二千百十話 『サロン・ド・ヴェレゾン』と黒猫の甘えるひととき
魔塔ゲルハットに戻り、ペグワースとシウたちから、『すべての戦神たち』の進捗具合を聞いていく。
ナミとリツたちとも合流。
そして、昨晩の内に、砂城タータイムは庭に展開している。
フクナガとディーたちは、塔烈中立都市セナアプアだからこそ入手できる食材探しに、クレインとフーとベネットを護衛に様々な店巡りに向かった。
ザガとボンは鍛冶屋として白銀魔連二式皇高炉ラメゲゲに移動し、ここで作ることができる素材作りの溜めおきをしたいようだ。
レベッカたちはペレランドラたちといる上院議員の事務所に移動した。
そんなこんなで次の日の朝。
ヘルメ以外の皆は、ペントハウス内で休んでいる。
その外の屋上でヘルメと模擬戦を行っていた。
旭日を感じながら、ヘルメの十八番である《氷槍》の連射と、<月華言理>と<月理ノ精霊魔法>を複合した<精霊術>による攻撃を頼み、その猛攻を掻いくぐりながらの接近を試みるという訓練――。
今も横に移動し、《氷槍》を避け、前転するように、ヘルメの周囲に浮かぶ月の紋様から飛来する液体状の魔刃を神槍ガンジスと魔槍杖バルドークで弾いていく。液体状の魔刃を防ぎ斬るたびに神槍ガンジスの神魔石の輝きが強まって穂先の方天画戟と似た双月刃から水玉模様の魔力と三日月状の魔力が放出されていく。
柄のルーン文字のような模様に、水神アクレシス様と双月神ウリオウ様、双月神ウラニリ様の魔力を意味する模様も追加され光を帯びていく。
ヘルメの十八番の《氷槍》を弾きながら――滑るようにヘルメに近付いて魔槍杖バルドークを放り、「え!」ヘルメが魔槍杖バルドークに氣を取られている間に<雷炎縮地>――。
シンプルに神槍ガンジスで<龍豪閃>――。
ヘルメの左腕の平三角の直槍を弾き、返す神槍ガンジスの双月刃の<豪閃>でヘルメの体を吹き飛ばすように斬ると、「きゃァ」とヘルメの体は液体状に散ったが、宙空に集まって元通りのヘルメとなって着地。
俺も着地した。
「閣下、お見事です、また一本取られてしまった」
「おう、ヘルメもがんばったからこそだ」
「はい」
すると、
「シュウヤ――」
と、ペントハウスからレベッカが現れた。
「おはよう」
「うん、おはよう~今日は、昨日言ってた通り!お洒落で美味しいカフェに行く日よ! お店もペレランドラを通して予約済み!」
「おう、了解した。皆が起きてきたら行こう」
「うん!」
その後、ペントハウスに戻り、キッチンにて相棒用の朝飯を作り、俺とレベッカと起きてきたヴィーネたちにも朝飯を作ってから、休憩後――。
皆で魔塔ゲルハットを降りて、セナアプア上界の中心部、エセル大広場へと足を運んだ。
森林もあるが、セントラルパークのように広大な公園地帯。手入れの行き届いた美しい芝生が広がり、土の道も馬車と小型飛空艇用も整備され、池もある。屋台が並ぶ道もあれば、組み立て式住居のテントも並ぶ。
地続きでスケートのような遊びを行うスロープがある。遠くには【カルタサーカス団】や【ミスダットサーカス旅団】のものと思われる巨大でカラフルなテントが設営されていた。闘技場もある。
「【テンセプリオン大商会】の印の馬車と誘導係の方がちらほらといますね」
「興業闘技場の大会〝エセルセナアプア杯〟があるんでしょう」
ユイたちがそんなことを語りながら進む。
ここは殺伐とした空氣とは無縁だ。
平和で華やかな場所。だが、前は、血長耳とネドー一派の争いの場にもなったことがある。
子供たちがボールを蹴りサッカーと似た遊びをしている広場もある。空の一角では、バスケ、アイスホッケー、アメフト、サッカーと似たスポーツを合わせた新種の空魔法士隊スポーツの『リゼッチドロウズボウル』も行われていた。
視線を戻すと、大道芸人たちが炎や水を使った手品を披露し、行き交う人々から歓声と拍手が上がっている。
レベッカが先導し、皆と普通に歩きで進むと、
「ここよ~。『サロン・ド・ヴェレゾン』! ネーグルルの魔樹液で有名な店も近くにあるけど、そことはまた異なる最新のオシャンティーの店!」
レベッカの言う通り、看板もお洒落だ。
店の方々が、「「いらっしゃいませ!」」と一斉に、丁寧に挨拶をしてくれた。
事前に予約したってのは本当か。
広場を見渡せるお洒落なオープンカフェのテラス席に案内された。
心地よい風が吹き抜ける空間には、日差しを遮るための上品なパラソルがいくつも並べられている。
と、上には――。
<隻眼修羅>を働かせるまでもなく、そのパラソルの更に上空が微細な『魔力の霧』によって巧妙に偽装されていることに氣付いた。
ヴィーネやエヴァたちも視線を上に向け、無言で頷き合っているが、今はあえて触れないでおく。
カフェのテラス席は、俺たちの人数に合わせて幾つかのグループに分かれた。
奥のソファー席では、お忍びで息抜きに合流したシャルドネとキーキが何やら珍しい小道具を調べながら、ゆっくりと休んでいた。
少し離れた円卓の椅子には、ユイとレザライサ、メル、アドリアンヌ、ホワイン、アドゥムブラリ、サザーが座ってくつろいでいる。
レザライサは、魔煙草を口に咥えてジッポのような点火器からサッとした動きで魔煙草に火を付けていた。己の白銀の魔力で、周囲に煙がいかないように配慮しているのが彼女らしい。
サザーは、弁当箱に水筒などを出して、遠足にきた子供のような可愛らしい様子だ。
俺が座るメインの長机には、いつものメンバーに加えて、雷炎槍流シュリ師匠、ビーサ、ミスティとヴェロニカ、クレイン、ファーミリア、沙、羅、貂たちも一緒に腰を下ろしている。
シュリ師匠が嬉しそうにメニューを覗き込み、ミスティとヴェロニカ、クレインが和やかに談笑し、ファーミリアや沙たちもほっとした表情でくつろいでいた。
席に着くと、愛想の良い女性店員が笑顔で注文を取りにきた。
「いらっしゃいませ! 大人数でのご予約! ありがとうございます。これがメニューです――」
と、大きいメニューを皆に配って、他のウェイトレスが、お水とナイフとフォークを机に置いていく。
レベッカが、メニューを見て、
「新作のホグロール! 店員さん、この新作はどんなフルーツが使われているの?」
と聞いていた。
メニューには『新作のホグロール』の他にも、『ポインナッツ風味のフルーツタルト』や『霊匤ノ甘口サンサティ』といった気になる名前が並んでいる。
レベッカの問いを聞いた女性店員は、パァッと顔を輝かせた。
「ふふ、よくぞ聞いてくださいました! 実は私、このカフェの店主でありパティシエのミラベルと申します。この新作ホグロールは、私の自信作なんです!」
へぇ~店主だったか。
ミラベルと名乗った店主は誇らしげに胸を張る。
「生地には魔力をたっぷり含んだ上質な小麦を使い、中にはラドフォード帝国の『サウススター』の濃厚な甘みと、『サイカの果実』の爽やかな酸味を合わせています。そして、何よりこだわっているのが、生地と特製生クリームに使っている『卵』と『塩』なんです!」
「卵と塩?」
「はい。本来は南の海洋でしか獲れない『海麗鳥アービス』という特殊な鳥の卵を使用しています。それに、甘みを引き立てるための微細な塩が不可欠なのですが……」
南の海洋でしか獲れない鳥の卵?
鮮度の問題もあるはずだが。
「……南の海洋の鳥の卵を、どうやって鮮度を保ってセナアプアまで運んでるんだ?」
「それが、運んでいるわけではないんです。実は、このセナアプアの上界に浮かぶ浮遊岩で、アービスの飼育と繁殖に成功した大商会がありまして。その商会のパトロン様が、他でもないペレランドラ様なのです」
ペレランドラだと?
レベッカたちはウィンクをしている。
俺に内緒にしていたか。エヴァは微笑む。可愛い。
ミラベル店主は、
「ペレランドラ様が出資する商会が、ある『泡の浮遊岩』の塩の精製所を稼働させておりまして。その精製所で採れる特殊な塩と、塩分を含んだ海風に似た環境が、アービスの飼育に奇跡的に合致したそうなんです。おかげで、このセナアプアにいながら、極上の卵と塩を使った生クリームを作ることができるようになりました」
興奮気味に説明してくれた。
泡の浮遊岩。塩の精製所。
――間違いない。俺が所有する〝泡の浮遊岩〟のことだ。
かつてペレランドラが『泡の浮遊岩の塩の精製所は、子飼いの商会に精製させ、下界の私の商会で商売させています』と報告してくれていたが……。
まさか塩の精製だけでなく、南洋の鳥の飼育まで成功させ、こんなお洒落なカフェの極上スイーツの素材にまでなっていたとは。ペレランドラの手腕には恐れ入る。
「……なるほどな。その『泡の浮遊岩』の所有者は、俺なんだが」
「えっ……!?」
ミラベル店主が目を見開き、手元のメニューを取り落としそうになる。
「ペ、ペレランドラ様からのご紹介というだけでも恐縮しておりましたが……まさか、貴方様がその浮遊岩の真のオーナー様でしたか! あぁっ、なんと神々しい……!」
店主の態度は更に一段階跳ね上がり、最敬礼で深々と頭を下げた。
「そうなのよ! シュウヤの浮遊岩からできたスイーツ!」
「皆、知ってたのかな」
エヴァは唇から少しだけ舌を出す。
嘘がつけない可愛い。
「ん、昨日知った」
レベッカとエヴァは頷き合う。どうせレベッカが『シュウヤにはまだ言わないで』とか言ってたんだろうな。
ヴィーネなら俺に言いそうだが、ヴィーネも、苦笑し、
「はい、あ、最新作については知りませんでした」
と黙っていたらしい。ふーんと、わざとらしくいじけると、ヴィーネは微笑んで、俺の右手の甲に手を優しく載せてくれた。愛がある。と、そのヴィーネの右手を退かすようにレベッカ、エヴァ、ミスティ、クナ、黒猫も載せてくるから面白い。黒猫は遊んでいるだけかな。
「――ふふ、私も、結構前から泡の浮遊岩関係で事業が進んでいるとは聞いていた」
「はい、ペレランドラの商売については結構相談に乗っていました。魔界入りしてからはあまり連絡はしていませんでしが」
皆の言葉に頷いた。
「そう、新作に成功したのは、わたしも最近よ。だから楽しみにしていたってわけ! ということでホグロールにします~」
「ん、わたしもホグロールにする。あと、ポインナッツ風味のフルーツタルトも」
「エヴァ、二つも食べるの?」
「甘いものは別腹」
「ふふ、ではわたしは霊匤ノ甘口サンサティと、タルトをいただきましょうか」
ヴィーネやユイ、キサラ、ミスティたちも次々と注文を決めていく。
俺はミラベル店主を見て、
「では、俺もホグロールと、サイカの果実水を頼む。あと、そこのロロには、天然の水……いや、ミルクは、地味に猫の肝臓には、よくないんだが、ま、神獣だからミルクでもおkかな」
「にゃおぉ~」
相棒も同意するように鳴いてくれた。
「か、かしこまりました! オーナー様に恥じぬよう、持てる技術のすべてを注ぎ込んでご用意いたします!」
ミラベル店主は感激の面持ちで厨房へと戻っていった。
やがて、テーブルに乗り切らないほどの豪勢なスイーツが運ばれてきた。
ホグロールの断面からは、黄色、オレンジといったフルーツの鮮やかな色が宝石のように覗き、純白の特製生クリームがたっぷりと詰まっている。
「いただきまーす!」
レベッカが真っ先にホグロールをフォークで切り分け、口に運ぶ。直後、彼女の蒼い瞳が見開かれた。
「んんっ! 生地がフワッフワ! 塩味の効いた生クリームの中でフルーツの魔力が弾けて……すっごく美味しい!」
「ん……甘くて、とろける。シュウヤも一口食べる?」
エヴァが、スプーンで掬ったタルトを俺の口元へ差し出してきた。
パクッと咥えると、ポインナッツの香ばしさとフルーツの甘味が口いっぱいに広がる。
俺もホグロールを口に運んだ――。
泡の浮遊岩の塩が、卵の濃厚なコクとフルーツの甘さを極限まで引き立てている。
うまし……。
「……おう! 美味い! ミラベル店主、素晴らしい腕前だ。……あそこの盾みたいな赤い屋根の店、ネーグルルの魔樹液を売ってる菓子店も有名だが、ここのスイーツも負けてないな」
サイカの果実水を飲みながら褒めると、様子を見に来ていたミラベル店主はパァッと顔を輝かせた。
「ありがとうございます! オーナー様のお口に合って何よりです。……皆様のような素晴らしいお客様には、当店の『本当の姿』をお見せしましょう!」
店主が指を鳴らし、魔力を解放する。
刹那、頭上を覆っていた魔力の霧が晴れ、パラソルが静かに折り畳まれていく。
「「「わぁ……!」」」
レベッカやヴィーネたちが感嘆の声を上げた。
霧が晴れた頭上には、ただの樹木ではなく、見事な葡萄棚が広がっていた。
そこには『ヴェレゾン』――色づきが美しくグラデーションを描く野ブドウや、魔導のブドウに似た成熟した果実が、宝石のようにたわわに実っている。
更に、天井代わりの枝からは照明の役割を果たす銀色の繭に似た魔道具が複数個ぶら下がり、淡く幻想的な光を落としていた。
「すごい……まるで空中の果樹園ね」
「ん、綺麗」
「ふふ、これを見ながらお茶を楽しんでいただくのが、当店の真のサービスなんですよ。今の季節は特に実りが美しいですから」
誇らしげに語る店主の心意気に素直に拍手を送った。
その幻想的な光景の下で美味しいスイーツと会話を楽しむ至福の時間が流れる。
一息ついたところでクナが優雅な手つきで懐から小さなクリスタルの小瓶を取り出した。
「激戦の後ですから、皆様のお飲み物に少しだけ『魔法』をかけさせていただきますわね」
クナは、俺が飲んでいる果実水や、レベッカたちのサンサティに、小瓶から琥珀色の雫を数滴ずつ垂らしていく。
ポチャン、と雫が落ちた瞬間、飲み物の中からふわりと淡い光の粒子が舞い上がり、爽やかで奥深い香りがテラス席に広がった。
「ふふ、これは以前も使った〝魔霊不虞草〟や〝魔命の蜂蜜〟などの成分を、日常用にマイルドに精製した特製のシロップです。戦いの昂ぶりを静め、深い疲労をスッと抜いてくれますわ」
「「へぇ」」
「クナ、ご主人様の精力を?」
「ふふ、それは少々入ってますが、この間のとは異なりますことよ」
「そうですか」
ヴィーネの言葉に皆が俺を見る。
なんだよ。リアクションに困るが、帽子があれば、くるりんぱっとかやればいいのか……。
そんなことを考えつつ、
「……おぉ、さすがクナ。気が利く」
「ん、クナのシロップ、美味しいし落ち着く」
グラスを口に運ぶと、爽やかな果実の味わいの奥に、包み込むような優しい甘さが広がり、強張っていた筋肉と神経が心地よく解れていくのが分かった。
「にゃお」
机の上にいる相棒も、店が用意してくれたミルクにクナがシロップを垂らしたものを、ピンク色の舌を出してぺろぺろと美味しそうに舐めている。
活力を得た黒猫が、弾かれたように広場の芝生へと飛び出していった。
広い芝生をスライディングするように滑って遊んだり、低空を飛ぶ蝶や鳥を無邪気に追いかけたりしている。
しばらくすると、遊び疲れたのか、トコトコと戻ってきて机に跳躍し、見上げてきた。
「どうした?」
「にゃ」
抱き上げてほしいと、なんとなく理解した。
お望み通り、抱き上げると、お日様の匂いと芝生の青い匂いが混ざった心地よい香りがした。
プニプニとした肉球の感触を指で確かめながら、その背中を優しく撫でて、相棒の背を丸めるように――。
両手の掌で猫のアンモニャイトを作り、胸でも抱きしめる。
「ゴロゴロゴロ……」
可愛い喉の音だ。
黒猫のビー玉のような美しい瞳には、俺の顔が反射して写っていた。
「可愛いわねぇ、ロロちゃん」
ユイが微笑ましく目を細め、相棒の鼻先に人差し指を当てると、黒猫は匂いを嗅いでから、そのユイの人差し指を舐めていた。
「ふふ、ありがと、ロロちゃん」
黒猫は何も言わず、ユイの手の甲も舐めてから己の耳を右前足で掻き始める。
その黒猫を机に下ろした。
頭上の美しい葡萄棚と、カフェの喧騒、大道芸への歓声、そして家族連れや恋人たちの笑い声。
この塔烈中立都市セナアプアの上界には、確かな人々の営みと平和が存在している。
と、黒猫が喉を鳴らしながら、頭部を左手首に載せてきた。顎のゴロゴロ音の振動がダイレクトに伝わってくる。黒猫は前足を伸ばし、掌の上で、爪を出し入れしては、パン職人を行い始めた。
「「ふふ」」
「ロロちゃん、幸せそう!」
「ん、可愛い」
「うん!」
「ふふ、ロロちゃん、シュウヤのところじゃなくて、わたしの手首にも頭部を載せて~」
と細い腕を机にわざとらしく置く。
相棒は、鼻息を強めてから耳をピクピクと動かし、ゆったりと立ち上がると、レベッカのところに移動して前足を載せている。
レベッカは微笑み、
「あ、ふふ、おかわり~って……」
と言いながら、小首を傾げ、
「頭部は載せてくれないの~?」
と可愛く黒猫に聞いていた。
ブルースカイの蒼い目が本当に綺麗なんだよな。
黒猫は、そのレベッカを見つめて、「にゃ」とかすかに鳴いて、レベッカの鼻先に鼻キスをしてから、細い手首にコテンと頭部を載せた。
「わぁ~」
「「「おぉ」」」
レベッカは感動し、他の眷族たちから歓声が上がる。
相棒は背を撫でられ、尻尾を掴むように弄られていくが、目を瞑っていく。
レベッカは腕を動かせられなくなったのか、ジッとしていた。それを見ていた皆が、また微笑む。
さて、このほのぼのした雰囲気も最高に良いが……。
明日の【天空閣】での三カ国和平会合が成功するまでは、決して氣は抜けない。
「……この平和な景色を大事に、会議の邪魔が入らないようにしないと」
ポツリとこぼした俺の言葉にヴィーネやキサラ、ユイたちの表情からふっと柔らかな笑みが消え、代わりに凛とした戦士の顔つきへと変わる。
「はい。明日の【天空閣】で本格的に戦争を止めることができる」
「えぇ。私たちは『最強の抑止力』として、この平和を守り抜きましょう」
皆が頼もしい。英氣を養ってくれたかな。
そこで、天空閣を遥か上空に見据えた。
決戦の地の印象はいないが、もしかしたらもしかするかもだからな……深夜辺り相棒と一緒に一人で、あの辺りを警邏でもしとくか……。
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