


ケインは剣を鞘に戻し、その場で座り込む。


「では、僕達を見逃してください」

「私を殺さないのか?」

「貴方達からは罪悪感を感じました。そんな人達を切りたくはありません」

「甘いのだな、君は」

「そうですね…。僕は甘いのかもしれません…」


そう言ってコウの元へと走り出す。

辺りにこれまでにない熱気を感じ、空を見上げる。

そこには巨大な炎の金槌が見えた。


「無事でいてくれ、コウ」


その炎を見て、更に走る速度を上げて駆けていく。

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