謎の雑談と魔力が込められた剣
「心底誠に信じ難いんなれど~」
「急にどうした」
「いやはや、城郭にいる「ぎゃる」などと申す人たちが
使ひてる云葉を申してみたんなれど...いかがでござったか?」
「いや、いかがでござったか?って言われても...」
どうやら今の「心底誠に信じ難いんなれど~」と言うのは
「マジありえないんだけど~」らしい。やっぱりアキナが言うと
なんか変だ。
「そういえば日乃国ってどんなところなんだ?」
「平和なところでござる」
「なんか流行ってるものとかは?」
「男性の間にては枕絵、艶本、秘画が流行とはいるで候」
「それって何?」
「浮世絵のひい種でござる。まあ容易に申すと春画、
つまりえっちな絵じゃね」
「ふぁ!?」
変な声が出てしまった。まさかそんなものが流行っているとは
思わなかった。
「もちろん規制とかあるよな」
「いやはや、規制ないから大層売れてるで候」
「まじかよ...でどんなものがあるんだ?」
「いつぞやにては浮世絵のみならず、墨にて書かるた
「萌ゑ役者」なるもののえっちな書物も出てきてるで候」
「うわ...まじかよ...で今手元にあるの?」
「ないで候!...さふか見たもうとか。まあアキトも
男じゃから詮ないか」
「いや...うん...正直見たい」
「実は...手元にひいつあるでござるが...」
「じゃあ...うん...見して」
「御意」
「ふぁああああ!?」
渡された物は生きてた頃に見た物よりもはるかに刺激が
強かった。そして絵柄はなぜか昔の絵のような感じではなく、
完全に萌えキャラだ。なんか鼻血が出てきた。
「刺激が強かったかの?」
「うん...ものすごく強い...」
「とりあえず返してちょーだい。捨てるから」
「おう...」
俺はとりあえず、もっと見たいという欲望を
捨ててアキナに渡した。
「かようなものは斬り刻む!」
そしてアキナはものすごい勢いで本を斬り刻んだ。
本は粉々になった。
「そういえばなんでそんなもの持ってたんだ?」
「知り合いからもらった修行本の中に入ってたでござる」
「まじか...」
「ではけふの修行に移らふ」
「おう...今日は何するんだ?」
「剣に魔力を込める」
「それで何をするの?」
「銃弾を跳ね返す。この時代には必定な技じゃ。」
「おー!確かに!ジェダイみたいに剣で跳ね返せたら
すごくいいね!」
「では教えるぞ!まず構える。しかして力を込める、
しかしてかく!」
アキナは当たり前のようにやって見せた。ものすごく
簡単そうだが難しいのだろう。
「こうして、こうして、こう!」
できた。普通にできた。セール品の剣が緑色に光り、
魔剣のようになっている。これならこの世界に出回って
いる「マジックアサルト」とか「ウィザードブラスター」
とかいろんな銃の銃弾を跳ね返せそうだ。ジェダイみたいに。
「なんでこんな簡単に出来たんだ?」
「おそらくその剣とアキトがシンクロしたでござるんで
あろう。この技は剣と己がシンクロするでござる事にそれ
ゆえにてきる主技じゃ。おそらくその剣はなんぞ特別な力が
込めらるておるとかもね」
「これセール品の剣なんだけど...」
「まあさふ申すものが特別なものでござったりするぞよ」
「まあそうだな...」
「にてはネルウィ殿に来てもらったでござるから早速銃弾
を跳ね返さふ」
「いつの間に!」
「だって殺し屋だから、気づかれずに近づくことぐらいできるよ」
「そうだった。ネルウィは殺し屋なんだった」
「にては始め!」
ネルウィがこちらに発砲してくる。というかこれ本物の銃弾だ。
当たったらどうするのだろう。ネルウィは完全に殺し屋の目をして
いる。俺は剣を振り回す。意外な事に結構跳ね返せた。ネルウィは
転がり物陰に隠れた。物陰から銃弾が飛んでくる。俺は動体視力
は良いので正確に跳ね返す事が出来た。アニメで見てから動体視力
を鍛えたのは良い思い出だ。
「やめ!」
「ふぅ...すごい跳ね返してきたね。私もこんなに跳ね返されたら
勝てる気しないよ。」
「いやそれはないだろ」
「まあよき修行に成り申した!帰ったら皆の衆にて雑談とは
いえ致さぬか?}
「そうだな!皆で盛り上がるか!」
「そうね!」
その時剣が緑色に光った気がした。俺たちは家に向かった。
セール品の剣が今後重要なものになっていくと思いますよ...うん