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第8話 ギルドのルール

 

「――何の騒ぎですか? ギルネ様のお名前が聞こえましたが」


 長髪の男の大声を聞きつけたのか、幹部のニーア様が食堂に現れた。

 他のギルド員たちはひざまずいて頭を下げる。


「あ、あのっ! 僕っ、僕は……!」


 顔を青ざめて震える。

 カップが勝手に手の上で割れたなんて言っても誰も信じてくれるはずがない。


「ふむ、ギルネ様の私物を壊してしまったようですね。これは大変だ」


 ニーア様の口元が若干ほころんだような気がした。


「――おい! いったい、何の騒ぎだ! ギルネリーゼだ、通してくれ!」


 そんな時、綺麗な服にハンドバッグを持ったギルネ様が僕を迎えに食堂に現れた。

 あり得ない出来事にギルド員たちはもう土下座に近い形で頭を下げる。


「これはこれは、ギルネ様。ティムが貴方様のティーカップを割ってしまったようなのです」

「何だとっ!? ティム、怪我はっ!? 指を切ったりしていないか!?」


 ギルネ様は慌てて僕に駆け寄ってきた。


「あ、あの……! ギルネ様、ごめんなさい!」

「怪我が無いなら問題ない。それにしてもなぜ、そしてどうやってティムが私のカップを……?」


「――いいえ、ギルネ様。これは問題です」


 まるで、示し合わせたように他の幹部達も集まってきた。

 あまりの非日常的な光景にギルド員たちは一歩も動けずに固唾を飲む。


 幹部達は次々に口を開いた。


「ギルネ様、このギルドの絶対のルールをお忘れですか?」

「ギルドルールその12、『ギルド長の管理する物品を持ち出し、あるいは破損させた者は除名処分とする』」


 ニーア様とナターリア様に続いてミナミズ様とデイドラ様も声を上げた。


「うむ、鉄の掟を破ることは絶対に許されぬ! ギルドの崩壊を招くゆえ!」

「このルールに従い、ティム=シンシアをギルド追放する必要がある!」


 幹部の皆様は、普段僕を虐げる冒険者達と同じような目をしていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 陰謀だ! というより1000人分の雑用のあてなんてどこでもあるみたいな横柄な態度、プライドの塊が集まってる感じを見ると、ティムを思いやるギルネ様の気持ちも分かるのである。
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