表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魏延が行く  作者: あひるさん
第十一章 北伐
106/120

司馬懿・公孫淵の動向

ご覧頂きまして有難うございます。

ご意見、ご感想を頂ければ幸いです。

張郃から報せを受けた魏延は全軍を率いて晋陽に入城した。

魏延が入城した翌日に張郃も晋陽に入城した。


「徐公明と申します。」


「陳長文と申します。」


「魏文長と申します。お二方の噂は漢中王や関・張両将軍より聞いております。」


徐晃は関羽が徐州陥落後、一時的に曹操の配下として動いていた際に知己となり、張遼を含めた三人で

親友の関係を築いた。

陳羣は劉備が予州に居た頃から徐州牧になるまで配下として仕えていたので関羽や張飛など古参配下とは知己である。


「陳羣殿、漢中王は貴殿と再び轡を並べる事が出来ると喜んでおられます。曹魏で培った知識を蜀の為に活かして欲しいと。」


「劉備様に感謝致しますとお伝え下さい。」


互いに挨拶を交わした後、張郃から司馬師を負傷させた事を知らされた。

射抜いた所が肩口に見えたので致命傷を負わせる事が出来なかったが、行動に支障をきたす可能性があると張郃は述べた。


「中山か鉅鹿に逃げ込んだのは間違いない。」


「色々考えられますが、一つずつ落として着実に進むしかありません。」


中山から北に向かえば幽州に入る。

そこには公孫淵が居るので手を結ぶ事も有り得る。

公孫淵は劉備に臣従すると言っているが、前科があるので誰も信用していなかった。

魏延は公孫淵を敵対勢力として見ているのでどのように動こうが関係なかった。

ここで晋と手を結んでくれた方が潰す理由として突き付ける事が出来るので魏延としては都合が良かった。


「その通りだ。約束通り我々は鉅鹿に向かう。」


「分かりました。」


話し合いは両者共に平穏な雰囲気のまま何事もなく終わった。

冀州に入ると魏延は北の中山に、張郃らは南の鉅鹿に向かう事になっている。

晋に加えて公孫淵という厄介な存在が出て来るので今まで以上に厳しい戦いになる事が予想された。


◇◇◇◇◇


中原では三方を取り囲まれていた司馬懿が日々の対応に頭を悩まされていた。

次男の司馬昭が補佐役を務めて軍の手配を行っているので多少なりとも助かっているが厳しい状況である事には変わりなかった。


法正率いる漢中軍は弘農を落として東進、函谷関への攻撃を始めている。

龐統率いる荊州軍は宛を落とした後、軍を二手に分けて洛陽(関羽率いる別働隊)と許昌(龐統率いる本隊)を両睨みの形を取っている。

陸遜率いる呉軍は南皮に居た旧魏軍の張遼らと協力して青州を制圧、兗州に侵入しつつあった。


司馬懿はこのまま三方から攻められれば黄河を背にした背水の陣を敷く事になり進退が極まる。

そうなれば座して死ぬ事と変わらないので河北に遷都を行い、公孫淵を含めて味方勢力を結集させた上で決戦に臨む方針を固めつつあった。


河北については冀州西部が蜀軍勢力下にあるが糧秣を蓄えている中心部は健在で、黄河北岸で暴れていた張遼率いる旧魏軍は陸遜と合流する為に南岸へ渡河した事もあり、北岸の敵対勢力は冀州西部以外は存在しない状況だった。


司馬懿は司馬昭に指揮を委任すると遷都する為の準備を始めた。

群臣の説得が主となるが残された時間は少なく、あらゆる手段を用いて行った。

中には将兵を率いた上で話し合いに臨み脅迫紛いの事も行ったので一部から不満の声が聞かれるようになった事から再び不穏な空気が流れ始めた。


◇◇◇◇◇


公孫淵は司馬懿の指示に従い、南皮で張遼と対峙していた。

しかし張遼が陸遜と合流する為に姿を消したので自主的に黄河沿岸の警戒に当たっていた。

司馬懿からその行動を称賛され、幽州全域に加えて楽浪郡の支配権を与えられた。

それは公孫淵を北部に押し込めて勢力拡大を抑え込む方策である事は衆目の一致する所であり、公孫淵自身もそれを理解していた。

一方では劉備に臣従すると約束して河北については切り取り自由のお墨付きを得ている。

公孫淵は自身の価値を上げる為、劉備に味方すると旗印を鮮明にする時期を見極めつつ司馬懿に対して従順な態度を取り続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ