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第1話 雑用係のティム=シンシア

新連載です。


※追記:コミックから来たみなさま、こんにちは!

楽しんでいただけますと嬉しいです!

他作品は、


・『クラスで陰キャの俺が実は大人気バンドのボーカルな件』(小説・コミック『ニコニコ静画様で読めます』)


・『山本君の青春リベンジ~学校でイジメられてた俺が努力して生まれ変わり、戻ってきてからクラスメート達の様子がおかしい件~』(企画進行中)


などがございますので、そちらも楽しんでいただけますと嬉しいです!


では、よろしくお願いいたします!

 

「僕、最高の冒険者になるよっ!」


 そう言って実家を飛び出した十二歳の夏、それから――早三年。


 僕、ティム=シンシアはこの大帝国でも五本の指には入る実力派の冒険者ギルド『ギルネリーゼ』の一員として活動をしていた。


 ギルネリーゼは巨大なギルドだ、1000人近い冒険者が日々様々な依頼をこなしている。

 とはいえもちろん、誰でもこのギルドの一員になれるわけではない。

 その技量が認められ、『確かな実力を持った者』だけが組織の一員となることができるのだ。


 ――そう、僕のように実力を認められた者だけが。


「ティム! ティム=シンシアはいるか!?」


 ギルドの大食堂で僕の名を呼んでいるのはこのギルドでも一番の剣の実力を持つ、剣聖ガナッシュだ。

 普通はお目にかかることすらできないギルド幹部様の登場に食堂内は騒然とする。


 僕がカウンターから出ると、彼は耳打ちをしてきた。


「ギルド長、ギルネ様がお前をお呼びだ、ついてこい」


 彼に連れられて大食堂を出る。


 食堂の入り口で、同期のフィオナとすれ違った。

 剣聖ガナッシュと共に歩く僕を見て少し驚いたような表情をしている。

 綺麗な長い緑髪の彼女はヒーラーだ、このギルドの救護を担当している。


 ――そのまま大人しく後ろをついていく。

 廊下を通り、幹部以上のギルド員しか入れない特別な区域に入った。

 やがて、ギルド長の執務室前に到着する。


 軽く咳払いをすると、ガナッシュは丁寧に扉を叩いた。


「ギルネ様、ティム=シンシアを連れて参りました」


 ガナッシュが扉越しに話しかける。

 すると可憐でいて威厳のある少女の声が返ってきた。


「ご苦労、入っていいぞ」

「失礼いたします」


 扉を開き、入室すると僕とガナッシュは膝を突いて頭を下げた。

 目の前には絢爛(けんらん)とした椅子に腰掛けた紫髪の美少女、ギルネ様が足を組んで座っている。


 彼女こそがこの巨大ギルドの長だ。

 1000人の武芸者たちの畏敬をその若くて小さな身に受ける存在である。

 彼の剣聖ガナッシュもギルネ様の前では緊張の色を隠せない様子だった。


「頭を上げるがよい。ガナッシュはもう仕事に戻って結構」

「御意、失礼いたします」


 彼は本当に僕を呼ぶためだけに呼ばれたらしい。

 とんでもない剣聖の無駄遣いだ。


「さて、ティム。今回、君を呼んだのはだな――」


 ギルネ様が何かを言い出す。


 ――その前に僕は先手を打った。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! このギルドから捨てないでください! 僕は冒険者になりたいんです!」


 床に顔を擦り付けての土下座。

 半泣きの表情で僕は必死に懇願した。


 剣も魔法もてんでダメで全く戦力にならない。

 大ギルド『ギルネリーゼ』の"雑用係"。


 それが僕、ティム=シンシアだった。


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<(_ _)>ペコッ
    
新刊
『ギルド追放された雑用係の下剋上4巻』
  ▼▼▼ 画像をクリックすると、書籍情報へとアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
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― 新着の感想 ―
[良い点] なんかこう、恵まれて無いようで恵まれてる、 おもしろい状況の主人公ですね、 普通、ギルドトップとなんか面会できないぐらいな、 扱いとおもってましたから。 面を上げい。 [一言] おっと意外…
[気になる点] 絢爛な→絢爛とした
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