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槍使いと、黒猫。  作者: 健康


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947/2030

九百四十六話 フクロラウドの魔塔と魔族と猫獣人の強者

2022/05/28 13:32 修正

2022/05/29 11:14 修正

2022/06/02 09:27 闇の八巨星の名と台詞の下りを修正

 フクロラウドは巨人の奴隷化か使役ができる?


 魔物使い。

 調教師。

 テイマー。


 魔法絵師系の<魔霊絵師>などの戦闘職業を持つ?


 それらの戦闘職業を持つ部下がいる可能性のほうが高いかな。


 ラファエルが持つ魂王の額縁を思い出す。


 その魂王の額縁の中にはラファエルが救ったモンスターたちが棲んでいた。

 見た目は立体的なアルチンボルド風の不思議な絵柄だった。


 そんなラファエルの戦闘職業は……。

 レベッカが憧れていた魔法絵師系統の<魔拡群絵師>で、頗る優秀なモンスター蒐集家。


 モンスターや動物に幻獣を救っているから、蒐集家とは少し違うか。

 そんなラファエルのような能力を持つ存在は、少ないとは思う。


 が、相手は闇の八巨星の一人、フクロラウド・サセルエル。

 その闇の八巨星の一人が主催するサセルエル夏終闘技祭だ。


 優秀な部下も含めて、闇の勢力の中に、ラファエルと同じような能力を持つ存在はいるかもしれない。


 単にフクロラウド・サセルエルが……。

 聖櫃(アーク)や秘宝に獄星の枷ゴドローン・シャックルズのようなアイテムを持っている?

 巨人を使役しているだけかもしれないが。

 二体の巨人の拘束具と鎖には魔力が内包されていた。


 魔力豪商オプティマスなども良い例か。

 そのオプティマスが住んでいた商業魔塔ゲセラセラスの屋上は中型飛空戦船トマホーク。


 エピタフ・ソサリーズ・グリフと関係したソサリー・レジェンドボックスを持ち……。

 ミホザ星人が残したバベル卍聖櫃(アーク)を回収している冒険家でもあった。


 そう思考しながら……。


 ヴィーネに巨人のことを聞こうとしたが、そのヴィーネは先を歩く衛兵に、


「〝輝けるサセルエル〟をわたしたちは持っていないが、この通路を通って良いのだな?」

「はい、〝輝けるサセルエル〟を持つ御方の関係者ならば大丈夫です。このまま緑色の絨毯を進みます。赤色の絨毯が敷かれた幅広な通路は観客用の通路です」


 衛兵がそう語ると、皆は頷きつつ周囲を見る。

 ヴィーネは、


「承知した」

「では、こちらです」


 衛兵は丁寧にお辞儀を行うと踵を返して緑色の絨毯が敷かれた通路を進み出す。

 緑色の絨毯は壁際に続いている。


 俺たちは赤い絨毯の通路から離れるように緑色の絨毯を進んだ。


 俺たちが歩く絨毯の左右には仕切りの柵が並ぶ。


 二階、三階、四階の観客席を支えている壁際を歩く。


 観客席を支える壁と柱と梁は分厚い。

 その壁と壁の間には、上下に向かう階段もあった。


 既に地下通路と配管の中を進ませている偵察用ドローンがいる。


 すると、戦闘型デバイスの上にアクセルマギナが出現。


「マスター、銀河騎士マスター暗殺者サイバネティクスアルゴリズムに近い反応を示す者を複数探知しました」

「場所は?」

「地下空間、そして外の四つの魔塔の内部」


 地下空間か。

 外に浮く四つの魔塔は、やはり出場者用の部屋だった?


 三つの魔塔の内部には偵察用ドローンは侵入できなかった。


「外から三つの魔塔のスキャンは可能だったか」

「はい、防御フィールドが展開されていたようですが、今は緩まって外からのスキャンが通るようになりました。が、侵入はできません」

「そのまま偵察用ドローンの一部の操作を頼む」

「はい――」


 一応――。

 外に展開させている偵察用ドローンの視界を共有――。

 四つの魔塔を外から拝見。


 が、魔察眼や掌握察は偵察用ドローンを用いて使えないからな……。


 ガードナーマリオルスを出して、アクセルマギナの分析を投影させたら、より詳細なスキャン結果が分かるが、今はしない。


 直ぐに己の視界に集中した。

 壁際を進む――え?


 壁と壁の間に生きたモンスターの筋肉が筋かいとして入っていた。


「ご主人様、これは……」

「あぁ」


 ……人身御供の闘技場?


「モンスターの筋肉をスプリング代わりか?」

「生贄の儀式……魔法の触媒でしょうか」

「そうかもしれない」


 そう言いながら見上げると――。

 観客席の上部から半透明な魔線が宙空に展開されていた。形は扇状。


 観客を守る防御陣?

 それともスクリーンとか?


 そして、壁の中のモンスターの筋肉が、宙に展開されている魔線の源か?


 その二階と三階の観客席は上下左右に微妙な落差とズレがある。


 二階と三階の大半の観客たちは、そのズレのお陰で視界が保たれている造りだと分かる。


 闘技場の戦いはよく見えることだろう。


 視線を元に戻した。

 壁際を進んでいると左右の仕切りがなくなった。

 しかし、緑色の絨毯は奥へと続いている。


 ま、仕切りは必要ないか。

 誘導係の衛兵も多い。


 観客席を支える壁と柱と梁には番号が記されてある。

 観客も迷うことはないはずだ。


 階段と壁の間には、昇降機と上下左右を行き交う浮遊岩もあった。


 色つきの木札を持つ観客は、その木札を見ながら壁に記された番号を確認し、階段と浮遊岩に昇降機を利用して指定席へ移動している。


 サセルエル夏終闘技祭は人気が高い。

 闇の八巨星の一人の影響力かな。


 そのまま壁際を移動しながら周囲を見回す。


 観客席を支えている巨大な柱と梁と壁から張り出たコーベルとまぐさ石の彫刻は見事。


 日本の寺社建築の『組物』と西洋のゴシック・リヴァイヴァル建築と似ている部分もあった。


 と、後方から十字架の陽が俺たちを射す。

 十字架の陽は光神ルロディス様からのメッセージか?

 と思考しながら、己の胸元を触った。


 胸に刻まれた<光の授印>には特に反応はない。

 太陽の輝きを見ようと振り返った。


 俺たちを照らした十字架の陽は、窓硝子からの日射し。 

 単なる日射しかと思ったが、窓硝子が普通ではなかった。


 十字架のゴシック様式で、幾何学的トレーサリーの装飾には魔線の筋が走っていた。

 陽の影響を受けているのか。


 窓硝子も、白い粒と泡のような魔力光を発生させていた。


 礼拝堂を連想させる。


 フクロラウドの魔塔の内部には、美しい装飾が至る所にあった。


「ん、魔塔の内側は綺麗な遺跡みたいで天井と通路も広い」

「はい」

「あぁ」


 皆と感想を言い合いながら……。

 衛兵の後を付いていく。


 衛兵は壁をくり抜いたような造りの階段を素通りして奥へ向かう。 


 同時に、真上の偵察用ドローンの視界を意識。

 その偵察用ドローンの視界で、下を歩いている俺たちの位置を把握……。


 巨大な円筒形のフクロラウドの魔塔の右側を進んでいる。


 再び、己の双眸の視界を意識し、周囲の偵察用ドローンの視界と己の視界を見比べるように振り向いた。


「にゃ~」

「ふふ」


 相棒の猫パンチを耳朶に受けたが我慢。


 中心の闘技場付近の観客席は観客で埋まっている。

 再び振り向いた。


「ンン――」


 黒猫(ロロ)が降りた。

 ヴィーネとキサラの足に頭部をぶつけながら歩く。


「ん、ロロちゃん、ここに来る?」

「にゃ~」


 相棒はエヴァの誘いに乗らず、緑の絨毯を先に進む。

 体を少しだけ大きくしていた。


 黒猫の成猫version。

 尻尾を立たせているから、可愛いお尻の菊門さんが見えていた。


 うんちはこびりついていない。

 ちゃんとしたピンクだ。


「ふふ、可愛い」

「はい」

「太股の毛はわたしも大好きです。あ、ロロ様はわたしたちを先導している気分なのでしょうか」


 皆で和みながら進む。


 黒猫(ロロ)と衛兵を見ながら巨大な観客席を支える壁際を進むと、その衛兵が角を曲がった。


「ンン――」


 黒猫(ロロ)も先に曲がる。

 俺たちも、足早に角を曲がった――。


 そこは観客たちの間の長細い通路だった。


 天井は高い。

 ドーム球場の内部通路のような印象を抱く。


「にゃ~」


 振り返り、俺たちを見ていた相棒は、少し跳ねながら振り向き直して前を進む。

 相棒は散歩気分か。


 そして、ペルネーテの闘技場の内部もこんな感じなのかな。


 その天井の一部は観客席と融合した交差ヴォールトとリブヴォールトのような形で、お洒落だ。


 落とし格子もヴォールトの間に備わる造り。


 飛行中の偵察用ドローンを操作し、そのアーチ状の天井芸術の観察を強めた。

 異なる文化同士が融合した城のような内部模様を見ていると、レンブラントとダ・ヴィンチの絵や芸術作品を思い出す。


 絵の内部に、実は隠れた絵があったとか。

 この天井の模様にも、造り手が込めたメッセージがあるのかもしれないと考えると、非常に楽しい気分となる。


 ヴィーネたちも歩きながら見上げている。


「巨大な落とし格子があちこちにあります」

「あぁ、まるで城門だな」

「はい、もう出入り口から離れていることから、この通路を封じる目的の落とし格子でしょうか」

「ん、闇の八巨星と呼ばれているフクロラウド・サセルエルには敵が多い? その襲撃の備え?」

「あぁ、多いだろうな。が、サセルエル夏終闘技祭のような大規模な大会を行えるんだ。そんな襲撃も折り込み済みかもしれない」

「そう考えると……天井の落とし格子は、通路を塞ぐ罠。先ほど、モンスターの筋肉が利用されていたように、観客席の間の壁と梁にも……何かの罠があるように思えてきました」


 右隣にいるキサラがそう発言。


 左隣にいるヴィーネも、左手の指を左側の壁に向けつつ、


「そうですね。観客席の間の通路は中心の闘技場の大舞台に通じていることから、フクロラウドの魔塔のすべてが闘技場の大舞台なのかもしれません」


 ありえる。

 エヴァはその言葉を聞いて、ビクッと体を動かしてから、


「ん、観客全員を巻きこむ戦いもある?」

「はい。しかし、それはあまり現実的ではないですね。ふふ」


 ヴィーネは少し恥ずかしそうに己の発言を撤回した。

 が、俺は、


「分からんぞ。地下行きの階段もあったように、地下にも仕掛けがあるかもだ。そして、観客っぽい方々も、それっぽい筋の方々ばかりだった」


 黒服を着た連中はマフィアっぽい。

 巨大な鉈を背中に装着していた連中もいた。


 魔槍を手元に生み出しては消している方も赤色の絨毯を歩いていた。


 緑色の絨毯を歩く方は衛兵が多い。

 まだ出場者らしき存在は見ていないが……。


「はい。ここは敵の勢力範囲……すべての観客が各自武器を携帯している」

「衛兵の荷物チェックは、出場者用の〝輝けるサセルエル〟のみ。商人風の観客も少ない印象です」

「ん、気を付ける」


 エヴァは真剣な表情を浮かべつつ頭部を振って周囲を確認。


 その紫色の瞳が可愛い。

 体から紫色の魔力を発した。

 その<念導力>で魔導車椅子ごと体を少し浮かせる。


 俺の右肩に子猫になって戻ってきた相棒だったが「ンンン――」と鳴いてエヴァの動きに釣られた。


 肩の上で横回転を行う。


「にゃ~」


 と鳴いて動きを止めた黒猫(ロロ)さんは、俺の耳朶を前足で連続的に叩いては、


「うひゃ」


 と思わず変な声を発したように耳朶を甘噛みしてきた。

 冷たい鼻先の感触と肉球に吐息が可愛かった。


 左手の指で――。

 その荒ぶる子猫の黒猫(ロロ)の頭部を優しくなぞる。


 と、その指をペロッと舐められた。


 そのまま巨大な落とし格子がある通りを進む。


 偵察用ドローンの俯瞰視点を再び意識。


 円錐型のフクロラウドの魔塔の右側の観客席を構成しているブロックゾーンの間を進んでいる俺たちを確認。


 偵察用ドローンは便利だ。


 他の偵察用ドローンの視点に切り替えた。


 外の四つの魔塔の内部にいたらしい出場者と目される存在たちが、次々と外にある魔法陣に入り、転移するように消えていった。


 円筒形の魔塔の闘技場に向かったか?


 もう一つの地下を移動している偵察用ドローンを意識。


 俺たちが歩いている通路とは異なる通路を歩く戦闘集団の見える視界。


 戦闘集団は階段の前で動きを止めている。

 先頭のお偉いさんが戦闘集団の仲間たちに声を掛けた。


 指示を受けた戦闘集団は一斉に敬礼を行う。


 お偉いさんも敬礼を返して解く。

 戦闘集団もそれを見て敬礼を解く。

 各自、気合いを入れたようなニュアンスで声を発しているようだ。


 戦闘集団は、やはり闇ギルドだろうか。

 こなれた軍隊式の挨拶を行う戦闘集団の方々に絆があるようにも見えた。


 戦闘集団はお偉いさんから離れる。

 緑色の階段を先に下り始めた。

 その階段を下りていく少数の戦闘集団には、整列している時に指示を飛ばしていたリーダー格が多いようだ。


 皆、手練れっぽい。


 残りの戦闘集団とお偉いさんたちは、何かを語る。

 貴族を思わせる初老の男性と女性の顔色は少し悪い。


 何か理由がある?


 その戦闘集団のお偉いさんらしき男性と女性は、赤色の階段を上がり観客席に向かう。


 と、追跡者らしき存在が見えた。


 お偉いさんとの間合いを保ちながら進む。

 ただの観客にも見えるが、足取りからしてプロだろう。


 事件の匂いがプンプンだ。

 この偵察用ドローンは要注意か。


「マスター、凄腕同士が戦いを始めました」

「お?」


 アクセルマギナが操作していた偵察用ドローンの視界は――。


 地下を移動していた偵察用ドローンの内の一つ。

 壁と壁の間にある長細い通路か。


 サシで戦っているようだ。


 一人は、四つの剣を四腕で扱う魔剣師。

 長髪が揺れて、額から細い角が見え隠れしている。

 角あり魔族か?


 その角あり魔族と戦っているのは……。


 二槍流の猫獣人(アンムル)の魔槍使い。


 同じ四腕を持つ種族同士の戦い。

 両者とも、長短の差がある四腕だ。


 魔剣師は、猫獣人(アンムル)が繰り出したダブル<刺突>を四つの魔剣で弾き払う。


 と、魔剣師は前傾姿勢で反撃に出た。

 四つの魔剣の切っ先がブレにブレた。


 切っ先が蛇の如く――。

 連続の突きスキルか?


 二槍流の猫獣人(アンムル)は<魔闘術>系統を強める。<闘気霊装>かもしれない。


 猫獣人(アンムル)の上半身が僅かに退いた。


 最初の突きを鼻先に傷を受けながらも避けた。


 そのままスウェーの技術を使い、次の突きも避けた。

 更に、爪先半回転のような技術で、連続的に繰り出された突きスキルの攻撃を避け続けた。


 魔剣師は構わず四腕を迅速に振るう。

 左上腕が持つ魔剣の袈裟斬り――。

 左下腕が持つ魔剣の――水平斬り。

 右上腕が持つ魔剣の突き――。

 右下腕が持つ魔剣の逆袈裟斬り――。


 連続攻撃を猫獣人(アンムル)に仕掛けた。


 猫獣人(アンムル)は魔槍を上と下に傾けながら防御を優先し、螻蛄首と柄で連続した斬撃を防ぎきった。


 硬質な音は聞こえないが、金属音がここまで聞こえたような気がした。


 魔剣師は何かを喋ると跳躍――。

 四腕を上げ、腋を晒す。 

 最上段からの斬り落としを狙う。


 四つの魔剣が天井に触れ、傷と火花が天井に発生していた。


『チェストー!!!』


 と気合い声が聞こえたような気がした。


 二槍流の猫獣人(アンムル)は冷静に見上げた。

 振り下ろしの斬撃(唐竹割り)を防ごうと――両腕を僅かに上げて魔槍を掲げる。


 穂先はクロスさせず、魔剣と柄が衝突した箇所から激しい火花が散った。

 猫獣人(アンムル)は二つの魔槍を前後に動かし、螻蛄首と柄で四つの魔剣の攻撃を滑らせるように受けきった。


 先ほどと同じく猫獣人(アンムル)の防御は成功か。

 猫獣人(アンムル)の持つ魔槍は頑丈だ。


 しかし、魔剣師の振り下ろした四つの魔剣の斬撃は、予想以上に重い斬撃だった?


 片方の魔槍が右腕ごと下へ傾く。

 と、右上腕の前腕と肘に深い切り傷が発生し、血飛沫が発生していた。


 魔剣師は着地際、また叫ぶ。

 猫獣人(アンムル)は笑う。


 魔剣師は加速。

 右の細長い上腕と太い下腕がブレた。

 蛇のように撓る上下の右腕が握る二つの魔剣で、突きと斬撃を連続的に繰り出した。


 猫獣人(アンムル)の頭部と胸元を狙う。

 傷を受けたが、二槍流の猫獣人(アンムル)は冷静だ。


 左腕と右腕が握る魔槍を下に傾けて、待ちの姿勢となった。


 魔剣の突きと斬撃を、二つの魔槍の螻蛄首と柄で連続的に受け続けながら、最後の斬撃に向け、下から振り上げた右腕が握る魔槍の螻蛄首を衝突させて弾ききった。


 連続攻撃があっさりと防がれた魔剣師は叫ぶ。

 と、左腕を振るうフェイントを繰り出し、右腕を傾けた下段斬りから、体を捻った回し蹴りを放つ。


 猫獣人(アンムル)は傷付いた右腕を上げ、俄に魔槍の握りを変化させながら身を退き、下段斬りを避ける。すると、<魔闘術>を強めた?

 体がブレる加速から、壁に向かって跳躍。

 魔剣師の中段回し蹴りを避けた。

 そのまま壁をタタタタッと走り壁を蹴る――。


 宙空から四腕が握る魔槍を突き出した。 

 猫獣人(アンムル)の魔槍の穂先が、魔剣師の頭部に向かう。


 宙を劈く勢いの<刺突>系の攻撃を魔剣師は凝視し、防御の構えのまま、魔剣の腹と柄で<刺突>系の攻撃を防ぐ。が、勢いに押されて後退――追撃を行う猫獣人(アンムル)は魔槍を下から上へ、上から下へと連続的に上下に振るい回した。


 長柄を活かす棍棒術系統の技か。

 風槍流『顎砕き』と似たモーション。


 魔剣師は体から魔力を放出させた。

 四腕が握る四つの魔剣で、魔槍の振り回しの斬撃と柄の攻撃のすべてを往なす――。


 魔剣師は左下腕が握る魔剣で下段斬りを放つ。


 猫獣人(アンムル)は斜め下に傾けた魔槍の穂先で下段斬りの刃を防いだ。


 魔剣師は、その魔槍を左上腕の魔剣で叩き、払い退けながら、右上腕の魔剣で猫獣人(アンムル)の胸を狙う。


 猫獣人(アンムル)は半身で、魔剣の突きを反らせた姿勢で右腕が握る魔槍の柄で受けながら、流れるように反撃の左肩を突き出した。


 魔剣師の右肩に打撃を繰り出す。


 <槍組手>『左背攻』と似た技だ。


 魔剣師は打撃の衝撃で蹌踉めいて後退――。


 猫獣人(アンムル)は追いながら<刺突>系の突きを繰り出した。


 魔剣師は横に向きながら、右下腕と左下腕を上げる。


 己の脇腹を守るように魔剣を斜め上へと傾けて、<刺突>を受けた。


 魔剣師は、その魔槍の穂先を横へと流すように弾きつつ、後退を行う。


 退いた魔剣師を追う猫獣人(アンムル)はまた攻勢を強めた。


 軽く跳躍――。

 左上腕と下腕を伸ばすように魔槍を突き出した。


 俺も使うことが多いジャンピング<刺突>か――。


 その威力が高そうな<刺突>を四腕が握る四つの魔剣で受けきった魔剣師は、また後退。


 猫獣人(アンムル)は追わず。

 間合いを保つ。

 両者は、ほぼ無呼吸で動いていたが、呼吸に乱れはない。何らかのスキルか、特異な肺を持つんだろう。


 猫獣人(アンムル)の魔槍使いは、猛者らしく笑みを見せる。喉が少し膨れた?


 魔剣師の魔族は不可解そうに頭部を傾けた。

 様子を窺うように構えを変更。


 剣呑な雰囲気が流れた刹那――。

 猫獣人(アンムル)が吼えた。


 魔剣師は、咆哮をもろに浴びる。


 髪の毛が持ち上がり歪な角を晒す。

 双眸はカッと見開いていた。

 頭部の右側と片耳が歪むと、右の眼球が爆発し潰れた。


 魔剣師の頭部を覆うように血が散った。

 刹那――。


 猫獣人(アンムル)が二つの魔槍を連続的に突き出す。


 その二つの魔槍の周囲に闇の渦が発生。

 闇の渦から闇の刃が上下に迸った。


 魔剣師は頭部に傷を負ったが、まだ生きている。

 無数の魔槍が直進するような<刺突>系奥義スキルを、なんとか魔剣で弾ききり、闇の渦から出現していた闇の刃にも最初は対応したが――。


 猫獣人(アンムル)は分裂したように見えた魔槍を元の二つの魔槍に集約させながら右下腕の手を魔槍から離し、腰に差すや否や、その右下腕を下から振るった。


 右下腕の手から放たれたのは棒手裏剣。

 棒手裏剣の<投擲>には、魔剣師も対応出来ず。


 魔剣と魔剣の間を抜けた棒手裏剣が鎧を突き抜けて、腹に突き刺さる。


 刹那、闇の渦から出ている闇の刃が、魔剣師の頭部を捉えた、その上半分が切断される。

 続けて、右肩と胸元が防護服ごと斜めに斬られた。

 右の上下の腕が切断される。


 闇の渦から発生していた闇の刃で斬られまくった魔剣師は吹き飛び壁と衝突。


 猫獣人(アンムル)は追撃――。

 迅速な踏み込みから二本の魔槍を振るう。


 <双豪閃>に近いスキル――。


 猫獣人(アンムル)の鋼の魔槍が蛇の如く動くと、魔剣師の上下の左腕と体が切断された。


 魔剣師の四つの魔剣があちこちに飛ぶ。


 猫獣人(アンムル)は動きを止めず――。

 <刺突>系統の連続スキルを繰り出した。


 凄まじい連続の突き技だ。


 魔剣師の体は一瞬で蜂の巣。


 猫獣人(アンムル)は相手が吸血鬼(ヴァンパイア)だと思っているのか、既に事切れているだろう魔剣師の五臓六腑をミンチにするが如く、そのまま肉塊を貫きまくる。


 猫獣人(アンムル)の完全勝利。


 その猫獣人(アンムル)は四腕が握る二つの魔槍を回転させながら歩く。


 すると、突然振り返った。


 猫獣人(アンムル)は三つの鋭い眼光を寄越す。

 四腕が握る二つの魔槍を消した。


 足下に違う魔槍を出現させると、それを蹴った。


 蹴られた魔槍は俺に飛来。


 否、地下の斜め上、天井スレスレを飛翔していた偵察用ドローンを、魔槍が捉えた。


 一瞬で視界はブラックアウト。


 凄腕の猫獣人(アンムル)は偵察用ドローンを察知していたのか。


 魔察眼と掌握察も一流どころではなく、それ以上。

 二槍流の腕前も参考になった。


 そして、サセルエル夏終闘技祭の出場者なら強敵は確実。


 闇ギルド【ノクターの誓い】のホクバ・シャフィードなど、強かった三兄弟を思い出す。


 ほぼ同時に地下空間を調べていた他の偵察用ドローンの視界が次々と消えていく。


「あ、マスター、偵察用ドローンが――」


 アクセルマギナが指摘したように――。


 居合を扱う凄腕魔剣師、槌使い、魔銃使い、風の精霊のような存在を扱う魔法使いなどの攻撃を受けて他の偵察用ドローンは潰されてしまった。


 偵察用ドローンを潰した存在たちは……。

 フクロラウド・サセルエルの部下?

 サセルエル夏終闘技祭の出場者の可能性もあるか。


 再び己の視界を意識。

 前方には衛兵がいるが……。


「皆、地下空間の何処かで、凄腕の魔槍使いと魔剣師が戦って、猫獣人(アンムル)の魔槍使いが勝利していた。更に、地下を探索していた多くの偵察用ドローンが、様々な強者たちによって潰された」

「「「え!」」」


 クナ、エヴァ、ヴィーネ、キサラは驚く。

 相棒は遅れて、


「にゃご」


 と驚かず気合いの声を発した。

 そして、耳朶をペロッと舐められた。


 擽ったいが、ワンタンだと思ってないだろうな……。


「出場者同士の戦いに……フクロラウドの部下がご主人様の偵察用ドローンを攻撃?」

「分からないな。タイマンで戦っていた魔剣師は魔族だった。暗殺一家のチフホープ家ではないとして……闇ギルド同士の争いかな。偵察用ドローンを潰した連中も不明」

「……八指の殺し屋が潰し合った?」

「ん、下界の【血銀昆虫の街】の猛者たち?」

「フクロラウドは【テーバロンテの償い】と通じています。幹部の【魔の扉】を操るバルミュグなどが、ここにいるかもしれませんよ」

「はい。カットマギーたちが戦っている相手には、【ライランの縁】の血剣師サンガ・ガンガの兄弟がいたようですが、バルミュグの名がなかった」


 ヴィーネが下界の情報を告げた。

 クナが、


「闇の八巨星の組織と、成り上がり途中の闇ギルド組織が衝突した可能性もありますね」


 そう発言。

 頷いた。


「フクロラウドが主催する大会だからな。様々な組織の人員が関わってくる可能性が考えられる……」


【黒の預言者】。

【闇の枢軸会議】。

【闇の教団ハデス】。

【セブドラ信仰】。

【闇の八巨星】。

【星の集い】。


 フクロラウドはこれらの組織とも通じている。

 下部勢力を含めたら膨大だ。


 が、アドリアンヌの【星の集い】の本拠地象神都市レジーピックは遠い。セナアプアにはいないだろう。


 皆に向け、


「他にも怪しい行動をする存在を見つけたんだ。何か事件が起こるかもだ。否、既に起きている最中の可能性が高い。だから、改めて情報を整理しておこうか……総じて【闇の枢軸会議】の連中だと聞いていたが、それらの中核組織の【闇の八巨星】or【八巨星】と呼ばれている個人と組織の名を教えてくれ。あ、フクロラウドや【御九星集団】のキーラ・ホセライは除外していい」


 すると、皆がそれぞれアイコンタクト。

 キサラは胸元に手を当てた。

 ふりふりが付いたノースリーブ衣装が似合う。


 そのキサラが、


「【ラゼルフェン革命派】のラゼルフェン、【龍双ハボ・リゾン】のハボとリゾン、【錬金王ライバダ】と【天衣の御劔】のライバダ、【闇剣の明星ホアル・キルアスヒ】のホアルとキルアスヒ、【天日のイキラバイス】のイキラバイス、【五重塔ヴォルチノネガ】のヴォルチノネガ。以上が残りの闇の八巨星。あ、【十刻アンデファレウ】のアンデファレウは、最近名を聞きました」


 初耳が多い。


「へぇ、そいつらが闇の八巨星と呼ばれている連中か」


 ライバダの名はララーブインで争っている話に登場していた。

 【錬金王ライバダ】が大本で下部組織が【天衣の御劔】か。


 すると、ヴィーネが、


「はい。最後の【十刻アンデファレウ】は噂も少ない。【闇の八巨星】の範疇ではないはずですが、闇の八巨星の一つを潰し成り上がった前後の可能性も」

「そっか。その名は覚えておこう。そして、俺たちとすれ違いで入った戦闘集団の制服には、見覚えはないか?」

「ないですね。闇のリストでもないはず。闇の八巨星側の勢力かもしれないですが……わたしもすべてを正確に把握しているわけではありませんから」

「そうですね。闇の八巨星側の勢力も、他の都市を主軸に活動していることも多く、名だけが先行している場合も多い」

「似たような制服を着る傭兵商会は多いです」

「ん、魔傭兵商会エライドも同じような衣装を着ていた。気になるの?」

「少しな。戦闘集団のお偉いさんを狙う追跡者がいた。一応、偵察用ドローンを、そのお偉いさんに付けている状態だ」

「ん、追跡者……シュウヤの第六感のような直感は正しいから、重要かも」

「にゃ~」

「あぁ」


 皆と会話しながら見上げた。


 壁の窓から出入り口付近にいた巨人の体の一部が見えた。

 その巨人を拘束している巨大な鎖も見え隠れ。


 外を周回中の偵察用ドローンに映る巨人と、巨人が映っていない偵察用ドローンの視界が存在している。


 やはり、フクロラウドの敷地にあった巨大石灯籠の魔力が、巨人と鋼鉄の門を隠しているようだ。


 そこで、遙か北の国ロロリッザを旅した経験を持つヴィーネに、


「ヴィーネは巨人を見ているんだったな」

「はい、サイクロプス系、デミヒューマン系、ホブゴブリン・グレートなどです。外の巨人はサイクロプス系と推測しますが、巨人も多種多様ですから違うかもしれません」

「へぇ」

「サキアグル・レタンチネスの魔道具店にも、巨人の頭部が陳列されていました」


 サキアグル・レタンチネス。

 【ローグアサシン連盟】に所属している、セナアプアの豪商五指。



「ん、レベッカが見つけたサキアグルのお店は凄い店だった」

「はい。パンタグリュエルと融合した金属鳥(イザーローン)も進化を遂げた。しかし、そんなサキアグルの店に売られていた巨人も頭部のみです。この南マハハイム地方で巨人を使役しているのは珍しいです」

「ロロリッザ王国には、巨人を使役する存在はいた?」

「強者のテイマーや魔物使いの噂は、チラホラ聞いたことがありますが、実際に巨人を使役しているテイマーは見たことがなかったです。殆どが戦う相手でした」


 巨人を使役できれば攻城兵器として使えるだろうからな。


 皆と会話している間にも衛兵は先を進む。


 再び角を曲がる。

 観客席を支える壁と壁の間の通路を皆で進む。

 すると、前方に、サセルエル夏終闘技祭の出場者と目される人物と関係者が見えた。


 出場者らしき人物は人族か魔族か。

 髪の毛は銀髪でショート。

 魔獣の革鎧。

 ストラップワークのような装飾が綺麗だ。


 俺と同じぐらいの身長か。

 肩幅は俺よりもありそう。


 輝くサセルエルの短剣を軽快にジャグリングしながら歩いている。


 背中の槍帯に収まっている魔槍からして、槍使いだろう。


 歩法から武人と分かる。

 そのサセルエル夏終闘技祭の出場者らしき槍使いと衛兵は坂道を下り始めた。

 幅はかなり広い。


「地下で、サセルエル夏終闘技祭の説明が行われるのでしょうか」

「たぶんそうだろう」


 俺たちも続いた。

 巨大な柱が幾つも並ぶ地下ホールか。

 天井は中心の闘技場と通じているようで、板が多い。


 浮遊岩と魔機械の昇降機もあった。

 高い場所にはリヴウォールトと出し狭間のマチコレーションと似た部分もある。


 地下ホールの中央には人集りが出来ている。

 祭壇のような広場に見えた。


 すると、衛兵が、


「中央昇降台で、サセルエル夏終闘技祭のブリーフィングが行われる予定です。その際、〝輝けるサセルエル〟を持つ方々は、総合上闘役のキルヒス様に呼ばれますので、中央昇降台に上がってください」


 中央昇降台は大きい壇に見えるが、あれが上昇するのか。

 納得しつつ、


「そのブリーフィングが行われる直前に、出場者を乗せた中央昇降台が闘技場に上がるのですか?」

「まだです。中央昇降台が上がる時は、〝輝けるサセルエル〟を持つ方々が戦う直前です」

「ブリーフィングの際は、フクロラウド・サセルエルさんもこの場に来るのですか?」

「フクロラウド様は来ません。総合上闘役キルヒス様と他の上闘役の方々のみ」

「分かりました」

「では、わたしはここで」

「はい。ありがとうございました」


 衛兵は俺の態度を見て少しきょどってから、お辞儀をして元の道を辿るように去った。

 前方の昇降台の近くに行こうと、皆と歩いたが――。


 配管から一つの地下部屋に突入した偵察用ドローンの視界が気になった。


 三人の男に布を被された人が拷問されている?


 あ、布が取られる。

 女性かよ。

 衣服はボロボロで、顔には殴られた痕……。

 戦闘装束は、先の俺が追っていた戦闘集団と同じ。

 まさか……ここで繋がるとは。


 女性は回復能力を有しているようだ。

 だが、両腕に巨大なホッチキスのような物が嵌められて……酷いな。鋼の杭刃を腕に打ちこまれている。


 血飛沫を浴びた周囲の男たちは笑い、女性に向けて何かを聞いていた。

 女性は、血を含んだ唾を、その男たちに吐きかけている。


『閣下……』

『あぁ、助けようか』

『はい。外に出て探索を開始しますか?』

『ヘルメはまだだ』

『はい』

『妾たちで、この魔塔のすべてを破壊しようぞ!』

『そのテンションは買うが、<神剣・三叉法具サラテン>たちは、いつか使うかもだ!』

『ぐぬぬ』


 と念話をしながら足を止めた。


 それを見た皆が不思議がる。


「シュウヤ様?」

「ご主人様、中心ではもうかなりの出場者が集まっていますよ」

「何かあったのですか?」

「ん、シュウヤ、少し怒ってる?」


 顔に出ていたか。


「……あぁ、偵察用ドローンの視界にな。地下部屋で女性が拷問されている」

「なんと!」

「ん、シュウヤ、助けに行こう!」

「命を奪われていないのなら、人質でしょうか」

「ボロボロだったが、戦闘装束は、俺がマークしていた戦闘集団と同じ物だった」

「ん、シュウヤの巡り合わせは凄い」

「あぁ、問題は……」


 戦闘型デバイスを凝視。

 ホログラムのアクセルマギナは頷いて敬礼。

 その足下では、ガードナーマリオルスが外に出たいようなアピールをしていた。


 壮大な宇宙音楽が戦闘型デバイスから響いた。


「アクセルマギナ、偵察用ドローンの視界の先の場所は特定可能か?」

「はい、ここから少し離れた地下空間ですが、見つけました。このまま誘導も可能ですが、ガードナーマリオルスならば、片目のレンズからホログラムを宙空に投影しながらの誘導も可能です」

「了解。アクセルマギナとガードナーマリオルス、出ろ――」

「はい――」


 戦闘型デバイスから魔力粒子が迸った。

 その魔力粒子は近くの床に集結、アクセルマギナとガードナーマリオルスを模る。


 汎用戦闘型アクセルマギナとガードナーマリオルスが出現。アクセルマギナの体の左側は強化外骨格的なアーマーだ。


「よう、ガードナーマリオルスとアクセルマギナ」

「はい!」

「ピピピッ」

「にゃお~~~」


 双眸が黒いアクセルマギナ。

 鋼鉄の手で敬礼をするアクセルマギナは可憐だ。

 胸のマスドレッドコアは少し点滅。

 素肌に混ざる義手と義足もいい。

 黒い繊維質のスカートも魅力的。


 ガードナーマリオルスは丸い胴体を急回転させて、俺の回りを一周している。黒猫(ロロ)が追い掛けていた。


 可愛い。


「ん、シュウヤ、わたしも行く」

「あぁ」

「ご主人様、わたしは、中央の出場者が集まっている場所に向かいます。総合上闘役キルヒスが行うブリーフィングに参加し、ご主人様の状況を少し誤魔化しつつ説明をしようかと」

「頼む」

「わたしもヴィーネと共にブリーフィングに参加しますわ」

「では、わたしも」

「分かった。〝輝けるサセルエル〟を預けておいたほうがいいかな」

「それは、ご主人様が持っているべきかと。その短剣を持っている人物が、強引に出場者と認識される可能性があります」


 ヴィーネがそう指摘。

 エヴァとクナは頷いた。

 キサラは少し考えてから、頷く。


「そうだな……では、女性の下に案内を頼む、アクセルマギナとガードナーマリオルス」

「はい、では、ガードナーマリオルス、救出作戦プランBの開始です!」

「ピピピッ」


 ガードナーマリオルスの頭部から目を意味するカメラレンズが出ると動き出した。

 アクセルマギナも続く。

 エヴァと相棒とアイコンタクト。


「ん!」

「にゃごぉ~」


 アクセルマギナの後を追うように走り出した。

 ガードナーマリオルスの前方が怪しく煌めく。

 ホログラムの準備中か?

 偵察用ドローンの映像はまだ投影されない。


続きは明日を予定。

HJノベルス様から最新刊「槍使いと、黒猫。18」が6月発売予定。

コミックファイア様からコミック「槍使いと、黒猫。1~3」発売中。


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[気になる点] 偵察用ドローン壊されるてるが、自動的に生産されるのかな? 「中央昇降台で、サセルエル夏終闘技祭のブリーフィングが行われる予定です。」 「そのブリーフィングが行われる直前に、出場者を乗…
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