第1話親友の戯れ言
深夜テンションでーす☆
遥か彼方の星。
そこにはあるもの達が住んでいた。そいつらはふざけたような顔をしながらオワタと鳴き続けるらしい。何を食べるのか、なんのために生まれたのかはわからない。ただわかっていることは1つ。オワタと鳴き続ける。ただそれだけだ。
「……いやいるわけないだろ」
SF好きな親友は昨日のテレビで放送された新たな生命体について話してくれた。
いつもならここまでは熱くならない。何故なんだ?……そう思っていると親友は不敵に笑い始める。
「ふっふっふっ」
「な、なんだよ」
「確かにここまではテレビの話…だけど今日はそれだけじゃない!」
親友は場所なんてお構いなしに大声で叫ぶ。俺が落ち着けと行ってもなかなか聞かない。待ってくれ、ここは教室だ。ただでさえ日頃から陰キャとして暮らしていて生きづらいというのに…!
「待て!わかった!わかったから!とりあえずあっちだ!あっちに行こう!」
わかってくれるか友よ!そう叫ぶ親友を半ば強引に押しながら、俺達は人気のない場所へと移動した。
「……はあ。さすがに勘弁してくれよ」
「す、すまん。でもこれは本当にすごいことなんだ!」
まあ日頃ここまでヒートアップはしないからな。どれだけすごいことかはわからんが。
「それで?なにがあったんだ」
俺が聞くと親友はゴクリという唾を飲む音を響かせる。
そして衝撃の一言。
「僕、実は昨日そのオワタって言う変なやつ、見たんだ」
「……は?」
親友はもうそれは興奮しながら話してくれたため意味不明すぎたが要約するとこうだ。
塾の帰りに通る公園でどこかで見たことのあるような表記がオワタオワタと呟いていたと。
怖くなって急いで家に帰ると、今日がSF関連の番組なのを思いだしそいつのことも忘れすぐに見た。
そして番組にさっき見た生物が取り上げられていて…
「どうしても俺に伝えたかったと」
「そう!そうなんだよ!」
親友はそのあとも熱く語ってくれたが…正直信じることは出来ない。
確かにこいつは嘘はつかない……が。さすがに話がぶっとびすぎている。
「ねえ!君はどう思う!?」
「いないと思う」
「そんなぁ!?なんで!?僕は見たんだよ!?」
誰も信じてくれないからもしかしたら君ならって思っていたのに…そうしょんぼりしながら呟かれると良心が痛むが…
「さすがに、なぁ?」
反応に困る。そんな俺を見ていて何を閃いたのか親友はいい案を思い付いたといわんばかりに目を見開く。
嫌な予感がする。そしてこういうときの予感ほど当たるものはない…!
先手を打とうとするも、親友の口はもう開いてしまっていた。
「一緒に確認してよ!それなら君にも証人になってもらえるしね!」
「あぁ…」
こうなるともうこいつはダメだ…一切話を聞かなくなる。
一瞬にして組まれたスケジュールに一応拒否の意思を示すが、親友はじゃあそういうことで!と勝手に話を切り上げ教室へと歩き始めた。
「めんどくさい」
まあ夜飯はおごってもらえるということらしいし、まあそれ目当てでいこう。
そう気楽に考え、俺も教室へと足を向ける。
『オワタ……』
「ん?」
妙な声が聞こえた気がして振り向くが誰もいない。
「気のせいか」
俺は少し駆け足ぎみで教室へと向かった。
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