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白と黒の紋章魔法〜異世界に転生し二つの力を得る〜  作者: おさみん
第一章 始まり
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第十話 入隊式

「勝者!コウ選手!」


「これで終わったと思ってないぞ」

「勿論だよ、僕は君を追い越すその日まで、諦めるつもりはないよ」

「俺もそう簡単に抜かせる気は無いけどな」


そう言って握手を交わす。

その光景に会場が再び二人を讃える声で溢れる。


「コウ!ラーク!最高の戦いをありがとう!」

「二人共凄かったぞー!」

「そんなに可愛いのにどうしてそんなに強いのー?」


観客の声に二人は我に返り、二人は笑い合う。

二人は観客に向けてお辞儀をし、手を振りそのまま控え室まで戻って行く。

会場は二人の姿が見えなくなるまで、拍手と歓声が止むことは無かった。


「疲れた〜」


控え室に入り俺はへたり込む。


「そうだね…。流石に今日はずっと戦ってばかりだったから疲れたよ」


ラークもそう言い椅子に座る。


「そーいえば、準決勝の試合の後にケインさんとなにか話してなかったか?」

「ああ、コウがラカンさんと話してたような事だよ。僕と本気で戦いたいって」

「なるほど。あの人も本気を出したら相当強そうだ」

「だね、あとはまた近いうちに会って戦えるとも言ってたかな?」

「ん?どーいう事だ?」


普通本気の勝負なんてする事は無いと思うんだけどな…。


「多分、模擬戦かなんかだと思うんだけど…」

「そう…かもな…」


なにか思惑があるのかも知れないが、いま考えても仕方ないか。


「コンコン」


二人で話をしていると、ノックの音が聞こえてくる。


「どうぞ」


部屋に入るよう施すと、若い男性が入ってきた。


「コウ、ラークの両名は至急会場へとお越し下さい」


トーナメントに参加した人全員を呼んでいるみたいだ。

ラークと二人で急ぎ会場へと向かう。





会場に着くと約1500人程の人がいる。

恐らくここにいる人が入隊試験に受かっているのだろう。

俺達も隊列に加わる。

少しすると、会場の辺りが一望できる一番高い場所、いわゆる皇族席から一人の男が姿を見せる。

国王のアーガス・ガルドルドだ。


「皆、本日のトーナメントはどの試合も実に見事であった!これからはガルド王国の為にその力を使え!」


その一言に皆、声を上げる。

国王直々の激励だから士気も上がるだろう。

皇族の挨拶が終わり観客は帰って行く。本日の入隊試験は無事終わったのである。

俺達はそのまま会場にいる。程なくして一人の男が現れる。


「俺の名はオズ・ランド。この第11師団の隊長だ」


オズ隊長が皆に挨拶をする。


「さて、お前達はまだまだ兵士としてはひよっこだ。そこで一週間後に同盟連合国との関所近くにある山で演習を受けてもらう」


同盟連合国は10年前まで戦争をしていた国だ。

今は二人の英雄の活躍により、休戦協定が結ばれている状態だ。

そして、その同盟連合国との関所近くにあるマキナ山での一カ月に渡る演習があるみたいだ。

恐らく兵士として慣らせる為であろう。


「以上がお前達に課せられた最初の任務だな。それまでは各自準備をしておけ!解散!」


オズからの話が終わる。

皆思い思いにこの会場から出て行った。


「おい!お前ら!」


俺達も帰ろうとした所に声を掛けられる。


「よう!今日の戦いは見事だったぞ」

「「ありがとうございます」」

「そこでだ。お前達は俺の専属の部下にならないか?」

「専属の部下に?それは今とどういう違いがあるのでしょうか?」


疑問を口にする。


「いや…。やはりいい。今の話は忘れてくれ」

「「???」」

「まぁともかく、一週間後の演習、頑張れよ!じゃあな!」

「あ!ちょっと待って下さい!」


声も虚しくオズ隊長はそのまま行ってしまった。


「さっきのあれなんだろうな?」

「んー。なんだろうね」


俺達の頭に疑問だけが残ったのであった。


「まぁ俺達も帰ろう!レンが待ってる」

「……だね」


二人でレンが待つ会場の外へと向かうのであった。

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