表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

日乃国の侍現る!

 「ここは…どこだ?」


 周りを見てみる。見たことのない部屋だ。たしか俺はジェノサイドの

兵士から逃げるためにボートで脱出したんだ。しかしボートが撃たれて

身体にも少し当たってボートから投げ出されたんだ。記憶が正しければ。


 「お主起きたか」


 「あ…あなたは誰ですか?」


 「名乗るはまずお主からであろうが」


 「そ…そうか。おれはアキトだ。訳あって最強の剣豪を目指してる」


 「さふか…拙者はアキナ…日乃国から忘れられた武士じゃ。お主は

天下無双の剣豪を目論んでるんじゃね。今時剣士等は珍しきな。

そうでござる!それがしと手合せ致さぬか?」


 「え…俺まだ未熟なんだけど」


 「お主の実力が知りたいでござる!じゃから手合せじゃ!」


 「わ…分かった」


 俺は半分強引にこの侍少女と勝負する事になった。


 「にては始めるぞ」


 「お…おう」


 早速アキナが走ってきた。俺は構えた。しかし俺の予想は

外れていた。走って思いっきり切りつけてくるのかと思ったが違った。

俺が力を入れた瞬間にアキナは大ジャンプした。そして後ろから斬り

つけてきた。俺はとっさに剣でガードした。


 「お主結構強いでござるな!」


 「これぐらいやらないと最強の剣豪になれないだろ」


 まあ俺が言った事は嘘だ。多分ガードできたのは偶然だ。次きたら

斬りつけられるかもしれない。


 「次はかじゃ!」


 「うおっ!」


 今度は上半身を斬りつけてきたが、これも剣でガードした。これは

偶然なのだろうか。それとも勝手についた腕なのだろうか。


 「くそ!かも駄目か!」


 「もっとこいよ」


 「ええい!」


 しばらくアキナが斬りつけてきて、それを俺が剣でガードする戦い

が続いた。おれも体力がそろそろ限界だ。少し斬られたし。


 「終わらしめるで候!拙者の奥義を受けるがよき!」


 「お…奥義?」


 「さふ!奥義で候!受けるがよき!竜巻乱舞!」


 そう言った後にアキナは目を閉じ刀に手を添えた。ここで攻撃

されたら終わりなんじゃ?と思ったが攻撃しようとすると返り討ちに遭う

だろう。そしたら急にアキナは目を開いた。そしてこちらに走ってきた。

俺は構えた。そしたら急に目の前に竜巻が起き、竜巻は俺を飲みこんだ。

俺は暴風に耐えていたが倒れてしまった。すると竜巻は止み、俺の喉に

刀の先がつきつけられていた。


 「拙者の勝ちじゃな」


 「俺がお前みたいなやつに勝てる訳無いよ…」


 正直この人には絶対勝てないと思っていた。覚醒なんかするわけがない。


 「かたじけない。いささか斬ってしもうた。よきか?。拙者が手当てするぞよ」


 「大丈夫だ。そんなに痛くはなっ!」


 「ほらをつくなで候。痛むんであろう?」


 「う…うん。ちょっと痛い」


 「ほら…肩貸して仕るから」


 「ありがとう。アキナ」


 「左様なことを申されたのは初の事じゃ」


 「お…おう」


 アキナはどうやらお礼を言われたことがないらしい。その後俺は手当てを

してもらった。どうやらアキナは国の命令で戦ってきたからそういうものは

無かったらしい。


 「なんぞ人を助けるのとは良き感じじゃ」


 「そ…そうか」


 「そうでござるお主!拙者の弟子になれと申すかその…

拙者から剣を習わなぬか?」


 「え…いいのか?」


 「拙者は大歓迎じゃ!」


 「じゃあ俺に剣を教えてくれ!」


 「任せろ!いやはや拙者が剣を教える事になるとはな」


 なんだかアキナは嬉しそうだ。やっぱりこの世界にはいろんな人がいる。

だからこそアキナの過去が気になってしまう。俺は聞いてみた。


 「アキナって過去に何があったんだ?」


 「其れを聞くか。まあ詮ないな。教えて献上奉るで候。せっしゃね、

日乃国の剣士。まあその国にては侍とは云われてるわ。せっしゃ

その国にて罪を犯したでござる。将軍を殺すと云ふ罪をね。その将軍は

悪し事を働いておりきんなれど、如何しても信じてもらえず、殺すしか

のうこざった。しかしてせっしゃ追手に追われて今、お主とここに在るん

でござる」


 「そ…そうか」


 正義のために行ったと言えど、やはり悪にされてしまったという事か。

まあ仕方ない事なのかもしれない。別にアキナは死ぬつもりでやったと言う。

そのぐらいの事をやるとなるとそれぐらいの覚悟が必要と言う事か。


 「とりあえずあいつらの所に帰るか」


 「あいつら?」


 「海を渡った先の国に仲間たちがいるんだよ」


 「仲間がいるんじゃ。拙者も参上すると致すかな」


 「そうだな。でも船ってあるの?」


 「船ならあるでござるぞ」


 「まじか」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ