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第4話 ギルネ様とクエスト受注

 

「よし、善は急げだっ!」


 ギルネ様はそう言うと、右手にはめている指輪を光らせた。

 聞いた事がある、きっと『宝具』というアイテムだ。

 様々な種類があり、使う事で不思議な効果を発揮出来る装備らしい。

 宝具の能力でギルネ様はギルドの受付嬢に呼びかけた。


「業務中にすまない、ギルド長のギルネだ」

「は、はいぃ!? ぎ、ギルネリーゼ様!? えっ、えっ、本物!?」


 突然、ギルネ様に呼びかけられた受付嬢が酷く狼狽している声が僕にも聞こえた。

 通信の向こう側ではざわめく声や皿の落ちる音もしている。

 ギルド長であるギルネ様はそれほどまでに『遠いお方』だという事を僕は再認識した。


「クエストの受注をお願いしたいのだが、簡単な物はないだろうか?」

「か、かか、簡単な物ですか!? ギルネリーゼ様でしたら、Aランククエストのインペリアルドラゴン討伐やAAランクの――」

「いや、討伐クエストはまだ危ないな。採集クエストなんてどうだろう、例えば薬草の採集とか」

「えっと……薬草採集はあまりに簡単すぎて当ギルドでは依頼が――」

「ならば私が依頼しよう! そして、ビギナーランクのティム=シンシアが受注する! それでいいな?」

「はい! 仰せのままにっ!」


 僕が呆然としている間にギルネ様は次々に話を進めていった。

 えっ? コレ何? 夢……?


「ティム、君の次の休みはいつだ?」

「えっ、えっと……明日のお昼頃には少し時間が――」

「そうか、ならば明日のお昼に私と共に薬草採集のクエストに向かうぞ!」


 僕の返事も待たずにギルネ様は再び宝具で通信を開始した。


「ラファエル、悪いが明日の昼の予定をキャンセルしてくれ!」

「――ギルネ様? 明日は我々幹部たちとの会食ではありませんか。みな、楽しみにしていたのですが……」

「大切な用事が入った! 私は明日ティムとデート――じゃなくてクエストに行くことに決まった!」

「ティム様とは……どなたでしょう? ま、まぁ……緊急のクエストであるならば仕方がありませんね」

「うむ、薬草が大至急必要なのだ。じゃ、もう切るぞ」

「はっ!? 薬草っ!? ちょっ――」


 ギルネ様は満面の笑みで通信を切断した。


「い、今のは幹部である"聖騎士"のラファエル様ですよね!? 良かったのですか!?」

「うむ、向こうも出先で忙しそうだったのでな。しばらく通信は遮断しておこう」


 ぜ、全然忙しそうな感じはしなかったけど……。

 僕は冷や汗が止まらなくなってきた。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 追放されるの味方のはずのギルネさんのせいじゃ? そんな予感がビシビシくる〜
[良い点] 身分を越えたデート、いえ依頼っていいですね。
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