急展開!?
「先日の飯は美味でござった」
「そうだな。確かにあれはすごくおいしかった」
今俺は町はずれの草原でアキナに剣を教えてもらっている。
そして昨日の飯は美味しかったうまかったと言いながらやっていた。
「では剣の素振り百度と町からここまにての往復十度な」
「はあはあ、まじかよ」
「いかにも」
「いーち、にー、さーん、しー…」
「もっと早うじゃ」
「ひー、ひー、ひー」
「その調子じゃ」
「きゅーじゅはち、きゅーじゅきゅ、ひゃーく!」
「では往復十度」
「あああああああああ!」
俺は走った。辛いけど頑張るしかない。あーあの女神に体力をもっと
上げてくれと頼むべきだった。すぐ決めちゃったからな。今思えば頼む
事はたくさんあったはずなのに…。
「頑張ったさながらじゃな」
「ああ、頑張ったよ。そういえばアキナはこのぐらい大したことないのか?。
年齢は俺と同じぐらいだよな?」
「大したことはござらぬ。歳は同じじゃな」
「そうか。大したことないのか。すごいな」
「三歳の時からやっとるからな。このぐらいにてへばとはたら笑わらるる」
「そうか…俺も頑張らないと」
まさかこんなところでもっと運動しておけばよかったと思うとは思わなかった。
きっともっと運動していたらもう少しできたかもしれないと思ったが、これは明
らかにアキナの体力と俺の体力の差が分かった。運動なんか少ししかしてない俺
にとって、この訓練は地獄だった。そう、このセットを毎日10回やるからだ。
「はああああ!終わったぞ!」
「よくぞ頑張ったな」
「はあはあ、頑張ったよ」
「では次は剣の稽古するでござるか」
「はあはあ、おーけー…」
「ではこの竹を縦にて真っ二つにしろ。かのような感じに!」ザシュッ!
「うわぁ…すごい…」
竹は綺麗に真っ二つになっていた。
「かが出来ないといかがせむもならぬぞ」
「分かった。やってみる」ザッ!
「出来ておらぬ」
「これ難しすぎるだろ」
「最初なふちは困難極まるであろうな」
「だよねー」
俺はその後何回も何回も竹を斬り続けたが、全く真っ二つなんか
じゃなかった。そしてつに何百回目かでできた。
「存外に綺麗に斬れておるではござらぬか」
「そうだな。よしもう一回だ!」ザシュッ!
「その調子じゃ」
「おらおらおら!」ザシュッ!
「では次のやるか」
「おう」
「では少し待たれてくれ。目隠しをしてちょーだいな」
「お…おう」
一体何をするのだろうか。なんかいろいろ聞こえるがよく分からない。
多分何かすごい事をするのだろう。
「まふ取とはよきぞ。準備にてきたからな」
「お…おー!」
「あの草の人形たちを全員この棒きれにて叩くんじゃ」
「分かった」
「なるべく早うな」
「よーし!やってやるぜ!」
そして俺は草の人形たちを叩いて叩いて叩きまくった。アキナが
「もっと早う!無限の軍団と戦とはいるごとき感じにてやるんじゃ!」
というので前、魔物と戦った事も思い出してやった。
「よきぞ!その調子じゃ!」
「お、おう!」
「待たれよ!やめるんじゃ!」
「え…え?」
「あやしき予感がするでござる…」
「な…何言ってるんだよアキナ」
「ほら、感じぬか?このあやしき気配が」
「え…何も感じないけど」
そう言った瞬間、草むらから銃を構えた人たちが出てきた。
しかもいつの間にか囲まれている。俺は剣を構えたが、動くと
すぐに撃ち殺されそうだ。アキナも刀の柄を握ったが、刀を抜く
と危ないから抜いていないみたいだ。そして上から黒いコート
を着た人が降ってきた。
「降下成功。これより任務を開始する」
それは東国、日乃国に行く時に船が襲われた時に指揮をして
いた、ジェノサイドの将軍だった。
「お前!船を襲った奴だろ!」
「おかしい。船の乗員や応援に来た王国海軍は全員抹殺した
はずだ。生き残りであるならば殺さなければならない。総員、
この者に銃口を向け、撃ち方用意!」
「左様なことは拙者がしめない!」
「そうだ。第一の目的を忘れていた。"復讐"を達成せねば」
「よも貴様…」
「そうだ。私はあの国で黒金将軍と呼ばれていた」
「くっ!この殺人機械め!よくぞも拙者の前に参ったな!」
「私は機械。殺されても直る。このプログライン将軍は」
「また殺してほしいでござるか!」
「今度は私だ。それに、変な真似をしたらここの兵士たちが
お前を殺す。復讐は達成されなければならない」
「二度殺し致し候!」
「その目的は達成できないだろう。もういい。兵士達、目的
を達成させよ。そして目撃者も抹殺せよ。」
「アキト!こやつらをやるぞ!修行を思い出せ!」
「お…おう!」
俺は撃たれないように奴らに走っていき、斬り殺した。しかし
敵はものすごく多い。最後は撃ち殺されるだろう。
「アキト!逃げるでござるぞ!こちらにこい!」
「おう!今行くぞおお!」
俺は全力で走ってアキナの所についた。
「拙者の手を握れ!飛ぶぞ!」
「え?飛ぶ?」
「よきから早うしろ!死にたしとか!」
「分かった!」
俺は言われるがままにアキナの手を握った。
「飛翔術!」
「うわぁ!」
アキナが飛翔術!と言うと俺たちは宙に浮き、結構なスピード
で飛んだ。そしてある程度の高さで止まり、また町の方に飛んだ。
「天空を飛ぶとこころもちが良くないか?」
「う…うう」
「酔ったか」
「う…うん」
「到着したでござるぞ!」
「ふう…すごかった…」
「なれど、あやつが生きておりきとはな…かからいかがなるか」
「まあ…とりあえず…帰ろう」
「そうでござるな…退却するか。しかしてあの人どもに話さふか」