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夏秋冬春歌

作者: 銘尾 友朗


夏。


それは生けるもの全てが成長する季節。


水面(みなも)はきらめき、波を起こしてはじけ散る。


花は咲き、歌うように恋をする。


動物たちは背丈を伸ばし、西へ東へ闊歩する。




秋。


それは成熟さが潤う季節。


花は実になり、けれど尚も瑞々しく。


葉は彩り、舞い遊び、水面に映える。


次の世代へと、生けるもの皆、準備する。




冬。


眠りの季節。


暫しの静寂。


けれど力を溜め。


静かに、力強く、力を溜め……。




春。


今ぞ、全てが芽吹くとき。


何もかもを乗り越えようと。


まっさらから始めようと。


全てここから始まる。




そして。


また、この日がやって来る。


何もかもが、この一年、どんどん育っていくというのに。


私はいつも河岸に立ち、それを眺めているだけ。


ただ眺めているだけ。



ああ、貴方に逢ったら伝えたいことがある。


私たち、もしも許されるのなら。


もう一度下界に降りて、一生懸命に生きてみたい。


あの輝ける、素晴らしい世界で。


今度はちゃんと、生きてみたい。


貴方と、共に。



貴方は、微笑んで、頷いてくれるかしらーー。


七夕の前夜、ひとり呟いた。


挿絵(By みてみん)

七夕前夜の織姫の独り言でした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 春夏秋は、冬を待つ季節。なんて歌詞ありましたね。
2019/10/28 04:57 退会済み
管理
[良い点] 夜空から見る地球は、さぞかし美しいでしょうね。 宇宙飛行士も、真っ黒な宇宙に浮かぶ豊かな地球を見おろして、その大切さを、感じるのではないかと思います。 織姫や彦星も、美しい自然や、多様な…
[良い点]  銘尾さん。  いつまでもロマンチックな心をお持ちだと思います。  いや、失礼しました。  深い話で素敵でした。  でも、いつも顔を合わせていると、夫婦の間では喧嘩のひとつも勃発するもので…
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