表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/28

第6話 幹部達は納得がいかない

 

 幹部達の意見を静かに聞くと、ギルネ様は腕を組んで口を開いた。


「……今のティムに対する暴言は、私から彼に謝罪をしておく。お前達はもう出ていけ」


「――っ!? ギルネ様、正気ですか!?」

「貴方様が頭を下げるなどあってはなりません!」


 なおも意見を変えようとしないギルネ様に幹部の皆様は狼狽していた。

 まぁ、一番泡を吹いて気絶しそうなのは僕なんだけど。


「お前らこそ正気か? 私は今なら不問にすると言っているのだぞ。今すぐ消えた方が良い」

「ですが、重要性という物がございます! ギルドにとって重要な方を――」

「重要性を考えた結果だ。お前達との会食よりも優先されるべきと判断した。二度は言わないぞ?」

「ぐっ……、失礼いたします」


 ギルネ様の殺意すら宿っていそうな視線に刺されると、幹部たちはすごすごと部屋を出ていった。

 全員が『お前の顔は覚えたぞ』みたいな表情を僕に見せながら。


「ティム、君が普段からどんな扱いを受けているか今ので少し分かったよ。全く、酷いもんだ」


 ギルネ様はそう呟くと、本当に僕に頭を下げてきた。

 あまりの事に僕はギルネ様よりも頭が低くなるように土下座をした。

 1000人のギルド員に崇拝される彼女の頭が自分よりも低くなるわけにはいかない。


「ふふ、頭を下げる事に関しては君に勝てる気がしないな。ギルド員が頭を下げるべきは私ではなく本当は君なのにな」


 僕の滑稽な姿を見てギルネ様は笑ってくれた。

 そのあまりの美しさに僕は呼吸も忘れて見とれてしまう。


「ティム、仕事の邪魔をしてしまってすまなかったな、君は誰よりも忙しいのに」

「い、いえ! そんな事はっ! 僕なんて雑用しか出来ませんから……」

「その"雑用"がこのギルドを一人で支えているのだ。残念ながら私しか気がついていないようだが」

「そ、そんな……恐れ多いお言葉です」

「君は少し謙遜が過ぎるな。よし、明日は私が君を迎えに行こう、食堂に行けば会えるか?」

「え、えと……は、はいっ!」


 ギルネ様はワクワクしたような表情で床に這いつくばる僕に手を差し伸べてくれた。

 白く、とても綺麗なその手に思わず躊躇う。


「ぎ、ギルネ様のお手を煩わせるわけには……!」

「そ、そうだな! 手を繋ぐのはまだ早いな! いやっ誤解しないでくれたまえ、下心は無かったんだ! 本当に!」


 突如、早口になったギルネ様は顔を真っ赤にして手を引っ込めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓のタイトルをクリックすると他作品のページに飛べます↓
小説家になろう年間1位!
下のタイトルを押すと読みにいけます!
『クラスで陰キャの俺が実は大人気バンドのボーカルな件』
漫画も発売中!

新作ラブコメ!
下のタイトルを押すと読みにいけます!
『山本君の青春リベンジ~学校でイジメられてた俺が努力して生まれ変わり、戻ってきてからクラスメート達の様子がおかしい件~』
面白かったらブックマーク・☆評価お願いします!

ハイファンタジーの新作を投稿しました!
下のタイトルを押すと読みにいけます!
『英霊使いの劣等生~最強の元英雄は正体を隠して平穏な学園生活を送ります~』
面白かったらブックマーク・☆評価お願いします!
<(_ _)>ペコッ
    
新刊
『ギルド追放された雑用係の下剋上4巻』
  ▼▼▼ 画像をクリックすると、書籍情報へとアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
  ▲▲▲ 画像をクリックすると、書籍情報へとアクセスできます ▲▲▲  
― 新着の感想 ―
[一言] きゃーギルネ様エッチー(/ω\)
[良い点] これは悲恋の予感がしてきましたね、1000対1000で釣り合ってると気付いてくれる人が他にいないのである。
[良い点] テンプレでありながら新しいパターン [一言] 週間ランキングで知りました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ