四百八十四話 予期せぬ再会
ヴィーネを見てから振り返り、
「さっきもいったが、まずは俺が見て判断する。血文字か声で連絡する」
そう発言すると、相棒の長い尻尾が俺の足に絡まった。
「分かってるよ。お前も一緒だ。ロロも少し遅れて付いてこい」
「にゃ!」
「はい、ご主人様、皆のためですね」
「頼むわよ。一人は皆のために、皆は一人のために。なんだからね」
「分かりました」
「了解した。ミスティの講師のような言葉に同意だ。俺も斧を持ってすぐに下りる準備をしておこう」
皆の言葉と表情を確認してから左目に宿るヘルメに、
『――<精霊珠想>から<仙丹法・鯰想>を発動だ』
『はいッ――』
にゅるっと音を立てた液体ヘルメは左目から飛び出た。
<精霊珠想>である形容しがたい液体状のヘルメは変化しながらナマズ防御を一瞬で作り上げる。
仙魔術だが鯰の<導想魔手>って感じか。
<精霊珠想>と繋がる、その鯰の内側はターコイズブルーが基調な不思議な幻想世界だ。神秘に溢れる<仙丹法・鯰想>の体内から闇色の泡がぶくぶくと湧いて出ると湧いた闇色の泡は瞑った片目を模った。その瞑っている目は群青色に変化しパッと見開いた瞬間――。
見開いた目から箱船に乗った妖精風の姿を持つヴェニューたちが出現した。後光のようなターコイズブルーとナイルブルーの放射が眩い。
<仙魔術>はナマズをモチーフとした防御層だと分かるが、その内側が凄いことになっている。
見開いた片目を縁取っていた闇の泡は消失している。
元気よく出現したヴェニューたちは、鯛、釣り竿、打ち出の小槌、宝棒、宝塔、琵琶の楽器、宝珠と巻物が括り付いた杖、桃と団扇、笑顔の仮面のようなアイテムを持っている。
まさに七福神が持っているような物だ。
俺は鍛冶屋風の衣裳を着ているヴェニューたちを注視した。
数が少ない鍛冶屋風のヴェニューたちは打ち出の小槌を揮い合っている?
彼女たちが叩いているのは折れた魔槍。
ヘルメが回収したカルードが折ったレジーの魔槍だ。
左目に宿った状態のヘルメも試すように持っていたこともあった。
だとしたら妖精というか七福神のようなアイテムを持つヴェニューたちは折れた魔槍を元に二つの新しい短槍でも作る気なのか?
俺の血をストックできるヘルメだが……。
精神世界のような場所にアイテムを格納できるとはな。
……常闇の水精霊ヘルメ。
お前はどこまで進化しているんだ。
と、感心しているゼロコンマ数秒の間にも、折れた魔槍を鍛えていく鍛冶屋風ヴェニューっ娘たち。
打ち出の小槌が衝突する度に、様々な物が盛大な火花となって散っていた。
そんな火花の中で目立つのは……。
ターコイズブルー色とナイルブルー色の太杭とフランベルジュ。
植物系の武器か?
あの太杭とフランベルジュは前に吸い込んだモノかもしれない。
他にも半透明色の触手のような手もあった。
そんな火花を散らすヴェニューたちを乗せた箱船は煌びやかな液体世界を進む。更に見たことのないデボンチッチたちも現れた。
象のような動物姿のデボンチッチ。
電子殻のようなモノを周囲に漂わせている痩躯なデボンチッチの僧侶。
智慧の環のようなモノを頭部にかぶった異質な大柄デボンチッチ。
極めて小さい姿の鬼仮面をかぶるデボンチッチたち。
悪夢の女神ヴァーミナの側で踊っていた者たちに近いか。
それら集団が宙を練り歩き踊り出す。
躍動を始めた異質なデボンチッチたちは、祭りだ、祭りだ、という勢いで宙空を闊歩していった。 箱船に乗っている魔槍を加工していないヴェニューのような妖精たちは笑っている。
と、思ったのもつかの間、流星のような煌めきが視界の一部に流れていった。その流星効果の一瞬でヴェニューたちは消える。
その代わり、水のフィルターが掛かったような美しい色合いに変化した。それでいて別に見にくいわけじゃない、視界は良好だ。
『妾のことを出してくれ』
左手に棲むサラテンが思念を飛ばしてきた。
今こそ、<魔鯛>効果が必要な時でもあるが……。
サラテンは外に出ていないし、下の存在は敵かもしれないから準備はしておくか。
『ヘルメ、サラテンが外に出たいようだ。ヴェニューの<魔鯛>を解除してくれ』
『はい、<魔鯛>解除!』
<精霊珠想>と<仙丹法・鯰想>の効果でいまいち、わかりにくいが……。
<魔鯛>という効果が失われたのかと分かった。
その直後、サラテンが『ぬほほほーん』と嬉しい思念波を飛ばしてきた。
そんなサラテンを少し操作。
左手の掌にある傷のような運命線が開く。
『でかした、器よ! 褒めてつかわす――』
掌から、調子に乗った神剣サラテンの切っ先が出る。
すぐにその神剣を操作し、内部に引っ込めたが。
『がーん、使わんのかい!』
と、ツッコミがきたが無視だ。
俺は<仙丹法・鯰想>と<精霊珠想>を意識する。
この攻防一体の仙魔術はかなり強力だ
同時に指状態だったイモリザに第三の腕に移行できるように右肘辺り備えて貰った。
「仙魔術の一端の技。やはり大地底湖アドバーンの主のようですね。素晴らしい……」
<仙丹法・鯰想>を見たヴィーネが興奮していた。
ナマズはロターゼにも少し似ているが……。
そのヴィーネから何回も聞いている大地底湖アドバーンの主をいつか見てみたい。
と、ヴィーネと見つめあっていると、近寄ってきたミスティが、そのヴィーネに「ヴィーネ、近づきすぎよ、気持ちは分かるけど」と指摘していた。
俺はそんな<筆頭従者長>同士の些細なやりとりを見ながら微笑む。
そして、頷いた。
彼女たちも、俺のことを信頼しているように頷いてきた。
遅れて来たハンカイとデルハウトは武器を持ちながらも、黙っている。
俺は踵を返し再び地下扉を見た。
尻尾で、俺の足を叩き続けていた相棒は、開かれた床の扉近くに居る。
そのロロディーヌは、黒猫の姿からむくむくといったように黒豹へと姿をチェンジした。
山猫ではない黒豹だ。
両前足を前方に伸ばして、背筋を伸ばしている。
俺の足から離れた尻尾は少し立っていた。
やや好奇心が増している状態か。
俺は魔槍杖を右手に移して、一端、その魔槍杖を消去する。
左手で月狼環ノ槍の柄を握り直す。
その際、月狼環ノ槍の穂先の上部に備わる金属の環たちが鳴った。
九環刀のような金属の環たち……。
ホワインさんの傷を止めたようにも見えたが、呪いを与えた金属の環。
ま、金属の環だが幻狼のようなモノか。
環が揺れ擦れた金属の音は小さいが……。
あるスキルを試すため、今はここに置く。
金属製の開いた扉の外に、大刀の穂先をさし向ける。
そのまま、その床に向けて左手を揮い、月狼環ノ槍を<投擲>した――。
月狼環ノ槍の穂先が研究室の床に突き刺さる。
月の形をした柄頭が上下に揺れていた。
月狼環ノ槍は、ひとまず、ここに置いていく。
俺は腰を捻り<夜目>発動――。
続いて<無影歩>を意識した。
ステルス性能が飛躍的に向上するスキル。
伝説のアサシンクリード一家の長マクスオブフェルトが開発したらしいが。
ま、このスキルはお試しだ。
下の魔力の存在は、この金属製の扉が開いた時点で俺たちに気付いたはずだからな。
音もそうだが研究室の明るさだって下から見ればかなり目立つだろう。
ずっと薄暗い場所だったのならば、なおのことだ。
下から見上げれば、太陽でも見ているように感じるかもしれない。
だから、隠れる必要もないしバレバレな行動だと思うが……。
そう考えたところで――。
念のために<鎖>を出す用意をしつつ、最初の地下の階段へと片足を向け下りる。
階段の感触は固い――崩れなかった。
階段が崩れて間抜けな声を上げながら『あぁぁ~』と落ちたりはしない。
一応<鎖>を前方へ伸ばす。
階段の先と暗闇の宙をチェックした。
――何も起きず。
階段から魔力を若干……感じるが罠のようなモノはなさそうだ。
左手首から伸びた<鎖>を消去。
そして、爪先に重心を込め……落ちた煙草の火でも靴裏で消すように……。
固い階段の表面を踏みつけていく。
――見た目通り。
岩か鋼のような素材でできているようだ。
これなら階段の上に複数人が乗っても崩れることはないだろう。
この階段の間の匂いは無臭……下から吹きあがる風もなし。
<無影歩>中の俺の行動を見ていた黒豹も足下に来る。
体勢を低くしている相棒だ。
この相棒ロロディーヌにも、俺の<無影歩>効果は出ているようだ。
黒豹も魔力を操作して外に魔力を出していないだけかもしれないが。
逆に黒豹としての生物が持つ本来の魔力が見えない。
だから魔察眼に優れた者が、今の黒豹を見たら怪しむだろうな。
その相棒は長い尻尾を俺の右足に絡めながらも階段の端に両前足を置いて頭部を下へと傾けて、興味しんしんといったように下を見ている。
地下の光源は端に浮かぶぼんやりと光る魔法の文字だけだ。
だが、相棒は神獣。
井戸の底がロロディーヌには見えているのかもしれない。
俺には井戸の底が冥界の入り口にしか見えないが。
そんな思いで階段の端に居る相棒の頭部を撫でた。
撫でられた黒豹は長い耳を内側に傾けて俺の手の甲をさすってくる。
相棒の耳毛の柔らかさと可愛いさを感じながら、
「んじゃ先に行くぞ」
と、黒豹にいうと、
「ンン――」
と、鳴いて、長い耳ごと頭部を左右に揺らす。
頭部で『了解にゃ~』と意志を伝えてくるように俺の手を退かして見上げてくる。
虹彩の紅色は少ない。
真ん丸い黒色の瞳ちゃんだ。
つぶらな黒色の瞳は光を最大限に集めようと散大している。
そんな黒瞳をゆっくりと閉じて開けていくロロディーヌ。
首も上下させてきた。
俺も『相棒、頼むぞ』と意志を込めてアイコンタクト。
信頼する相棒に微笑みを向けながら体内の魔力を操作した。
<無影歩>使う――。
無音状態を維持して慎重に階段を下りていく……。
下から風はないが肌寒くなってきた。
湿気も増える、洞窟と似た雰囲気か。
下りていくと、横の壁は烏貝で構成したような壁となり、ひび割れた箇所が増えてきた。
その壁の溝から見たことのない小さいムカデ系の蟲たちが現れる。
同じ壁に生えたカビを食べていくムカデたち。
すると、足下に居た相棒が壁を叩いた。
壁を這っていた数匹のムカデを階段に落として、そのムカデの臭いを嗅ぐと噛み付く。
ムカデを食べてしまった。
ムカデは甲羅のようなモノを備えていたが、黒豹は鋭い牙を生かすように、コチコチと音を立て食べていく。
相棒は神獣だが……やはり猫科の動物。
頼りになるが獣の修正には抗えないようだ。
夢中になって食べている黒豹の邪魔はしない。
後で来るだろう。
――階段を下りた。
横壁には、もう上の壁にあったような浮き彫りはない。
朽ちた臭いも強まった……。
同時に虫除けスプレーのようなニオイもあるが……。
疑問に思いながら階段を下りていく。
すると、底から振動波が伝わってきた。
岩と壁から砂礫が落ちて埃が舞う……。
ボイラーの音か、船の汽笛を不気味に変化させたような地獄を感じさせる反響音が響いてきた。
底冷えする寒さも感じる。
そして、底らしきところが見えてきた――。
……着いたか。
やはり浅い――上の光は予想通り目立つ。
蜘蛛の糸が下りてくる?
毎回だが、カンダタ気分を味わう。
と、内壁の作りと下りてきた階段と、その階段の上で、カルタ遊びでもするように、ムカデに対してパンチを連続で当てながら興奮している黒豹を見てから視線を下げた。
底は、灰色というか灰銀色の靄と砂礫で視界がすこぶる悪い。
沼地を覆う朝霧のようにも見える……。
魔界のような雰囲気がある地下空間だ。
まずは、安全を確認しよう。本当に沼かもしれない。
そんな沼のような底に<鎖>を射出する。
俺の行動に倣うように<仙丹法・鯰想>の鯰を模っているヘルメも半透明な腕たちを底へ伸ばした――。
先に、俺が放った<鎖>の先端が地面に突き刺さる――。
突き刺さった<鎖>の先端は靄で見えないが、先端の感触は柔らかい。
少し遅れて、ヘルメの半透明な腕たちが靄の中に突入した。
ヘルメは仙魔術の鯰の周囲から幾重にも連なった蛇のような氷礫を発生させては、次々と地面に向けて、その氷礫を発射した。
先に放った自身の半透明な腕たちはその反動で散っていく。
銀を帯びた灰色の靄は揺らいでいくが、ヘルメの攻撃も地面に突き刺さっているだけだろう。
沼でも岩でもない整備された床でもない柔らかい土だと思うしな。
本当に枯れた井戸の底だったりして……。
ま、最悪、足を取り込まれても切断して逃げればいい。
斜め下に伸びている<鎖>を手首の因子マークへと引き込む――。
と、同時に跳躍し――その霧を消すように着地した。
ブーツが底を衝く。
何も起きず。やはり、ただの土か。
と、思ったが、前方の奥の暗闇が妖しく灯った――。
蝋燭の火影にも見えたモノは人型……。
警戒した<仙丹法・鯰想>のヘルメも形を微妙に変える。
ナマズは盾を彷彿するように拡大し、俺の左側の防御を固めた。
「……魔力を断つ手練れ? だれよ……」
奥から響く声。
一瞬、背筋がゾクッとした。
胸が騒ぐ……鳥肌が立ったかもしれない。
言葉は異質、人族の言葉ではない。
抑揚のない声だった。
どこか聞いたことのある声音だが……魔族系の言葉。
人族に近いニュアンスだが理解はできた。
アーカムネリス聖王国で戦ったグリズベルが喋っていた魔族言語とは違う。
『ガジッ、ドライ、ラマジャッズ、アァ! (あの、槍使いっ、我がっ、仕留めるっ!!)』
グリズベルこと、ケンタウロス擬きが喋っていた言語は<翻訳即是>がそう翻訳していた。
そんな過去の言語を思い出していると……。
突然、おぞましい気配を感じ取ると同時に、山吹鉄砲の音が響く。
さらに、何かのわななく声を帯同した突風が、奥から吹き付けてきた――。
風は灰銀色の靄を巻き込みながら大波のごとく膨張する。
念のため<鎖>で盾を形成するが、間に合わない。
が、俺は<仙丹法・鯰想>を展開中――。
靄を孕んだ風は拡大した鯰の<仙丹法・鯰想>が防いでくれた。
『ヘルメ、ナイスだ』
と思念で褒めるが、<仙丹法・鯰想>で忙しいヘルメは答えることはできない。
ただ、鯰の後部、お尻らしい部分が輝く。
……ヘルメらしい。
粘着質を感じた風は靄や埃を巻き込みながら渦を巻く――。
そのままナマズの形をした<仙丹法・鯰想>を操作した……。
<精霊珠想>として俺の体をナマズが覆っていく。
――瞬時に、薄い液体が全身を包む。
これはこれで、ヴェニューの<魔鯛>効果にも見える。
だが、元はナマズの液体。
微妙に俺を包む魔力の層は<魔鯛>と違って太いか。
ヘルメに体を洗ってもらう感覚に近いかな。
肝心の靄を孕んだ勢いのある風は、周囲の魔力をも吸い取りつつ渦を巻いて風船が萎むように奥へと退き戻っていった。
一瞬、その奥へと戻りゆく風の勢いに、身を引っ張られるような感覚を味わったが――。
俺は魔力を吸われていない。
突風にそこまでの吸引力はないようだ。
一方で、急いで作った<鎖>で形成した簡易盾は揺れていく。
一応、その<鎖>の盾を消去した。
風が完全に奥へと引き込むと、周囲の靄は消えた。
奥を見ながら……。
俺を包んでいた<仙丹法・鯰想>を意識。
瞬時に<仙丹法・鯰想>は鯰想となって俺の左側に展開する。
この鯰想さん。
<導想魔手>にも似ているが……仙魔獣とも呼ぶべきか?
と、そんな<仙丹法・鯰想>越しに奥を注視した。
奥は薄らぼんやりとした光景だ。
その奥にぼんやりとした人型が見えた。
同時に、俺は鼻の奥の襞から……懐かしい揮発性のいい匂いを感じ取る。
その匂いは一瞬だったが……。
不思議だ。称号の効果だろうか。
しかし、匂いより、奥の人型の方が気になる。
今の風を生み出した張本人だろう。
魔力を身に纏う者だ。魔族かもしれない。
その奥に向けて少し勇気だして足を前に出す……。
魔槍杖と神槍はまだ出さない。
地面の柔らかい土と散乱した骨を踏み砕きながら近付いていくと……。
拘束具に囚われていた者が見えた。
しかも女性だ。魔人と思うが……。
<仙丹法・鯰想>のナマズのヘルメが奮えた。
だが、攻撃はまだしない。
奥の壁に刻まれた巨大魔法陣に縫われている。
十字架にかけられたイエスとは違うが、そのように両手両足が伸ばされた状態で壁にぶら下がっている。
腕と足と体が、金属製の細かな拘束具群によって惨たらしく囚われている状態だ。
垂れている長髪によって頭部が隠れている。
不思議とその長髪は、黄金の絹のような輝きを発していた。
細かい拘束具に全身が囚われているが着ている服は見えている。
肌と密着した藍色とカーボン系が混じった魔術師系か戦闘用の服を着ていた。
首とデコルテは長い金髪で見えない。
だが、胸元は見えていた。
長髪は、丁度よく巨乳によって髪の毛が腋の方に流れている。
白い肌の乳房は大きく、悩ましい血管が薄く浮き出て見えていた。
魅力的なおっぱいだ。
腹と脇腹は魔族らしい荒い質感を持つコスチューム系の肌が露出している。
ハンカイのように細かい拘束具が突き刺さっていた。
下半身はミニなタイトスカート。
白い太股にまである破れて汚れているハイソックス……。
黄色いヒールが欠けた靴。
その囚われている女性は伏せていた頭部をおもむろに上げた……。
双眸は拘束具系の金属が突き刺さっていた。
右下に黶が……。
――え? クナ?
「あら、誰かと思ったら……目が見えなくても分かるわ……」
側頭部に金属が突き刺さっている双眸は惨いことになっている。
「えっと……クナ?」
「そうよ。シュウヤ、ひさしぶりね」
笑窪……クナか。
潰れた双眸じゃないが、目を疑う。
驚いた、まさに……「予期せぬ再会」というやつだよ。
続きは土曜日です。
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