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白と黒の紋章魔法〜異世界に転生し二つの力を得る〜  作者: おさみん
第一章 始まり
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第十三話 異変

あれから地獄の二週間過ぎた日の夜。

陣形の練習やら、サバイバルの基礎やら、やる事が地味で面白味が全く無かった。

正直脱走したいくらいだ。


「明日も地獄の陣形練習が続くのか…」

「コウ、仕方ないよ。これも将来は役に立つからね」


陣形の練習は確かに役に立つが、知ってる陣形や戦術が多すぎるんだよなー。

しかも全員でやってるから誰か一人がミスったらやり直し…。運動会か!


「文句を言ってても仕方ないよ!」

「そうなんだけどなー」


二人で会話をしていると、外がやけに騒がしい。


「なにかあったのかな?」

「どうだろ?また誰かが脱走でもしたんじゃないか?」


何人かもう脱走しようとしていた奴らがいたからな。

耳を澄ませて外の様子を伺う。


「敵襲ー!敵襲ー!!」


事態はかなり深刻のようだ。


「敵襲?同盟連合国とは休戦協定を結んでいるはず…」

「ここにいても状況が分からない!外へ行くぞ!」


天幕の外に出て辺りを見回すと、火の手が上がっている。


「なんだよ…これ…」


突然の出来事に困惑する。


「コウ!ラーク!」


呼ばれて振り返るとオズ隊長がいる。


「隊長!これは一体…」

「同盟連合国の奴らが休戦協定を破って攻めてきたようだ」

「そんな…」

「ここはもうダメだ、東の森を抜けて本国までこの事を伝えてくれ!」

「隊長はどうするんですか!?」

「俺はここで殿を務める。なるべく皆にこの事を伝えなくてはいけないからな」

「俺達も戦います!」

「馬鹿野郎!本国に伝える方が大切だ!」

「…わかり…ました」


ラークと二人、東へと駆けて行く。

天幕の周りは死体などが無数にあり、地獄絵図と化している。

現代では無縁の光景だから、コウの記憶がなければ吐いていただろうな。

東の森の入口に着く。


「妙だな…」

「どうしたんだいコウ?早く行かないと!」

「考えてみてくれ、国に戻るには山を南に下るか、東の森を抜けて行くのが定石だ。その二つを包囲しないわけがないと思う」

「確かにそうだね、なら森を抜けた先に待ち伏せされている可能性がありそうだね」

「この事を隊長に知らせに行こう!」


来た道を引き返す。


野営地に着き、敵に見つからないように隊長を探す。


「コウ。あれは隊長じゃないか?」

「待て、ラーク。なにか様子がおかしい」


二人で天幕の物陰に潜みながら様子を伺う。


「オズよ良くやった」


男の声が聞こえる。


「っは!」


隊長が畏っている。


「新兵達もいい働きをしてくれた。休戦協定を破る為に、よもや自分達の国に襲われるとは思わないだろう」

「これでルカ様の目標にまた一歩近づけた訳ですね」

「くっくっく。オズ、貴様の今回の働きは評価しているぞ」

「ありがたき幸せ!」

「誰一人生きては返すな」

「っは!」


同盟連合国の侵攻であれば、国が把握していない訳がない。

ここまですんなりと攻めることは出来なかっただろう。


「どうする?コウ?」

「もう俺達二人以外誰も信じれない。二人で逃げよう」

「だね、恐らく東の森と南は待ち伏せされている」

「なら俺達は北に行こう。山を越えて熱りが冷めるまで身を潜めよう」

「だね」


二人でその場を離れる。目指すは北。

なんとかこの状況を打破しなければ、例え人を殺す事になったとしても、ラークとレンが居るあの平穏な頃に戻るまでは……。

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