夏秋冬春歌
掲載日:2018/07/08
夏。
それは生けるもの全てが成長する季節。
水面はきらめき、波を起こしてはじけ散る。
花は咲き、歌うように恋をする。
動物たちは背丈を伸ばし、西へ東へ闊歩する。
秋。
それは成熟さが潤う季節。
花は実になり、けれど尚も瑞々しく。
葉は彩り、舞い遊び、水面に映える。
次の世代へと、生けるもの皆、準備する。
冬。
眠りの季節。
暫しの静寂。
けれど力を溜め。
静かに、力強く、力を溜め……。
春。
今ぞ、全てが芽吹くとき。
何もかもを乗り越えようと。
まっさらから始めようと。
全てここから始まる。
そして。
また、この日がやって来る。
何もかもが、この一年、どんどん育っていくというのに。
私はいつも河岸に立ち、それを眺めているだけ。
ただ眺めているだけ。
ああ、貴方に逢ったら伝えたいことがある。
私たち、もしも許されるのなら。
もう一度下界に降りて、一生懸命に生きてみたい。
あの輝ける、素晴らしい世界で。
今度はちゃんと、生きてみたい。
貴方と、共に。
貴方は、微笑んで、頷いてくれるかしらーー。
七夕の前夜、ひとり呟いた。
七夕前夜の織姫の独り言でした。




