↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魏延が行く  作者: あひるさん
第九章 荊北攻防戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/120

第72話 圧倒される者

ご覧頂きまして有難うございます。

ご意見、ご感想を頂ければ幸いです。

張苞と関興が魏軍先鋒と接触して戦闘が始まった。猛将の血を引く二人は群がる魏軍兵士を蹴散らしながら先鋒隊大将に近付いた。二人は敵将と数合ずつ打ち合ったが互角だった事もあり無理をせず早々と兵を退かせた。


「将軍、敵の出鼻は挫きましたが腕の立つ者が居りましたので無理をせず兵を退かせました。」


「よく我慢してくれた。敵は私が食い止めるから本陣を固めてくれ。」


「承知致しました。」


二人は手短に報告を終えると南の方へ走り去った。魏延は二人の姿が見えなくなってから視線を北の方角へ移した。


「魏軍をどこまで抑え込めるかが勝負の分かれ目だな。」


魏延は誰に聞かれるでもなく呟いた。


*****


魏延が北の方をしばらく眺めていると砂煙が見え始めて地鳴りが徐々に近づいて来た。


「弓隊構え。」


魏延の指示を受けた兵士は流れるような動きで位置について弓を構えた。


「合図があるまで放つなよ。後は訓練通りにやれば良い。」


近くに居る兵士に声を掛けていると砂煙の中から魏軍が現れて恐ろしい勢いで迫って来た。旗には夏候覇と書かれているので二人が戦った相手は魏延の予想通りだった。


「放て!」


一斉に放たれた矢は次々と魏軍兵士に当たり倒れていった。魏延は間断なく弓での攻撃を続けたので魏軍は近付くことが出来ず立ち止まったところに事情を知らない後続が雪崩れ込んで混乱状態に陥った。


「進め!」


魏延は今が好機だと合図を送り自ら先頭に立って魏軍に突っ込んだ。


「功を焦るな!一撃を加えるだけで良い!」


魏延を先頭に荊州軍は放たれた矢のように魏軍を蹂躙しながら突き抜けた。


「退却だ!」


魏延は未だ態勢が整わない魏軍を見て再度攻め込もうとしたが欲張れば痛い目に遭うと判断して退却指示を出した。自らは一部の兵士と共に殿となり魏軍に備えた。


*****


魏延が後方を警戒しつつ南下を始めようとした時、魏軍から一人の将が現れた。


「我は魏の夏候覇!貴殿が蜀軍の大将か?」


「その通りだ。私は蜀漢の魏文長。」


「是非とも手合わせを願いたい。このまま引き下がっては武門の恥。」


「流石は夏候一族と言うべきか。承知した。」


夏候覇は黙礼すると得物の長槍を構えて馬を走らせた。魏延も馬上で方天戟を構えて待ち構えた。夏候覇は若さという勢いに任せて遮二無二攻め続けた。魏延は攻撃を受け止めつつ時折攻め手を繰り出した。


「この男は化け物か?」


夏候覇は攻め続けていたが疲れ始めて勢いを失いつつあった。かたや魏延は顔には出さないものの余力十分で夏候覇の攻撃を受け流していた。しばらく続いた後、疲労が増した夏候覇は一瞬だが気を緩めてしまった。魏延はそれを見逃さず方天戟で長槍をかち上げた。


「しまった!」


夏候覇は手から離れた長槍を掴もうとして体勢を崩してしまい馬から落ちてしまった。


「勝負有りだな。」


魏延は馬上から切っ先を夏候覇に突きつけた。しかし魏延は何もせず方天戟を持ち直して馬首を南へ向けた。夏候覇はその理由が分からず怪訝そうに魏延を見ていた。


「後ろを見てみろ。貴殿を助ける為に死を怖れず近付こうとする者が居る。死中に活を求める者を相手にすれば痛い目に遭うのは必定。続きは後日に取っておこう。」


夏候覇を助ける為に多数の魏軍兵士が向かってきた。相手にすれば被害が大きいと判断した魏延は夏候覇に言い残して馬を南に走らせた。魏延は本陣へ戻ると守りを固めて魏軍の攻勢に備えた。魏軍は魏延の迎撃により少なくない被害を受けた影響で進軍を止めて陣を築き睨み合いが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。